Table of Contents
1 プロジェクトの概要
Polyneonは機械刺繍でよく使われるポリエステル系の刺繍糸です。ここでは、実際によく使われている色に絞って番号つきで紹介し、どの場面で頼りになるのかを簡潔に示します。

色選びの迷いを最小化するために、まずは黒(1800)と白(1801)、そしてレインボーの基本色を押さえ、その後にピンク、パステル、スキントーン、金銀系を足すという順序で考えるのが効率的です。

完成イメージの方向性(かわいい・ビビッド・上品・メタリックなアクセントなど)に応じて、この記事の各セクションを参照してください。サンプルの雰囲気は、例えば子ども向けのモチーフにもよく映えます。

1.1 この記事でわかること
- 多用する基本色(番号つき)の整理と用途の目安
- ピンク・パステル・スキントーンの広げ方
- 金・銀を含むアクセント色の考え方
- 実物見本(スレッドカード)の価値と活用
1.2 適用シーン
- ロゴや文字、ワンポイントのワッペン
- レインボー配色のモチーフ
- シンプルなギフトアイテム(例:ベビー用品、トート、生地小物)
2 準備するもの
- Polyneonの糸(本文で挙げる番号のもの)
- 生地・作品(具体的な素材指定は動画に未記載)
- 実物スレッドカード(Polyneonの色見本帳)

入手先の参考として、United Threadが紹介されており、フロリダからの発送で素早く届く点が語られています(価格面もコミュニティで好評の声)。

プロジェクトの計画時には、糸だけでなくフープ類や作業治具にも目を配ると効率的です。例えば、フープの付け外しが多い案件では マグネット刺繍枠 を併用すると段取りがスムーズになります。
クイックチェック
- 必要な色番号を控えたメモが手元にある
- 生地と糸を同じ照明下で確認できる環境
- スレッドカードを用意済み(なければ入手を検討)
3 セットアップ
糸選びの前に、作業台の照明を整え、色判断のばらつきを抑えます。なお、機械や張力設定などの数値は動画に具体記載がないため、本稿では割愛します。
準備段階で、作品の大きさや位置決め方法も想定しておきましょう。位置決めが多い場合、治具での一括セットが便利で、例えば 刺繍用 枠固定台 と併用してカラーテストを進めると無駄打ちが減ります。
プロのコツ
- 1案件につき「白・黒・メイン色・縁取り色」を最小単位として束ねると、色替え時のミスが減ります。
- 既存の定番色は「補充在庫」を1本キープしておくと、作業が止まりません。
チェックリスト(セットアップ)
- 照明:昼白色系で色確認
- 糸:基本色+案件で必要な差し色
- 参考:United Threadなどの購入先メモ
4 色見本と基本パレットの選び方
最初に強く推奨されているのが「物理スレッドカード」です。画面表示は必ずズレるため、生地に直接糸見本を当てて判断するのが最短ルートです。

基本パレットは、白(1801)・黒(1800)に、赤(1838)・オレンジ(1765)・黄(1980)・ケリーグリーン(1988)・青(1934)・紫(1922)を追加するとバランスよくスタートできます。

注意
- 番号の読み取りは、ビニール包装越しだと見えにくい場合があります。開封前に写真で控えるなど、識別ミスを避けましょう(動画でもピント合わせに苦労した旨が触れられています)。
5 レインボー基調の推し色リスト
ここからは、よく使う色と番号をコンパクトに整理します。用途の一例や見え方の傾向も併記します。
5.1 白と黒(1801・1800)
- 白 1801:万能。文字・縁取り・ハイライトに。
- 黒 1800:締め色。ロゴ・外枠でコントラストを確保。
5.2 赤 1838
- いわゆる“クラシックな赤”。キャラクターやアクセントに最適。

5.3 オレンジ 1765
- 発色良好。ポップな雰囲気づくりに重宝します。

5.4 黄 1980
- 基本のイエロー。光沢が映えるため、小面積でも存在感あり。
5.5 ケリーグリーン 1988
- 王道のグリーン。季節もの(ホリデー等)にも使いやすいとコミュニティでも好評です。

5.6 青 1934
- いわゆる“基本の青”。ロゴやスポーツ系にも合わせやすい色味。
5.7 紫 1922
- 使い勝手の良いパープル。近似色を誤発注しても“似て非なる”ことがあるため、番号で固定化を推奨。
配色テストの段取りを考えると、色替え回数の多い機での負荷も気になります。例えば多針機での運用を想定するなら、比較検証に brother pr 680w の運用例を参考に、色の並び順をあらかじめ決めておくと混乱が起きにくくなります。
6 ピンク・パステル・スキントーン
やわらかい印象をつくるときに欠かせないのがピンクとパステル、そしてスキントーンです。
6.1 ピンク3段構成(1549/1921/1990)
- ベビーピンク 1549:淡色。ベビーギフトに好適。

- バブルガムピンク 1921:中間のメインピンク。
- ホットピンク 1990:鮮やかな差し色として。

6.2 スキントーン:ピーチ 1853
- 肌色表現の基礎として便利。濃淡の追加はスレッドカードで比較検討。
6.3 クールパステル:アクア 1594/ライトベビーブルー 1674/ダークターコイズ 1685
- アクア 1594:軽やかで清潔感のある水色グリーン。
- ライトベビーブルー 1674:やさしい淡い青。
- ダークターコイズ 1685:画面上より緑みが強く見えることがあるため、実物確認が重要。

微妙なトーン差を使い分けるときは、作品のサイズやステッチ密度も見越して選定すると、遠目での読みやすさが向上します。例えば家庭用単針機でのミニデザインであれば、パステルは1トーンだけ濃い側に寄せると視認性が高まります。参考比較の際に、家庭機のフープ互換性を考えるなら janome mc400e 刺繍枠 といったフレーム条件を事前に把握しておくと、試し縫いの段取りが組みやすくなります。
7 メタリック風と個性色
動画では、ゴールド系・シルバー系が紹介されています(厳密な素材仕様は明言されていません)。
7.1 ゴールドとシルバー
- ゴールド 1670:縁取りや王冠・星などのモチーフに。
- ミディアムシルバー 1572:金属感のニュアンス付けに。
- ライトシルバー(ライトグレー)1610:控えめな金属感や影色として。
メタリック糸に関する具体的な機種設定や針番手は動画・コメントに未記載ですが、縫製時のテンションや速度は慎重に。メタル風表現を布合わせで出すなら、光沢の出やすい刺繍方向を意識してデジタイズされたデザインを選ぶのが近道です。作品のアクセント色を安定して使い回すなら、強力磁力タイプの mighty hoop マグネット刺繍枠 を活用して段差や厚みのあるアイテムの固定性を上げる方法もあります。
7.2 個性色:ライトパープル 1711/ファンキーグリーン 1649
- ライトパープル 1711:やわらかな藤色のニュアンス。
- ファンキーグリーン 1649:明るく軽快。ポップな差し色として重宝。

7.3 補助色:ブラウン 1654/ライトタン 1884
- ブラウン 1654:木・髪・アニマルなどの自然物表現に。
- ライトタン 1884:肌や生成りモチーフの中間色として。
8 スレッドカードの活用術
「まず買うべきはスレッドカード」と強く推奨されています。理由は明快で、実物糸が綴られたカードを生地に直接当てられるからです。これにより、モニター表示や照明環境の差による認識ズレを最小化できます。
8.1 使い方のコツ
- 生地と糸見本を“同じ照明”で見る(昼白色推奨)
- 見え方が近い色を3候補まで絞り、一番暗い色を外して選ぶと実作業での“沈み”を回避しやすい
- 似た色を誤発注しないよう、番号と色名のメモを保管
8.2 購入優先度
- 初めての人ほどカードの恩恵は大。糸を複数本買う前にカードで確証を得るほうが、トータルでムダが減ります。
整理された保管は作業効率を左右します。カードと糸を同じ引き出しに収め、色域ごとに仕切りを付けると迷子が減ります。作業量が多いなら hoopmaster 枠固定台 などの位置決め治具とカードを近接配置して、試し打ち→本番の動線を短くしましょう。
9 仕上がりチェックと色合わせの自己診断
色が“合っている”かは、以下の観点で素早く自己診断できます。
9.1 クイックチェック
- 遠目(1.5〜2m)でロゴが読み取れるか
- 生地色に対してメイン色が沈んでいないか
- 白のハイライトや黒の外枠でコントラストが確保できているか
9.2 光沢の向き
同一色でもステッチ方向で光り方は変わります。曲面のモチーフでは、ハイライトが分断されない方向を選ぶと立体感が増します。
9.3 中間結果の目安
- ベース色+縁取りの2色で“読める”ならOK
- 3色目(アクセント)をのせたときに、主従関係が崩れていないか
作品サイズやフープ条件で工程は変わります。厚物や段差が多い場合は マグネット刺繍枠 を併用して安定度を確保し、微細なロゴや文字がある場合は生地の伸縮を抑える準備を優先しましょう。
10 よくあるつまずきと復旧
症状→原因→対処の順で整理します。
- 症状:完成後に“思った色と違う”
原因:画面と実物の見え方の差/照明環境の違い 対処:スレッドカードで再確認し、近接色の中から一段階明るい(または暗い)側に振って再テスト
- 症状:番号違いを注文してしまう
原因:包装越しで番号を読み違い 対処:開封前にラベルを撮影して台帳化。注文時は台帳と照合(動画でも番号の見えづらさに言及あり)
- 症状:アクセント色が主張し過ぎる
原因:金・銀などを広範囲に使い過ぎ 対処:縁取り・小モチーフに限定し、メイン色の視認性を最優先
- 症状:色替えで手順ミス
原因:色順が都度変わる 対処:基本7色の並び順を固定化。単針機では設計図に番号を直書きしておくと混乱を防げます。なお、家庭用機では互換フープの可動域も配色手順に影響するため、例えば brother se600 刺繍枠 の制約を事前に把握しておくと手戻りが減ります。
11 完成イメージと次の一歩
最終的な仕上がりは、白(1801)と黒(1800)を軸に、赤(1838)・黄(1980)・青(1934)・緑(1988)・紫(1922)などの基本色を適所に配した“読みやすい”デザインに落ち着きます。差し色として、ピンク群(1549/1921/1990)やアクア(1594)・ライトベビーブルー(1674)を加えると、やさしいトーンのギフトにも展開しやすくなります。
次の一歩として、まずは実物スレッドカードを入手し、手持ち生地に当てながら「自分の定番7色」を決めましょう。入門者は、王道の基本7色から始め、案件の都度必要な色を増やすのが安全です。初めて機械刺繍に挑戦するなら、情報収集のキーワードとして おすすめ 刺繍ミシン 初心者向け を手掛かりにし、糸と機材の全体像を結びつけると判断が速くなります。
12 コメントから
コミュニティでは、ケリーグリーン1988がホリデーデザインに合うという声があり、実用性の高さが裏付けられました。また、United Threadは価格面でも好意的な意見が見られ、入手性の良さが支持されています。
一方、メタリック糸に関する「おすすめは?」という質問もありましたが、具体的な機材設定・番手は動画・コメントともに明確な回答はありません。まずはゴールド(1670)とシルバー(1572/1610)をアクセントとして少量から導入し、必要に応じて運針条件を個別に詰めていくのが無難です。
最後に、作業の固定・位置決めは仕上がりを大きく左右します。厚手アイテムや段差のある位置決めが多いなら、強力磁力タイプのフープやクランプの導入を検討してください。例えば、厚物の固定性を高めたい場面では マグネット刺繍枠 が助けになり、量産での繰り返しセットには 刺繍用 枠固定台 の併用が有効です。加えて、対応サイズや互換情報を整理する際には、将来的な拡張を見越してフープシステム全体(例:クランプや冶具)も含めて整備しておくと、色テストから本番までの流れがよりスムーズになります。
