スウェットの襟ぐりにカーブ文字を刺繍する方法(Embrilliance+Melcoで実践)

· EmbroideryHoop
スウェットの襟ぐりにカーブ文字を刺繍する方法(Embrilliance+Melcoで実践)
スウェットの襟ぐりにカーブ文字を入れる人気の刺繍。この記事では、Embrillianceで半径と回転角を設定して文字を曲げる方法、紙テンプレートでの事前検証、Soft-N-Sheer+ティアウェイの二層安定、Mighty Hoopでのフロート的な固定、Melcoでのレーザー合わせとトレース、ウォーターソルビー併用のステッチ、糸跳びの安全なカットと安定紙の後処理まで、動画の流れに沿って日本語で徹底解説します。

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Table of Contents
  1. 襟ぐり刺繍のはじめかた
  2. Embrillianceでカーブ文字を設計する
  3. スウェットと安定紙の準備
  4. 襟ぐりをうまく枠入れするコツ
  5. 刺繍機のセットアップとステッチング
  6. 仕上げと着用チェック
  7. プロのコツ
  8. クイックチェック
  9. トラブルシューティング
  10. コメントから:よくある質問に回答

襟ぐり刺繍のはじめかた

カーブ襟ぐり刺繍は、デザインの美しさと着心地の両立がポイント。今回の動画では、Gildan 18000(コットン50%/ポリ50%)のミディアムに“mama”を弧状に配置して刺繍しています。仕上がりを先にイメージしておくと、半径や回転角の微調整がスムーズです。

Woman holding up a hot pink Gildan 18000 sweatshirt.
Ashley displays the hot pink Gildan 18000 sweatshirt, the canvas for the embroidery project.

まずは素材と道具を確認します。スウェット本体、紙に印刷したデザイン、Soft-N-Sheer(極薄のカットアウェイ)、ティアウェイ、仮止め用のスプレー糊、ピン、そして刺繍機側ではMighty Hoopなどを使います。

Woman holding up a thin, translucent piece of Soft-N-Sheer stabilizer.
Ashley shows the Soft-N-Sheer stabilizer, highlighting its thin and delicate texture essential for neckline embroidery.

テンプレートはEmbrillianceで作成し、必ず印刷して実物上でカーブと位置をチェックしましょう。紙の段階で“しっくりくる”曲率に整えるのが、仕上がりの要です。

Woman holding a piece of paper with the word 'mama' printed in a curved script font.
The printed 'mama' design, created in Embrilliance, serves as a crucial template for checking curvature and placement before embroidery.

紙を丁寧にカットして、襟ぐりのカーブに沿わせます。中心線を折り目で見つけ、テンプレートにもクロスヘアを入れておくと、視認性がぐっと上がります。

Woman carefully cutting around the printed 'mama' design with pink scissors.
Ashley meticulously cuts around the printed 'mama' design, creating a precise paper template to guide placement on the sweatshirt.

襟ぐりに配置して、見た目のバランスを確認。クロスヘアが身頃のセンターと一致していれば、後工程のレーザー合わせが格段に楽になります。

Woman aligning the cut-out 'mama' paper template on the neckline of a pink sweatshirt.
The cut-out 'mama' template is carefully positioned on the sweatshirt neckline, with crosshairs marking the center for accurate alignment.

中心点のマークは小さくても明確に。最終的な“見え方”はここで決まります。

Finger pointing to the center alignment mark on the 'mama' template on the sweatshirt.
A finger highlights the precise center point on the neckline, crucial for perfect embroidery alignment.

Embrillianceでカーブ文字を設計する

Embrillianceを立ち上げ、新規タブで“mama”を入力。BXフォントのLibby Jane(1.5インチ)を選び、円アイコンの「下側に配置」で文字列を円弧に沿わせます。

Computer screen showing 'mama' text in Embrilliance software.
The initial 'mama' text is displayed in Embrilliance, ready for curving and customization using the software's features.

半径は102mm(約4インチ)を起点に、襟ぐりの曲率に近づくよう微調整。文字同士が自然につながるよう、間隔も少し詰めます。重なり過ぎに注意しながら、スクリプトらしい流れを作りましょう。

Woman using a mouse to adjust letter spacing for 'mama' text in Embrilliance software.
Ashley fine-tunes the letter spacing in Embrilliance, ensuring the 'mama' text flows smoothly and letters are correctly connected for embroidery.

最終的にデザイン全体を約75度回転。襟の見え方に合わせて角度を整え、紙にプリントして実物で再確認します。紙段階での微修正が“きれいな仕上がり”を生みます。

Computer screen showing the 'mama' text rotated 75 degrees in Embrilliance.
The 'mama' design is now perfectly rotated by 75 degrees in Embrilliance, matching the intended angle for the sweatshirt neckline.

ちなみに、Melco環境での実機合わせが前提でも、設計自体の考え方は共通。機種に左右されにくい“紙で見る→数値を詰める→また紙で見る”の反復が、失敗を最小化します。ここで、将来別文字列や長めのフレーズに応用する場合も、半径を変えて紙で確認する流れは同じです。melco 刺繍ミシン

スウェットと安定紙の準備

スウェットは縦半分に折ってセンターを取り、テンプレートをピン留め。襟ぐりの縫い目(シーム)は枠から外れるように“少し下へ逃がす”のがコツです。

Woman pinning the paper 'mama' template onto the neckline of a pink sweatshirt.
The paper template is carefully pinned to the neckline, providing a stable guide for the embroidery placement during the hooping process.

安定紙は二層。極薄のSoft-N-Sheerを裏面にスプレー糊で軽く固定し、その下にティアウェイを重ねて、枠外に少し余裕をもたせます。襟ぐりのような伸縮部位では、波打ちやズレを抑えるために二層の安定が効きます。作業中にズレが気になる場合は、ピン留めを見直すか、スプレーの当たりを部分的に増やしましょう。刺繍枠 for melco

注意

  • ピンは後で必ず外すので、外し忘れがない箇所にだけ使う。
  • スプレー糊は軽くで十分。べた付きは後処理の手間になります。
  • シームが枠内に入ると針折れや段差の原因。必ず回避。

襟ぐりをうまく枠入れするコツ

Mighty Hoop(5×5)に、テンプレートと安定紙を重ねた襟元をセット。生地は“張るが、引っ張らない”が原則です。伸ばし張りは波打ちや縮み戻りの原因になります。

Woman securing a blue Mighty Hoop with the pink sweatshirt and 'mama' template.
The sweatshirt, with its layered stabilizers and paper template, is securely fastened within the Mighty Hoop, ensuring the fabric is taut and ready for the machine.

枠をマシンに装着したら、テンプレートのクロスヘアとレーザーを一致させ、必要であれば微調整。トレースで外周をなぞって、枠や縫い目に当たらないかを必ず確認します。ピンは刺繍前にすべて外します。Painter’s tapeでテンプレートを仮固定するテクニックも有効です(読者の提案)。mighty hoop 5.5

プロのコツ

  • 紙テンプレートは“曲率の見え”を最短で掴む道具。気になるなら半径違いを複数印刷してあて比べる。
  • 文字間は“つながる直前”まで攻めると、スクリプトらしい滑らかさに。
  • 視覚的なセンターより“着用時の見え方”を優先。鏡や試着で確認する。

刺繍機のセットアップとステッチング

デザインをマシンに読み込み、レーザーで合わせたら、トレースで一周。ニットの上面にはウォーターソルビー(ウォータートッピング)を敷き、ステッチが沈み込まないようにします。

Melco embroidery machine stitching the 'mama' design on the pink sweatshirt with water-soluble topping.
The Melco machine diligently stitches the 'mama' design onto the neckline, with a layer of water-soluble topping ensuring clean, crisp stitches.

スタート前の最終チェック

  • すべてのピンは外したか。
  • ウォーターソルビーにシワはないか。
  • トレースで枠に干渉しないか。
  • オイルや事前整備は済んでいるか(動画では事前に給油済み)。

刺繍を開始します。特に序盤と終盤は視認性を高め、糸張力や生地の挙動、トッピングの変化を観察しましょう。必要なら一時停止して整え直します。mighty hoop melco

クイックチェック

  • ステッチ中にテンプレートが視界を妨げるなら、テンプレートは外してOK(位置決め後)。
  • もしズレを感じたら、直ちに停止して再アライン。無理に続けない。
  • 字間の“跳び”は後処理で刃を入れるため、見落とし箇所がないか把握。

仕上げと着用チェック

縫い上がったら、まずはジャンプステッチを安全にカット。ウォーターソルビーがまだ乗っているうちにカットすると、布を誤って切りにくくなります。次にトッピングをはがし、裏側のティアウェイを除去。Soft-N-Sheerはデザインの外周に沿って余分をカットします。

Woman wearing the finished pink sweatshirt, showing the embroidered 'mama' on the neckline.
Ashley proudly wears the completed sweatshirt, showcasing the beautifully embroidered 'mama' design perfectly curved along the neckline.

着用テストでは曲率と角度、中心からの距離を確認。動画では“完璧なカーブ”に仕上がった一方、襟の近さについては好みが分かれるという所感。次回に向けて半径や回転角を見直す、良いフィードバック材料になります。

注意

  • ウォーターソルビー上での糸切りは安全ですが、刃先の角度に注意し、生地へ触れないように。
  • ティアウェイは“引き裂きやすい方向”を見極め、刺繍を歪ませない力加減で。

プロのコツ

  • 紙テンプレートを複数(半径違い)用意し、最も“襟の弧と馴染む”ものを選ぶ。
  • トレースは必ず実施。想定外の干渉はこの段階でしか回避できません。
  • 文字列が長いほど、半径は大きめから検証を。視覚的な“息継ぎ”が生まれます。
  • トッピングを使う場合、縫い始めの固定を忘れず。端がめくれると縫い目が乱れます。
  • ピンが苦手なら、Painter’s tapeの小片で仮固定する方法も。再現性が高まります。磁気 刺繍枠 for embroidery

クイックチェック

  • Embrilliance設定:半径102mm前後/回転約75度(目安)
  • 安定紙:極薄カットアウェイ+ティアウェイの二層
  • 枠入れ:シームは確実に回避、生地は“張るが引っ張らない”
  • 合わせ:レーザー+トレース、ピン外し忘れに注意
  • 仕上げ:トッピング上でジャンプステッチをカット→安定紙除去

トラブルシューティング

  • 縫い目が波打つ:生地を引っ張り過ぎ。枠入れをやり直し、極薄カットアウェイの当たりを均一に。
  • 位置がずれる:テンプレートのクロスヘアが曖昧。印刷し直し、中心線をくっきり。
  • 文字が詰み過ぎ/離れ過ぎ:Embrillianceで字間を微調整。見た目の“線”として滑らかに。
  • トッピングがシワ:新しい片に交換。必ず平滑に敷く。
  • 枠に当たりそう:トレースで検知→デザインの回転や位置を少し引く。mighty hoops

コメントから:よくある質問に回答

Q. トッピングは何を使っていますか? A. ウォーターソルビー(ウォータートッピング)。ニットでの沈み込みを軽減します。

Q. レーザーのない機種での中心合わせは? A. 紙テンプレートのクロスヘアを活用し、トレースや手送りで外周確認。Painter’s tapeの仮固定も有効です。

Q. どの安定紙を使えば快適? A. 首元の着用感を重視して極薄のカットアウェイ(Soft-N-Sheer)を採用。裏側の見え方を重視するならティアウェイのみという選択も(動画コメントの所感)。

Q. データ書き出しは? A. Embrillianceでdstまたはpesに書き出し、Design Shopへ取り込みという運用例が紹介されています。

Q. iMacでも動く? A. Embrillianceを使用。動画では“無料版”に言及があります(有償版Essentialsの利用者コメントもあり)。melco mighty hoop

Q. Brotherの家庭用単針でも可能? A. テンプレート→枠入れ→トレースの基本は同じ。“穴刺繍(bowl状に丸めて刺す)”の考え方が有効とのコミュニティアドバイスも。brother pe800 刺繍枠 size

応用と展望

文字が長いフレーズや名前でも、半径を適宜大きくし、紙で見てから決める原則は同じ。配置は中央寄りか襟寄りかで印象が変わります。ネックレスとの兼ね合いを考えると、少し襟から離した配置を好む声も。次回の作品に向けて、今回の試着で得られた“見え方”を数値(半径・回転)にフィードバックしましょう。mighty hoops for melco

機種が変わっても工程は普遍です。テンプレートで“見え”を決め、安定紙で“縫い”を支え、トレースで“事故”を防ぐ。この三点を守れば、襟ぐりのカーブ文字はあなたの定番テクニックになります。melco 刺繍枠