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壁掛けデザインをホリデーオーナメントへ変身させる発想
発売されたばかりの「Santa's Reindeer Wallhanging」には、キルティングブロックのための工程が多数含まれています。今回は、その“壁掛けならでは”の工程を整理し、中央の愛らしいトナカイモチーフをオーナメントとして活かします。壁飾りに使う場合はステップを削除しないこと。あくまで“オーナメント用に複製したデータ”で行います。

プロのコツ
- 壁掛けの雰囲気を保ちたいときは、元データには手を加えないこと。必ず別名保存で“オーナメント版”を用意。
- 縁取りステッチを最後に回すと、前面・背面フェルトとループを一度に縫い留められ、仕上がりが安定します。
- 作品のスタイルに応じて、ラメ入りフェルトやバリエーション糸でアクセントを。
注意
- ループ(リボン・紐)が縫い目に引っかからないよう、仮固定はしっかり。テープがステッチパスにかからない位置で。
- トリミング時にループを切らないこと。
クイックチェック
- 目的は“中央モチーフ+配置線+最終縁取り”。この3点が設計に残っているかを確認。

Embrilliance Essentialsでのカスタマイズ手順
この工程は推奨ですが必須ではありません。ソフトなしでもミシンのステップ送りで実現可能です。ここでは、動画のとおりEmbrilliance Essentialsでの流れを簡潔にまとめます。
デザインを読み込み、ステッチを分析する
- 5×5のDancerブロックを、5×7のフープ背景上に読み込み、Objectsタブで全ステッチステップを展開します。動画では39ステップが表示されています。

ポイント:前半の多くはキルティングブロックの配置・タックダウン。オーナメントには不要です。
不要ステップの削除(壁掛け用工程を間引く)
- ステップ1〜16(配置・タックダウン等)を選択→削除。
- さらに背景モチーフに関係するステップ19も削除。
- 中央のトナカイモチーフのみを残します。

ここまでで、配置線・中央モチーフ・装飾的な縁取りに集中した構成になりました。刺繍枠 刺繍ミシン
ステッチ順の並べ替え(縁取りを最後へ)
- 赤の装飾ステッチ(もともと2番目)を一番最後のステップに移動。
- シミュレーターで、最初に配置線→モチーフ→最後に縁取り、という流れを確認。

プロのコツ
- 変更は必ず複製データで。元データを上書きしない。
- 保存はUSBへ。ミシンで即呼び出せて便利です。
クイックチェック
- シミュレーターで“配置線→装飾→黒のステッチ→最終赤縁取り”の順序になっているか。
刺繍ミシンの準備:配置線を正確に縫う
USBから“オーナメント版”デザインを呼び出し、スタビライザーを張ったフープをセット。最初の配置線(オーバル形状)を縫って、フェルトを置くガイドを作ります。

- スタビライザーはティアウェイを使用。仕上げでキレイに剥がせます。
- ソフトなしの場合は、ミシンのステップ送りで“フェルト位置を示すステップ”から開始。
注意
- スタビライザーをしっかり張ること。たるみはズレや歪みの原因。

フェルト層を重ねてオーナメントを組み立てる
前面フェルトを重ねる
配置線全体を覆うサイズのフェルトを置き、医療用テープで仮固定します。たわみやズレをなくし、前面の装飾ステッチを進めます。

- フェルトは配置線よりひと回り大きく。
- 装飾ステッチは、トナカイや星、オーナメントなどモチーフ要素一式を縫います。
ヒント
- 途中でフェルトが動いたら、すぐ停止→位置を直して再開。
磁気 刺繍枠を使用する場合もありますが、この動画では通常のフープ運用で説明されています。
ループと背面フェルトを取り付ける
- フープを外し、裏側へ。キラキラのグリーンリボンでループを作り、上端中央へ配置。ループの両端は最終の縁取りに確実にかかる位置へ入れ込み、医療用テープで仮固定。

- その上から背面用フェルトを重ね、配置線を完全に覆うようにセットし、テープで固定。

- ループやテープが縫い目にかからないことを確認してから、フープをミシンへ戻します。

注意
- ループが走行経路に入らないよう、上部も軽くテープで押さえておくと安心。
クイックチェック
- 背面フェルトが配置線を十分に覆っているか?
- ループの端は縁取りステッチで確実に挟み込める位置か?
fast frames embroideryやmagnetic フレームなどを使うケースもありますが、動画では明示されていません。ご自身の環境に合わせて安全に固定してください。
最終ステッチと仕上げトリミング
縁取りステッチを実行する
最後に、オーバルの装飾縁取りを一周。これで前面・背面フェルトとループが一体化します。動画ではバリエーション糸を使い、華やかな縁取りに。

プロのコツ
- ステッチ前に糸調子をチェック。重要な最終縫いで糸切れが起きないように。
スタビライザーを剥がし、きれいにトリミング
- フープを外し、不要なティアウェイスタビライザーを丁寧に除去。

- 縁取りの外周に沿って、はみ出たフェルトをピンキング鋏または直線の鋏でトリミング。

- ループ付近は、前後のフェルトを前方に折り、ループを後ろに逃がしてから少しずつカットすれば安全です。

注意
- トリミングでループを切断しないこと。動画でも“切らないよう注意”と明言されています。
クイックチェック
- ループは無事?
- 縁は均一で、スタビライザーの残りはない?
フレームの種類や鋏の選択で、仕上がりの印象は大きく変わります。お好みで試してみてください。
新しいオーナメントの飾り方アイデア
- シングルオーナメント:ツリーの見せ場に一点投入。モチーフが引き立ちます。
- ガーランド:複数をつないで、壁やマントルに。テイストを合わせると統一感が出ます。
コメントから
- 「別の使い方が知れて助かった」「詳しい解説がありがたい」といった声が多く、初学者にも実用的な内容として支持されています。
- Embrilliance活用の追加動画を望む声も。今回の流れ(不要ステップの削除→縁取りを最後へ)は応用しやすく、他のモチーフにも展開可能です。
- 「馬小屋の場面(manger scene)でも作ってみたい」というアイデアも。構成の考え方は同じなので、中央モチーフを置き換えて試してみるのも一案です。
プロのコツ(まとめ)
- 最小限の工程で最大の効果を:配置線→モチーフ→最終縁取りの3点に集中。
- 背面フェルトとループを“最後の一周”でまとめる設計に。
- フェルトは配置線をしっかり覆うサイズで、ズレ防止の仮固定を丁寧に。
注意(まとめ)
- 元データの上書きは厳禁。必ず複製して編集。
- トリミング時のループの扱いに注意。折り込みで刃から遠ざける。
補足メモ
- この動画では具体的なフレームや機種の指定はありません。一般的なフープでの運用です。刺繍ミシン for beginnersの方も、動画どおりの順番なら取り組みやすいはず。
- アクセサリーの選択肢として、一般に“マグネットで固定するタイプ”が知られていますが、本動画では使用の有無は触れられていません。必要に応じて情報収集の上でご判断ください(例:mighty hoop、磁気 刺繍枠)。
- 用語の多様性に注意:環境によってはfast frames embroideryやmagnetic フレームという表記に出会うこともありますが、今回の手順自体は標準フープで問題なく再現できます。
まとめ 壁掛け用のブロックを小さく切り出し、工程を“オーナメント仕様”に最適化するだけで、ぐっと用途が広がります。配置線で正確に位置決めし、前面→背面→ループを最終縁取りで一体化。スタビライザーを剥がし、エッジを整えたら完成です。技術的にはシンプルながら、仕上がりは上質。ギフトにも、ガーランドにも、今年のツリーの主役にも—活躍の場がたくさん待っています。最後にもう一度、トリミング時のループだけはお気をつけて。刺繍枠 刺繍ミシンと磁気 刺繍枠の選択は、あなたの手元環境に合わせて無理なくどうぞ。
