コースターを彩る:サーフェスかぎ針編み&レイジーデイジーステッチ徹底ガイド

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コースターを彩る:サーフェスかぎ針編み&レイジーデイジーステッチ徹底ガイド
かぎ針編みのコースターに、サーフェスかぎ針編み(引き抜き編み)とレイジーデイジーステッチでやさしい立体感と可憐な枝葉をプラス。新しい糸の結び方から、10目のサーフェスチェーンの作り方、ループを整えて固定する刺繍のコツ、最後の糸始末までを丁寧に追います。初心者向けのやさしい技法で、作品を「特別」に仕上げましょう。

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Table of Contents
  1. 飾りを足す前に:イントロダクション
  2. サーフェスかぎ針編みを始める
  3. レイジーデイジーステッチを極める
  4. 2つの技法をデザインに落とし込む
  5. 仕上げと糸始末
  6. アイデアとインスピレーション
  7. よくある質問
  8. コメントから:現場の疑問に答える

飾りを足す前に:イントロダクション

コースターはすでに編まれた土台。ここに新しい糸を“表面上で”走らせるのがサーフェスかぎ針編みです。動画では3mmのかぎ針と合細系の糸を使用していますが、目的はあくまで表面に引き抜きのラインを描くこと。

A hand holding a pink 3mm Tulip crochet hook next to a terracotta-colored crocheted fabric swatch and white fingering weight yarn.
The crafter displays the tools and materials: a 3mm crochet hook, a completed crochet swatch, and the white yarn to be used for surface embellishment. This prepares the viewer for the next steps.

プロジェクトの全体像としては、(1) サーフェスかぎ針編みで中央に縦の白いチェーンを10目つくり、(2) その糸端をとじ針に通して、(3) レイジーデイジーステッチで枝葉のようなループを左右に重ね、(4) 裏で固定して糸始末をして完成、という流れです。

A finger pointing to a specific stitch on the bottom edge of the terracotta-colored crochet swatch, indicating the starting point for the surface design.
The crafter identifies the precise stitch on the crochet coaster where the surface design will begin, crucial for correct placement of the embroidery.

クイックチェック

  • 土台の“表裏”を正しく把握できていますか?
  • デザインの起点(今回は下辺中央)を決めましたか?
  • 作業糸は常に裏側、見えるのは表側のループのみになるよう意識しましょう。

サーフェスかぎ針編みを始める

最初のハードルは“糸の取り付け”。動画では、かぎ針を起点の目に差し込み、長めの糸端(後で処理するため)を残して、糸をフックにひっかけた状態で軽く結びます。必要なら二重にしてもOK。

Hands tying a knot with white fingering weight yarn around the tip of a crochet hook inserted into the crochet fabric.
The crafter ties a knot with the white yarn around the crochet hook, which is already inserted into the fabric. This secures the new yarn before beginning the surface crochet stitches.

この結び目はあとで裏側へ引き込めるので、表で少し見えても心配いりません。大切なのは、糸端を手で押さえて“アンカー”にし、最初のループを前面に出すこと。

A crochet hook pulling a loop of white yarn from the back of the terracotta crochet fabric through to the front.
The hook pulls the new white yarn from the back of the fabric, through the chosen stitch, to the front. This action initiates the first visible loop of the surface crochet.

プロのコツ

  • 結び目は“仮留め”の意識で。強く締めすぎると、あとで裏に逃がしにくくなります。
  • 糸端は後工程でも活躍します。ほどけ防止の相棒として、しっかりキープ。

次に、上方向へ一目進めて引き抜き編み(スリップステッチ)でラインを描きます。工程はシンプル。裏にある作業糸を針にかけ、表へ引き出し、そのままかぎ針上のループを通して引き抜く——これで1目。テンションは“微ゆる”が吉。

A crochet hook with two loops of white yarn, one loop already on the hook and a second loop being pulled through a stitch on the terracotta crochet fabric.
The crochet hook holds one loop, and a second loop of white yarn is being pulled through a new stitch on the fabric. This shows the progression of forming surface crochet slip stitches.

3〜4目つくると、等間隔の白いチェーンが見えてきます。動画では直線で10目を目標に進めますが、進行方向は自由。曲線やジグザグも、同じ引き抜きの積み重ねです。

A close-up of several white surface crochet slip stitches forming a vertical line on the terracotta crochet fabric, with the hook poised for the next stitch.
A clear line of surface crochet slip stitches is visible on the fabric, demonstrating the cumulative effect of the technique. The hook is ready to continue the pattern.

注意

  • 目に通す位置は毎回かならずしも“完全な目の中心”でなくてOK。大切なのは、土台の糸を確実に少し拾って固定すること(コメントにも回答あり)。

- 引き抜きがきつすぎると生地がつれます。ループの輪郭が見えるくらいの緩さを保ちましょう。

サーフェスの締めはシンプル。所定の10目ができたら、約70cmの糸端を残し、最後のループに糸を通して引き抜き、編みパートをクローズします。次章の刺繍にこの糸端を使います。

クイックチェック

  • 10目できましたか? 目の大きさはだいたい揃っていますか?
  • 糸端は十分に長く残しましたか(目安:70cm)?

レイジーデイジーステッチを極める

刺繍パートの準備は、いま残した糸端をとじ針に通すだけ。ここからは“針を上げる・ループを支える・固定する”の繰り返しです。

ループの作り方(最初のひと花)

起点は、サーフェスチェーンの糸が表に出てきた同じ場所。そこへ針を入れて一度下に落とし、少し上の位置から針を表へ戻します。親指でループを軽く押さえながら糸を引くと、きれいな涙型のループが立ち上がります。

動画では、サーフェスのラインよりもやや大きなループにして“モチーフが映える”バランスを取っています。ループが決まったら、出てきた点の少し上にひと針落として固定。これで最初のレイジーデイジーが完成。

クイックチェック

  • ループの大きさは均一? きつすぎず、緩すぎず。

- 糸がねじれたり結び目になっていない? 親指で軽く押さえながら引くのがコツ。

分岐させてリズムを作る

次のループは、ただいま固定した起点と同じ場所から再スタート。斜め上へ角度をつけて針を出し、同じ要領でループを作ります。左右に交互に作っていくと、中央のサーフェスチェーンを軸にした“枝”のような対称形に。

プロのコツ

  • 左右対称を保つには、針を出す位置を“前のループの固定点と平行”に意識。大きさが揃います。
  • ループがきつく閉じてしまったら、針を戻さず“ループ側をそっと開く”イメージで整えると跡が残りにくい。

2つの技法をデザインに落とし込む

サーフェスチェーン=幹、レイジーデイジー=葉や花。たったこれだけで、見た目にメリハリのあるモチーフが作れます。動画でも、片側に数枚、反対側に数枚と、左右に振り分けることで、シンプルなのに映えるレイアウトに仕上がっています。

デザインのポイント

  • 幹(サーフェスチェーン)の長さは“10目”が目安。短いと詰まり、長すぎると間延びします。
  • ループは“幹より大きめ”が効果的。幹と葉の対比が生まれます。
  • 固定のひと針は、ループ先端のやや上。押さえ過ぎず、形を保つ位置に。

完成形の例:動画後半では、枝を1本にした控えめなコースターと、3本の並列枝で少しリッチに見せたコースターの2種が紹介されています。シーンに合わせて使い分けられるのも魅力。

仕上げと糸始末

すべてのループを縫い終えたら、針を裏側へ抜き、結び止め。表に影響が出ないよう、裏で糸端どうしを小さく結んでから、数方向に分けてくぐらせて隠します。結び目は最小限に、糸端は表に透けないラインを選んで処理しましょう。

注意

  • 結びが甘いと使用中に浮きが出ます。気になる場合は“二重結び→複数方向へくぐらせ”で安心感を。
  • 透け色の糸は、厚みのある編み目の下を選んで通すと表に影が出にくいです。

アイデアとインスピレーション

・初心者は、まず“幹1本+葉3枚×左右”から。形が安定し、配置の感覚がつかめます。 ・慣れたら“幹2〜3本の並列”でリズムを変えて。コースターを2枚1組にして、柄違いのセットにしても素敵。 ・レイジーデイジーは葉にも花弁にも見える万能ステッチ。糸色を変えれば季節感も演出できます。

編集部メモ(機械刺繍派の方へ) 手刺繍と機械刺繍はアプローチが異なります。本記事は手で仕上げる方法に特化していますが、用語検索の目安として、次のキーワード例を残しておきます(詳細は別記事で扱います)。このチュートリアルの内容とは直接関係しない補足です。磁気 刺繍枠 for brother

同様に、ブランド別の呼称も複数存在します。比較検討のための語感を掴む用途でどうぞ。babylock 磁気 刺繍枠

産業機向けのアクセサリー名も広く流通しています。名称の一例としての記載にとどめます。mighty hoops for tajima

家庭用ミシンでも専用フレーム名が使われます。こちらも語彙リストとして参照ください。bernina 磁気 刺繍枠

アクセサリーブランド由来の用語も見かけます。製品固有情報は公式情報をご確認ください。dime snap hoop

一般名詞的に“磁気フレーム”と呼ばれることも。用途や互換性は機種次第です。magnetic フレーム

機種名そのものが話題のハブになる場合もあります。機能や仕様は公式の資料を参照してください。brother pr1055x

よくある質問

Q. サーフェスかぎ針編みって何ですか? A. すでに編まれた生地の“表面上”に、引き抜き編みなどで線や模様を描く技法です。動画では直線に10目のチェーンを作っています。

Q. どんな糸でもできますか? A. 動画では合細(fingering)を使用。糸や針サイズは生地との相性が大切で、硬すぎるとつれやすくなります。サイズ選びの具体値は動画以外では示されていません。

Q. レイジーデイジーの絡まり防止は? A. 親指でループを軽く押さえながら糸を引くと絡みを防げます。ゆっくり、スムーズに引くのがコツです。

Q. どんな作品に向いていますか? A. コースターはもちろん、ブランケットやバッグ、帽子など、編地のアクセントとして幅広く使えます(動画はコースター例)。

Q. 糸端はなぜ長めに残すの? A. 仕上げの縫いとめや、刺繍への移行(とじ針に通す)のため。長さは動画では約70cmが目安です。

コメントから:現場の疑問に答える

質問:ステッチの“中”を必ず通さないとダメ? 生地の糸を少し拾うだけでも固定される?

回答(制作者):完全にステッチの中を通らなくてもOK。作品の糸を少しでも確実に拾えていれば、サーフェスかぎ針編みはしっかり固定されます。

このポイントは、目を外したときの“やり直し負担”を減らす実務的な知恵。芯になる糸を見極めて、確実にキャッチしましょう。

—— 仕上がりを左右するのは、いつでも“テンション・位置・固定”。動画の手つきとこのガイドを往復しながら、一枚のコースターに小さな枝を育ててみてください。きっと次の作品でも、指が自然と同じリズムを刻んでくれるはずです。