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Bernina Jeff流・はさみメンテの全体像
はさみの健康診断は、目視と触感の“基準”を持つことから始まります。本稿では、動画の流れに沿って、チェック→洗浄→注油/磨き→テンション調整→ダメージ回避→研ぎ依頼という順で解説。作業机は平らで硬すぎない木面が推奨です。

クラフトや刺繍の現場では、はさみのキレは布端の“毛羽立ち”やパターンの合いにも影響。特に接着芯や両面シートを多用する方は、刃の内側に残る微量の粘着が切断抵抗を増やします。磁気 刺繍枠を使って安定固定しつつカットする場面でも、仕上げの端落としに切れ味が必要です。
刃のチェック:締まり具合と“わずかな弓なり”
はさみは“ややタイト”が基本。開いた状態から閉じると、左右の刃がしっかり擦れ合い、布や紙を噛み切る手応えが指に伝わります。

さらに重要なのが“弓なり”。一本一本の刃がわずかに内側へ湾曲し、付け根から先端まで連続して触れ合うのが理想です。

先端の最終チェックでは、刃先同士が正確に合っているかを確認。ズレがあると、細かな糸切りや角の切り返しで“潰れ”が起きやすくなります。

クイックチェック
- 開閉時に“空転”せず、軽い抵抗があるか
- 刃の内側に連続した接触感があるか
- 先端がぴたりと会合するか
こびり付いた粘着を落とす
接着芯や粘着紙を切ったあとに残る“ベタつき”は、切れ味低下の主犯。カミソリ刃を用意し、はさみの“内側”だけをそっとスクレープして、糊やテープ残渣を削ぎ落とします。

ポイントは、角度を立てすぎず、押し当てないこと。数回の軽いストロークで滑りが戻るのを感じられるはず。刺繍愛好家なら、下準備の安定化にbernina snap hoopやdime snap hoop berninaのような枠を活用する機会も多いはず。布をしっかり保持できる分、刃には微細な接着残りが溜まりやすいので、この“内側スクレープ”が効きます。
注意
- カミソリは“内側のみ”。外側の刃面は刃角を崩す恐れがあるため触らない。
- 指先の進路に刃先を向けない。作業は台上で。
注油と磨きで動きを取り戻す
次は“スパ”工程。一般用ソーイングマシンオイル(黄色キャップ)または黒ボビンのBerninaフック用(赤キャップ)を、刃の内側とPivot周辺に極少量。オイルは毛羽や粉塵を寄せやすいので“少なめ厳守”が鉄則です。

オイルをのせたら、Mr. CleanのMagic Eraserを小片にカット。

このスポンジで刃の内側を軽く磨き、汚れを吸い上げながら油膜を均します。

Pivot(ねじ)まわりも丁寧に。ここが渋いと、刃同士の接触が乱れて切断圧が逃げます。磨きの後、はさみを数回開閉してオイルを行き渡らせ、余剰油は拭き取ってください。


プロのコツ
- Magic Eraserはオイルを少量含ませてから使うと、磨きと拭いを一度にこなせます。
- 仕上げに乾いた布で“サッと”全体を拭くと、ほこりの付着を抑えられます。
テンション調整(必要な場合)
開閉が固すぎる、あるいは逆に“フニャッ”と軽すぎるなら、Pivotねじの微調整を検討。Fiskarsタイプなど、オレンジのプラハンドルに代表される汎用モデルは、ねじにドライバーを当て“左に1/8〜1/4回転”だけ緩めて感触を確認します。

行き過ぎは禁物。刃の接触が弱くなると、布が逃げて目詰まりのような切り残しが出ます。強すぎると手が疲れ、Pivot摩耗も早まります。微調整→確認を数回繰り返し、“あなたの手”に合うポイントを見つけましょう。刺繍の裁ち落としや安定紙のトリムでは、とくに再現性のあるテンションが効きます。mighty hoopsで枠入れする前の下処理でも、はさみのタッチが一定だと工程が速くなります。
はさみを傷める原因を知る
もっとも致命的なのは“半開きでの落下”。床で刃同士がぶつかり、両刃の同位置に“テカリ”が出て急に鈍ります。持ち替えやすい定位置を決め、机の縁から遠い位置で使う習慣を。厚紙の切断も局所的なダルを招くので避け、サンドペーパーは厳禁です。

紙切りの迷信について。20世紀初頭の紙は砂分が多く“紙やすり”に近かったため、布用はさみで紙を切るなと言われました。現在の紙は清浄度が高く、たまに薄紙を切る程度なら問題は限定的。ただし、厚紙は不可。刺繍ミシン運用でも、安定紙や水溶性シートの端処理は切りやすい薄手を選ぶと刃負担を抑えられます。
おすすめのはさみと郵送研ぎサービス
Jeffが長年推すのはHorn of Americaのシリーズ。ドイツ鋼の刃、黒ハンドルでサイズは4〜9インチまで幅広く、切れの持続に定評があります。

自分での調整やクリーニングで回復しない場合は、プロの研ぎ直しへ。Jeffは1挺あたり5ドル(片道送料別)で郵送研ぎを提供。送付時は“USPS小型フラットレートの箱”に、厚手ジッパーバッグでまとめ、箱全体をクリアテープでぐるりと補強。封筒タイプは破れやすいので使用不可です。


発送の実務ポイント
- まとめて5〜7挺を小型フラットレート“箱”へ。隙間を詰め、刃先は保護。
- 厚手ジッパーバッグで二重に封緘。箱は全周テーピング。
- 封筒タイプ(パッド封筒含む)は裂けやすく厳禁。
布地や安定紙の裁断を頻繁に行う刺繍ユーザーは、枠入れや後始末のトリム時に切れが落ちると“糸引き”が顕在化します。snap hoop monster for berninaやbernina 磁気 刺繍枠などで保持力が高いほど最後の“仕上げ切り”は正確性が要求されるため、研ぎ直しのタイミングを早めると品質安定に寄与します。
ミシン用オイルの使い分け
Jeffは一般用途の黄色キャップと、黒ボビンのBerninaフック専用の赤キャップを紹介。はさみのPivotにも応用できますが、量は常に最小。作業後に余分を拭い、埃を寄せないのがコツです。詳細は彼のサイトや動画一覧を参照すると良いでしょう。
刺繍ユーザー向けの小話
- 枠入れのテンポが速いほど、刃の注油・拭き上げの頻度も上げると良い循環に。
- brother 磁気 刺繍枠やsnap hoop monster for berninaなど着脱が速い枠を使う場合、端材のトリムも増えるため、刃の“弾き”で判断するメンテ周期を。
クイックチェック
- 刃の弓なり:付け根から先端まで連続接触
- 先端会合:刃先が正確に合う
- 粘着除去:内側スクレープでベタつきゼロ
- Pivot:最小限の注油→開閉で馴染ませる
- テンション:ねじは1/8〜1/4回転の微調整
- ダメージ回避:半開き落下NG、厚紙NG、サンドペーパー厳禁
プロのコツ
- Magic Eraserは小片にして“使い捨て運用”。常に清潔な面で磨く。
- 研ぎに出す前に、粘着除去→注油→磨き→テンションの順で“セルフ整備”を一巡。改善しなければ研ぎ時。
- 保管は“刃先ガード+スタンド”で。机に平置きせず、落下経路を断つ。
- 刺繍下準備の裁断は、薄手の紙・安定紙を併用し刃負担を分散。磁気 刺繍枠 for berninaや磁気 刺繍枠で保持しつつ、刃は常にクリーンに。
注意
- 刃の外側を削らない(刃角を壊す)。
- オイル過多は粉塵を呼び込む。仕上げ拭き必須。
- 郵送時は“箱”のみ使用。封筒は裂けやすく中身が散逸する恐れあり。
- ナイフは郵送不可(はさみのみ)。
コメントから
今回、視聴者コメントの掲載はありませんでした。動画内では、ショップ情報と連絡先、オイルの紹介、そして研ぎサービスの梱包注意が強調されています。

参考リンク(動画内案内)
- ショップ:bernina-jeff.shopify.com(上部メニュー“catalog”から)
- 動画一覧:HiFashionGJ.com
- 電話:970-256-1293
