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動画を見る:「Micro Crochet Flower Earrings Tutorial - Part 1: How to Crochet a Flower with Embroidery Thread」(HanaCrochet Design)
指先にのるサイズの四つ花で、耳元に“空気のような軽やかさ”を。刺しゅう糸1本取りと0.4mmフックで実現する繊細な表情は、たった数目の積み重ねから生まれます。

このガイドは、動画の手順を日本語でトレースしつつ、要点・数え方・失敗しやすい箇所を整理。はじめてのマイクロでも迷わず編み切れるよう、チェックポイントとミニTipsも挟みました。
■ この記事で学べること
- 刺しゅう糸1本取り×0.4mmフックで四つ花を編む具体的手順
- マジックサークルの作り方と、4目の細編みベースの意味
- 花びらの配列(鎖→長長長編み→ダブルトレブル→長長長編み→鎖→引き抜き)
- 仕上げの結び方と硬化(ファブリック硬化剤/接着剤)
- Tulip Etimo Roseフックの特長とサイズの選び方
はじめに:極小フラワーが叶える“繊細さ” フラワーモチーフは数あれど、刺しゅう糸1本取りで編む四つ花は、まるでレースの吐息。動画の仕上がり例では、クリスタルのきらめきと相まって、耳元で光をすくうように揺れます。

マイクロかぎ針の基礎知識 “マイクロ”とは、極細の糸と極小フックで編むミニチュアの世界。扱うのは通常のかぎ針編みと同じ基本動作ですが、テンション(糸の引き加減)と視認性の管理が要。HanaCrochet Designの動画では、DMCの刺しゅう糸を1本だけ引き抜いて使い、0.4mmのTulip Etimo Roseフックでスムーズに目を拾っています。

注意
- 動画はPart 1(お花モチーフまで)。イヤリングへの組み立ては次回で扱われます。
- 公開日、硬化剤の銘柄などは明示されていません(指定なし)。
必携ツール:Tulip Etimo Roseマイクロフック ピンクのクッション付きグリップが印象的なEtimo Rose。極細糸でも長時間の作業を支える“握りやすさ”がポイントです。

作者は長年の使用例として、グリップの退色や微小な曲がりはあっても、フック本体は錆びず健在と紹介。サイズの使い分けも言及があり、No.80のかぎ針糸には0.5mm、刺しゅう糸1本取り/ミシン糸並の細さには0.4mmが目安としています。

プロのコツ
- マイクロでは“針先の滑り”が命。糸割れを感じたら、手を止めて針先角度を微調整。
- 落とすと曲がることがあるため、卓上は片づけ、ケースへ出し入れを徹底。付属ポーチで保管を。

豆知識:用語の混同に注意 かぎ針の“フック”と、ミシン刺繍の“刺繍枠(フープ)”は別物です。もし機械刺繍の記事を併読している場合、語の重なりにお気をつけください。例えば、機械刺繍では磁気 刺繍枠やmighty hoop、snap hoop monsterなどの“枠・フレーム”が登場しますが、本記事は手編みかぎ針(マイクロ)の解説です。
材料の準備:刺しゅう糸を1本取りにする DMCの刺しゅう糸(1束=6本撚り)から、1本だけをゆっくり引き抜きます。ねじれが溜まらないよう、少しずつ糸を回して逃がすのがコツ。動画コメントでも「1本ずつ抜くのは時間がかかるので、No.80のレース糸の方が目にやさしい」との見解がありました。

クイックチェック
- 今回は“1本取り”。複数本は使いません(作者もコメントで1本取りと明言)。
- 0.4mmフック×1本取りで、花の輪郭がクリアに出やすくなります。

実践編(Part 1):四つ花を編むステップ 準備するもの
- 0.4mm かぎ針(Tulip Etimo Rose)
- 刺しゅう糸 1本取り
- はさみ、(後工程で)硬化剤または布用接着剤
1)マジックサークルで土台を作る 指に糸をかけ、フックを初段の糸の下から差し入れて輪を作り、ねじって鎖1。

この輪に“細編み4目”を入れます。ここは後で花びらの大型目(長長長編みやダブルトレブル)を同じ目に重ねていくため、ややゆるめに。糸端を引いて中心をきゅっと閉じ、最初の細編みに引き抜いて丸を閉じます。

ポイント
- 細編みはきっちり4目。きつすぎると後の長い目が差し込みにくくなります。
- 中心が閉じない場合は、糸端をもう一度引いて調整。
2)1枚目の花びら ・鎖3で立ち上がり→同じ目に長長長編み1→続けて同じ目にダブルトレブル6→長長長編み1→鎖3→同じ目に引き抜き。

ここで花びらの基本形が完成。動画でも、この“左右を長長長編み+中央にダブルトレブルを厚めに”という配列で、ふっくらしたカーブを作っています。

仕上がり確認
- 「長長長編み1、ダブルトレブル6、長長長編み1、両端に鎖3」で1枚分。配列を声に出して数えるとミス防止に。
- たわむ場合はテンションを少し強め、硬すぎるなら糸送りを微調整しましょう。

3)2枚目・3枚目・4枚目の花びら 2枚目は、ベースの“次の細編み目”に引き抜いて開始。以降は1枚目と全く同じ配列(鎖3→長長長1→ダブルトレブル6→長長長1→鎖3→引き抜き)で統一します。3枚目・4枚目も同様に、ベースの残りの細編み目それぞれに展開していきます。
クイックチェック
- ベースの細編み4目を“漏れなく1枚ずつ”使っているか。
- 4枚が均等に並び、中心の穴が閉じているか。
トラブル対処
- 花びらが不揃い:編み直す際は、ダブルトレブルの回数(6回)を必ず数え直す。
- 糸が割れる:針先角度を変え、糸の撚りに沿って拾う。深追いせず一度ほどくのも有効。
仕上げ:結び、整え、硬化する 糸をカットし、根元で二重に固結び。中心〜結び目まわりにごく少量の硬化剤または布用接着剤をのせ、形を整えて乾燥させます。

注意 - 硬化剤は“つけ過ぎ禁止”。テカりや硬直の原因に。綿棒で点置き→軽くぼかすが基本。

- 動画内でも、花びらに硬化剤を施した旨がコメント返信で確認されています。
クイックチェック:数と形を整えるコツ
- 4枚の花びらの縁が“なめらかなカーブ”になっているか。
- ダブルトレブル6目の柱が密すぎず、隙間も空きすぎない中庸に保たれているか。
- 結び目は裏側に収め、目立たないか。
プロのコツ:テンションと持ち替えの微調整
- 右手の糸送りを1ミリだけ緩める/締める。その微差が花びらの輪郭を整えます。
- 鎖3の立ち上がり直後は、針先をほんの僅か手前に寝かせると掛けがスムーズに。
- 視認性に不安があれば、拡大鏡の併用を(作者も使用)。作業面は白紙を敷き、光源は寒色で影を薄く。
コメントから:視聴者の質問&回答
- 拡大鏡は使う? →「はい、使います」(作者)。視界の確保は最大の生産性向上です。
- 硬化剤は必要? →作者は“花びらに塗布”と明言。ごく少量を中心寄りに。
- 刺しゅう糸は何本取り? →「1本取り」です。
- No.80レース糸との違いは? →No.80の方がやや太く目にやさしい。フックはNo.80に0.5mm、1本取りに0.4mm。
- フックセットは買える? →提供品のため在庫不明。個別フックはAmazonにあり。ケースは別売りとの情報も。
- 0.9mmしかない場合の糸サイズは? →動画・コメントでは言及なし(未回答)。自身のテンションに合わせて試作を。
用語の橋渡し:手編みとかぎ針、機械刺繍の違い 機械刺繍の世界では、布を挟む専用の“フープやフレーム”が重要です(例:磁気 フレーム、embroidery 磁気 刺繍枠)。一方、ここで扱うのは“手編みのかぎ針”による成形。混同しやすい用語ですが、工程も道具も別系統です。もし機械刺繍(刺繍ミシン for beginnersやmonogram machineの話題など)を並行して調べているなら、検索時に“crochet”をキーワードに含めると目的の情報にたどり着きやすくなります。
次の一歩:イヤリングへの組み立て(Part 2予告) 動画では近くPart 2で、完成した四つ花をイヤリングに仕立てる方法を紹介予定とのこと。ビーズや金具との相性も抜群なので、複数色を束ねたり、左右非対称に配置するアレンジも楽しいはず。フルの英語パターンや図案、組み立て動画は作者のショップやクラスで提供されています(リンクは動画の情報欄参照)。
最後に:見えない“1目”を愛でる マイクロ編みは、道具の性能と手の感覚が正直に出ます。けれど、でき上がりは想像以上に凛として、軽やか。今日の“四つ花”をマスターできたら、次は色違い、重ね咲き、連作で小さな花園を作ってみましょう。なお、機械刺繍関連の用語が検索に混ざる場合は、用語フィルタを上手に。例えば“crochet flower micro”などでノイズを避けられます(余談:機械刺繍の分野では磁気 刺繍枠のような専用アクセサリがよく話題になります)。
