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「動画を見る:How to Merge Embroidery Fonts with Embrilliance Software(Lele's Designs)」
素早く、きれいに、思い通りの筆記体ロゴを作りたい。そんな願いを、無料のEmbrilliance(Expressモード)とBXフォントで叶える実演がこちら。ZIPの解凍から、ドラッグ&ドロップでのフォント登録、頭と末尾に流れるテール、そして小さなハートまで——この動画の手順をなぞれば、はじめてでも迷いません。

完成像を先に知ると、手の動きが自然と決まります。今回のゴールは、筆記体の“Bella”に長いテールとハートを添えた、使い勝手の良い名入れデザイン。

■学べること
- BXフォントの解凍とEmbrillianceへの読み込み(ドラッグ&ドロップ)
 
- “Bella”のように、頭字・中間・末尾を別フォントで構成する考え方
 
- スライダー/矢印キーによる字間(カーニング)調整のコツ
 
- “1”で出すハートなど、特殊文字の追加と回転
 
- 刺しゅう機で使える形式(例:JEF)での保存と転送
 
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Embrillianceでフォント合成をはじめよう
文字合成は、Embrillianceの「Create Letters(大文字A)」からスタート。動画では無料の環境で操作を進め、フォントの読み込みから書き出しまで一連の流れを見せています。無料版(Express)については「無料か?」という質問に対して、公式コメントで「Express Modeは無料、他に有料製品あり」との回答が寄せられていました。機能差があるため、まずはExpressで基本操作に慣れるのがおすすめです。
プロのコツ
- 仕上がりイメージ(サイズ・流れ)を最初に描いておくと、字間調整とテールの選び分けがスムーズ。
 
- “完成形に近い仮組み”→“整える”→“装飾を足す”の順で段取りを固定すると迷いません。
 
注意
- 本記事は動画の内容とコメント情報の範囲でまとめています。ソフトのバージョンやOSは明記されていません(UIはWindows風)。
 
準備:BXフォントを解凍して読み込む
ZIPの中にあるBXフォントを使うには、まず右クリックで「すべて展開」。解凍フォルダに並んだBXファイルをEmbrillianceへドラッグ&ドロップします。

解凍が済んだら、フォルダを開いて中身(BXファイル)を全選択。

そのままEmbrillianceウィンドウへドラッグ。まとめて処理できるので、抜け漏れがあっても後から追加できます。

取り込み時には「18 files have been processed」の確認が表示。OKで閉じ、次の作業へ。

クイックチェック
- 取り込んだら、ツールバーの「大文字A(Create Letters)」→プロパティのプルダウンを開き、フォント群が並んでいるか確認。
 
- 動画では“LD Sign Begin 0–5”“LD Sign End 0–5”“LD Signature 0–5”が見えています。

もし不足があれば、解凍フォルダから不足分を追加ドラッグすればOK。

作ってみよう:「Bella」を一文字ずつ組み立てる
今回の構成は、頭文字b(始まりのテール付き)+中ほどのell(メインの筆記体)+末尾a(長いテール)。パーツを分けて作るから、同じ“2”番サイズで高さを揃えやすく、流れる字形もコントロールできます。
- 頭文字(Beginning Tail)
 
「Create Letters」をクリックし、テキスト欄のABCを選択→“b”と入力→Enter。フォントメニューから“LD Sign Begin 2”を選んで、始まりのテールを付けます。

ここで数字を“2”に統一しておくと、後で足す文字とサイズを揃えやすくなります。

- 中ほど(Signature)
 
ふたたび「Create Letters」で“ell”を入力→Enter。プルダウンから“LD Signature 2”を選び、メイン書体で置きます。後で字間を詰めるので、この時点では重なりや離れは気にしすぎなくてOK。
- 末尾(Ending Tail)
 
選択を外してから“a”を追加し、“LD Sign End 2”を選ぶと、長いエンディングテールで気持ちよく流れます。
仕上げ:字間調整とハートの装飾
字間(カーニング)は、全体→個別の順で詰めると整いやすい。まずはプロパティの“Space”スライダーで“ell”ブロックをざっくり寄せ、つぎに各文字の緑のボックスを選択して、キーボードの矢印キーで微調整します。

スライダーで近づけ、矢印で“接点”を合わせるイメージ。書体の払い・戻りが自然につながれば、刺しゅうでも連続的なステッチに見えやすくなります。

整ったところで、頭と末尾を含めた全体の見え方を確認。ここまでで“Bella”は完成形に近づきます。

ハートを添える
装飾は「Create Letters」→テキスト欄で“1”を入力→Enter。ハートは“LD Sign End”にのみ含まれているので、同系列のサイズ“2”を選んで統一感を出します。

配置したハートは、青いドットをドラッグすると回転可能。字形の流れに合わせて角度を微調整すると、視線の動きが滑らかになります。
注意
- ハート(特殊文字)は“LD Sign End”にのみ含まれる仕様。別の書体では出ない場合があります。
 
保存してミシンへ:書き出しと転送
仕上がったら、上部メニュー「File」→「Save Stitch File As」で、ミシンに合った形式を選びます(動画ではJEFを選択)。ファイル名を付けて保存すれば、デスクトップなど指定場所に生成されます。

保存場所を開いてファイルを確認。USBメモリへドラッグし、ミシンに差して読み込む準備は完了です。

コメントからの補足(保存について)
- 「無料版でも保存できる?」という質問に「Yes」との回答がありました。一方で、別のやり取りでは無料版では保存不可・有料版で可能という見解も見受けられ、情報が分かれています。動画内では保存操作(JEF選択→保存)が実演されていますが、環境やモードによって挙動が異なる可能性があります。Expressの仕様やバージョン差は、開発元の最新情報でご確認ください。
 
クイックデモ:Ciao Bellaフォントの高速合成
後半では別フォント(Ciao Bella)で“Rachel”を作るスピード感も披露。詳しい手順は割愛されていますが、流れは同様で、BXフォントならではの素早い文字合成がわかります。

トラブル対処とコメントからの学び
Q. 文字ごとに糸切り・結びが入ってしまう(トリムが多い)
- コメント1:無料版では制御できず、有料版で可能という見解。
 
- コメント2:同色に統一すると、ひとかたまりとして連続で縫えた(無料版)という実例。まずは色の統一を試し、改善がなければ有料版の機能差も検討しましょう。
 
Q. Embrillianceは無料? どれを入れればいい?
- 公式回答によれば、Express Modeは無料。購入フォントのダウンロードにPDFが付属し、そこからExpressの入手リンクに進める案内がありました。BXフォントの読み込み・文字合成の入門にはExpressで十分です。
 
Q. フォントが全て表示されない
- 取り込み漏れがある可能性。解凍フォルダから不足のBXファイルだけを再ドラッグして追加します。
 
プロのコツ
- 数字“2”など、同じサイズ番号で統一:高さ感を揃え、接続部の乱れを防げます。
 
- まずは単語の“骨格”を作り、細部(字間・角度)は最後にまとめて整えると、全体の流れを崩しません。
 
クイックチェック
- Create Letters(大文字A)で文字が置けるか。
 
- フォントプルダウンに“LD Sign Begin/End/Signature 0–5”が揃っているか。
 
- “1”でハートが出るか(“LD Sign End”選択時)。
 
- 保存形式(例:JEF)と保存先を事前に確認したか。
 
周辺機材のヒント(ミシン側準備の話)
データが用意できれば、次はミシンでの安定したフープ(枠)選び。動画では具体機種や枠には触れていませんが、一般論としては、
- よく使う刺しゅう範囲に合わせて枠サイズを選ぶ(例:brother 5x7 刺繍枠)。
 
- 段差や厚物に便利な磁力タイプを検討(例:embroidery 磁気 刺繍枠)。
 
- 機種専用の磁気スナップ系も存在(例:snap hoop monster for bernina)。
 
- ブランドごとの純正・対応枠を確認(例:babylock 磁気 刺繍枠、janome 500e 刺繍枠)。
 
- 業務機では枠サイズの選定が品質に直結(例:tajima 刺繍枠 サイズ)。
 
枠付け作業を安定させる作業台や磁気ステーションを使うと、再現性の高い位置決めがしやすくなります(例:magnetic hooping station)。また、アクセサリの購入先や仕様は国・地域で差があるため、現地の取扱店やサプライヤー情報(例:mighty hoop canada)を確認すると安心です。
注意
- 上記の枠・アクセサリ例は一般的な周辺機材の話であり、動画内での具体的言及はありません。ご自身の機種と互換性を必ずご確認ください。
 
おわりに
BXフォント × Embrilliance(Express)なら、ハート付きの滑らかな筆記体名入れも数分で完成。ZIP解凍→ドラッグ&ドロップ→文字合成→装飾→保存という一本道を押さえれば、次の名前や言葉にもどんどん応用できます。仕上がりの鍵は“サイズ番号の統一”と“字間の微調整”。動画の手癖を自分のルーティンに落とし込み、あなたのブランド名やギフト用ネームを、今日からスピード仕上げで量産していきましょう。
