刺繍ミシンで作る「リンゴのジャーオープナー(鍋つかみ)」完全ガイド|In-the-Hoopで素早く・きれいに仕上げる方法

· EmbroideryHoop
刺繍ミシンで作る「リンゴのジャーオープナー(鍋つかみ)」完全ガイド|In-the-Hoopで素早く・きれいに仕上げる方法
キッチンで大活躍する「リンゴ型ジャーオープナー(鍋つかみ兼用)」を、刺繍ミシンの In-the-Hoop(ITH)手法で素早く作る完全ガイドです。カットアウェイ/ティアアウェイいずれのステビライザーにも対応し、表布・葉・芯のアップリケ、ステッチでのキルティング、ループと滑り止め、さらに冷蔵庫に貼れる小型磁石まで、一連の工程を迷わず進められるよう整理。小サイズではバッティングを省く判断基準や、針と磁石の干渉を避ける安全ポイント、縫い目の押さえ直し(再フーピング)まで丁寧に解説します。動画を見なくても、このガイドだけで完成まで到達できます。

教育目的の解説のみです。 本ページは、オリジナル制作者の作品についての学習用ノート/解説です。権利はすべて原作者に帰属し、再アップロードや再配布は禁止されています。

元の動画は制作者のチャンネルでご視聴ください。今後のチュートリアルを支援するため、ぜひチャンネル登録を。下の「登録」ボタンをタップして応援してください。

制作者ご本人で、内容の修正・情報源の追加・一部削除をご希望の場合は、サイトの問い合わせフォームからご連絡ください。速やかに対応いたします。

Table of Contents
  1. プロジェクトの概要
  2. 準備する道具・材料
  3. セットアップと工程の全体像
  4. 手順:アップリケとキルティング
  5. 仕上げ:カット・反転・プレス・磁石
  6. 最終ステッチと仕上がり
  7. 仕上がりチェック
  8. トラブルシューティングとリカバリー
  9. コメントから

1 プロジェクトの概要

リンゴの表(赤布)・葉(緑布)・芯(黄布)をアップリケで重ね、周囲と芯にサテン縁取り、表面には軽やかなキルト模様を施します。背面には滑り止めを重ね、最終的に前後をステッチで一体化。小さなリボン(またはコード)でループを作れば、吊り下げ収納も可能です。滑り止めを省けば、ポットホルダーやコースターとしても使えます。

1.1 このITHが向くシーン

  • キッチンで瓶のフタが固いときに素早く使える道具が欲しい。
  • 刺繍ミシンで実用品を短時間で作りたい(ビギナーにも最適)。
  • 小さな贈り物やバザー用の量産に向くデザインが欲しい。

1.2 制作の流れ(2回のフーピング)

  • フーピング1:ステビライザーに各アップリケ → キルティング → ループ+滑り止め+背面布を重ねて外周をステッチ。
  • 反転・プレス・磁石の仮固定。
  • フーピング2:新しいステビライザーにリンゴ輪郭を縫い、そこへ完成品を正確に重ねて最終タックダウン。

クイックチェック:2回目のフーピングで、縫い代が均等に内側へ収まる見込みかを、輪郭と現物を重ねて確認します。

2 準備する道具・材料

基本の道具と布・付属はシンプルです。特別な設定値や機種は本プロジェクト内では言及されていません。素材の組み合わせだけ押さえれば、スムーズに進行できます。

Collection of batik cotton fabrics and non-slip material
Various colorful batik cotton fabrics for the apple appliqué and a piece of grey non-slip fabric are displayed, demonstrating the material selection.

2.1 布と付属の選び方

  • 表布:赤系のブティックコットン(赤の面を大きく見せる)。
  • 葉:緑の布(アップリケでしっかり被せる)。
  • 芯:黄色の布(種のサテン縁取りが映える明度がおすすめ)。
  • 滑り止め:キッチンや整理用品売り場で入手できるゴム/発泡系のシート。凹凸のある面を下向き(布側)に使います。
  • ループ:リボンまたはコードでOK。布で自作しても構いません。

- 磁石(任意):小型の強力タイプ(いわゆるアースマグネット)。冷蔵庫に貼って保管できるようになります。

Small ribbon loop and earth magnets
A small brown ribbon loop for hanging and two silver earth magnets are presented, essential components for the functionality and display of the finished apple.

プロのコツ:生地の厚みや伸縮に応じてフローティングがしやすいよう、マグネット刺繍枠 を使うと重ね作業のテープ固定が最小限で済み、位置合わせの手戻りが減ります。

2.2 ステビライザーの選択(カットアウェイ/ティアアウェイ)

  • どちらも使用可。動画ではカットアウェイで開始し、最後のタックダウンには新しいティアアウェイを使用しています。
  • 生地との相性で選択。硬めの布ならティアアウェイ、柔らかい布ならカットアウェイでも安定します。

注意:最後の再フーピングではティアアウェイのほうが後処理が簡単です。

2.3 バッティング(任意)

- 薄手のアイロン接着タイプを、表布の裏へ圧着。キルティングの凹凸が軽く出て、手触りと見た目に変化が出ます。

Thin iron-on batting material
A piece of thin iron-on batting is shown, highlighting its optional use to add a quilted effect and loft to the jar opener, improving its tactile quality.
  • 小サイズの枠では反転が難しくなるため、バッティングは省くのがおすすめ(動画でも言及)。

クイックチェック:反転の通り道(返し口)を想像し、バッティングの厚みで引っかからないかを事前確認。

2.4 必要ファイルと環境

  • 刺繍デザイン:Apple jar opener(動画に準拠)。
  • 作業環境:刺繍ミシン、アイロン台、カッティングスペース。

プロのコツ:水平な作業台の端を活用して、刺繍用 枠固定台 があると連続作業での位置決めが素早く安定します。

チェックリスト(準備)

  • ステビライザーはシワなくピンと張れている。
  • 表布・葉・芯・滑り止め・背面布・リボンを切り出し済み。
  • 必要なら薄手バッティングを表布裏に圧着済み。
  • 磁石(任意)を用意し、針の軌道から外せる想定ができている。

3 セットアップと工程の全体像

作業は「アップリケ→装飾→重ね→外周→反転→最終タック」の流れです。特定の速度、張力など機械設定値は動画内に明記がないため、本稿では一般的な注意点に留めます。

3.1 目標と役割分担

  • フーピング1:意匠(アップリケ/サテン縁取り/キルティング)と、実用(滑り止め・背面・ループ)をまとめる。
  • フーピング2:前後を最終的にタックダウンし、周囲の押さえ直しと返し口の封止を同時に達成。

3.2 糸色の切り替え

  • 葉=緑、芯=黄、キルティング・外周=赤(動画の例)。
  • 以後の工程では糸色変更のたびに、針の通り道を再認識する習慣を付けると安全。

プロのコツ:長辺のテンション逃しが苦手なら、マグネット刺繍枠 brother 用 を使うと布を傷めず素早く貼り替えでき、段差の多い重ねでも整えやすくなります。

チェックリスト(セットアップ)

  • ステビライザーがたわまずに装着されている。
  • 使用する糸色(赤・緑・黄)がすぐ交換できる位置にある。
  • ループの折り方向と取り付け位置をイメージできている。

4 手順:アップリケとキルティング

本章はミシン操作の順に沿って進みます。各段階の「なぜ」が掴めるよう、中間チェックも添えています。

4.1 アップリケの下準備:フーピングと最初のステッチ

カットアウェイをフープに張り、表の赤布(裏に薄手バッティングを圧着済みならベター)を重ね、最初のアウトライン(アップリケのベース)を縫います。

Hand placing red fabric onto hooped stabilizer in embroidery machine
A hand carefully places the red fabric with iron-on batting onto the hooped cut-away stabilizer in the embroidery machine, preparing for the first stitch.

クイックチェック:赤布がステッチ範囲を十分に覆っているか、シワがないかを指で撫でて確認。

一歩進んだ運用:大型サイズで作るなら マグネット刺繍枠 11x13 のような余裕のある枠を選ぶと、四周にテープを貼らずとも面が落ち着きやすくなります(サイズの可否は手持ちの機種仕様に従ってください)。

4.2 葉のアップリケ

ミシンが葉の配置線を縫ったら、緑布をしっかり被せ、緑糸へ交換。タックダウン後、外周の余分を鋏で丁寧に落とし、サテン縁取りで輪郭を仕上げます。

Green fabric placed over leaf outlines on the red main fabric
Green fabric is precisely placed over the stitched leaf outlines on the red main fabric, ensuring full coverage for the appliqué process.
Trimming excess green fabric around stitched leaf outlines
Scissors trim the excess green fabric close to the tack-down stitches, carefully shaping the leaves before the final satin stitch is applied.

注意:トリミングはステッチギリギリを狙いすぎると縫い目を傷めます。1–2mmの逃がしを意識すると安心。

4.3 芯のアップリケ

黄糸に替えて芯の配置線 → 黄布でカバー → タックダウン → 余分をカット → サテン縁取りと種のステッチ。

Trimming excess yellow fabric around the apple core appliqué
The video shows scissors trimming excess yellow fabric around the apple core appliqué, ensuring clean edges for the subsequent satin stitching.

クイックチェック:黄布が配置線を完全に覆っているか、サテン縁取りの密度が均一に見えるかを目視。

プロのコツ:何度も布を外す工程がある場合、刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠 だと再装着時のヨレを抑えつつ、手早く位置合わせ可能です。

4.4 赤面のキルティング

赤糸に戻し、リンゴの表面にキルト模様をステッチして質感を出します。バッティング有りなら軽い膨らみが出て握りやすくなります。

注意:小枠サイズ+バッティングは反転がきつくなるため、動画でも「小さいサイズでは使わない」判断を推奨しています。

5 仕上げ:カット・反転・プレス・磁石

ここから実用品としての機能性を仕上げていきます。

5.1 ループ・滑り止め・背面布の重ね

リボンを二つ折りにして葉の間へ差し込み、テープで仮留め。

Ribbon loop taped onto the fabric between the leaves
A brown ribbon loop is positioned and taped between the leaves on the fabric, preparing it to be secured as a hanger during the next stitching step.

次に滑り止めを凹凸面を下(布側)にして重ね、その上に背面用の赤布を置きます。全層が縫い範囲を覆っていることを確認し、外周のタックダウンへ。

Non-slip fabric placed over the apple design in the hoop
The non-slip fabric is carefully placed over the existing apple design in the hoop, ensuring the 'bumps' face down for optimal grip as intended.

クイックチェック:リボンの左右位置が中心からズレていないか、滑り止めの角が縫い外に出ていないかを確認。

安全メモ:ループ位置に針が落ちないよう、端のテープ固定を直角に貼ってズレを抑えます。

5.2 取り外し・トリム・反転

フープを外し、必要なら周囲のステビライザーを除去。ピンキングばさみで輪郭に沿ってカットし、返し口になる部分には「つまめるタブ」を残します。

Pinking shears cutting around the apple design
Pinking shears are used to cut around the entire apple design, creating a decorative edge and preventing fraying, while leaving a small opening for turning.

返し口から表に返し、角・カーブを指で整えます。

Hand turning the apple jar opener right-side out
A hand turns the stitched apple assembly right-side out through the small opening left during trimming, revealing the finished appliqué work.

プロのコツ:量産時は hoopmaster 枠固定台 と合わせて、まとめてカット→反転→整形の並列作業にすると時短効果が高いです。

5.3 プレスと磁石の仮固定

アイロンで縫い代を落ち着かせ、縁が均一に見えるよう整えます。小型の強力磁石を、リンゴ上部の葉の下あたり(針の通り道から外れた位置)へ移動しておきます。

Hand inserting an earth magnet into the top of the apple
A small earth magnet is inserted into the opening at the top of the apple, positioned underneath one of the leaves, ready to be secured.

注意:磁石は針を折る恐れがあるため、縫製中に近づけないこと。位置を決めたら動かないように指で押さえるか、仮止めしておきます。

6 最終ステッチと仕上がり

再フーピングで前後を確実に一体化し、返し口も同時に閉じます。ここが見映えの最終決め手です。

6.1 新しいステビライザーに輪郭を縫う

新しいティアアウェイをフープに張り、同じデザインの「最終2ステップ」だけを準備。まずリンゴの輪郭だけをステッチします。

クイックチェック:この輪郭がガイドになります。後で現物を正確に収めるため、線が見やすい糸色を選ぶのも手。

6.2 完成品を重ねて最終タックダウン

輪郭の内側に、先ほど反転して整えたリンゴをピタッと配置。磁石が針道から外れているか再確認し、外周の最終ステッチで前後を固定します。

Placing the turned apple onto a fresh hooped stabilizer for final stitching
The completed apple is carefully placed onto a freshly hooped tear-away stabilizer, aligning it within the previously stitched outline for the final closing seam.

注意:ここで磁石がズレると針が衝突する恐れがあります。縫う直前に位置を再確認しましょう。

6.3 ステビライザーを除去して完成

ティアアウェイを外周からきれいに剥がします。これで完成。滑り止め付きのジャーオープナーとして、または滑り止めを省けばポットホルダーとして使えます。

Two finished apple jar openers displayed on a cutting mat
Two perfectly finished apple jar openers, complete with non-slip backings and magnetic hangers, are displayed, showcasing the successful completion of the project.

プロのコツ:冷蔵庫保管派は、磁石の位置を必ずトップ側に寄せると、吊り重みで下がらず安定します。mighty hoop マグネット刺繍枠 のような保持力の高い枠を使うと、再フーピング時の位置合わせがさらに容易です。

7 仕上がりチェック

  • 外周:サテン縁の密度が均一で、隙間なく押さえられている。
  • 芯と種:形がくっきり、トリムの段差が出ていない。
  • キルティング:波打ちやツレがない。
  • ループ:縫い込みが甘くない、左右が揃っている。
  • 滑り止め:凸面が布側(下向き)で一体化している。
  • 磁石:トップ側の葉の下で動かず、針道から離れている。

クイックテスト:瓶のフタに当て、軽く回してグリップ感を確かめる。滑る場合は滑り止めの向き(凸面の下向き)を再確認。

8 トラブルシューティングとリカバリー

症状 → 原因 → 対処の順で整理します。

  • 磁石に針が当たりそう(カタカタ音)
  • 原因:磁石位置が針道に近い/ずれた。
  • 対処:即停止。磁石を葉の下のトップ側へ移動。以降は仮テープで微固定。
  • 反転がきつい/縫い代がヨレる
  • 原因:小枠サイズでバッティングを使用。
  • 対処:小サイズではバッティングを省く。次回は返し口をやや広めに確保。
  • 葉・芯の端が毛羽立つ
  • 原因:トリムがステッチに近すぎる、または布端がバイアス気味。
  • 対処:1–2mmの逃がしを確保。次回は配置線を十分に覆ってからタックダウン。
  • 滑り止めの面が逆で滑る
  • 原因:凹凸面を上にしてしまった。
  • 対処:正しくは凹凸面を下(布側)。次作で向きを事前確認。
  • 再フーピングで位置が合わない
  • 原因:輪郭線への合わせが曖昧。
  • 対処:輪郭を見やすい糸色で縫い、製品を上から軽く指で撫でて密着させる。マグネット刺繍枠 babylock 用 等の保持力の高い枠だと調整が容易。
  • 量産で手間が増える
  • 原因:位置決めや反転後の整形がボトルネック。
  • 対処:刺繍用 枠固定台 や治具で位置決めを標準化。裁断→反転→プレスをバッチ化して並行作業に。

9 コメントから

視聴者からは「工程が見えたらすぐ理解できた」との声があり、作者も「楽しんでステッチしてね」と応答していました。本記事では手順を文章化し、理解した直後にそのまま作れるよう要点を要約しています。作る楽しさを、次の作品へそのままつなげてください。

チェックリスト(縫製フローまとめ) 1) フーピング1:

  • 表布(必要なら裏に薄手バッティング)をセット → 葉→芯をアップリケ → サテン → キルティング。
  • リボンを葉の間に仮留め → 滑り止め(凹凸面下)→ 背面布 → 外周タックダウン。

2) 反転・整形:

  • ピンキングで外周カット(返し口タブを残す)。
  • 反転 → アイロンで縁を整える → 磁石をトップ側の葉下へ仮固定。

3) フーピング2:

  • 新しいティアアウェイに輪郭を縫う。
  • 完成品を輪郭へ合わせ、磁石が針道から外れているのを再確認。
  • 最終タックダウン → ステビライザー除去で完成。

安全上の注意:縫製中は磁石が針の通り道から必ず外れていること。縫う直前にもう一度指で位置を確認し、必要なら仮止めテープを使用。

補足メモ:ブランドや機種の設定値(速度・張力など)は動画では具体的に示されていません。お手持ちの機械に合わせ、試し縫いで最適値を探ってください。大型のフープやクランプ系を活用する場合でも、基本は同様の流れで対応できます。たとえば dime 刺繍枠マグネット刺繍枠 tajima 刺繍ミシン 用マグネット刺繍枠 bai 用 といった選択肢を持つ方も、同等の手順で再現可能です(ただし各機種の仕様・安全ガイドに従って運用してください)。