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動画を見る:How to Embroider on Canvas: A Step-by-Step Tutorial(Carlee Gifford)
ラインアートを刺すだけで、無地のキャンバスがすっと“作品”に変わる。必要なのは、刺繍糸と針、そして落ち着いて縫い進める数分間。背伸びしない手順で、最小限の道具から始められます。

このガイドでは、動画で紹介される紙パターン固定→糸準備→バックステッチ→糸の始末→紙を剥がして整える、という流れを初心者目線で丁寧に追います。ミニマルな壁飾りを、自分の手で仕上げましょう。
このガイドで学べること
- 紙パターンをキャンバスにまっすぐ固定するコツ(木枠位置への配慮も)
 
- 刺繍針と刺繍糸の下ごしらえ(糸端の整え方と基本の結び)

- ラインが途切れないバックステッチのリズム(針を戻す位置)
 
- 糸の終わりを裏で美しく処理する手順
 
- 紙を剥がした後の仕上げ調整(裏から軽く引いてテンションを整える)
 
道具と材料をそろえる
- 道具:刺繍針、はさみ、(仕上げ用に)ピンセット
 
- 材料:張りキャンバス、紙、テープ、刺繍糸(色はお好みで)
 
- 作業場所:平らな机やデスク
 
- 事前チェック:図案が木枠の内側で収まるサイズか確認(端に寄りすぎると刺しにくくなります)

補足メモ:本記事は手刺繍の解説です。ミシンで刺繍をする場合は、別途専用の枠や治具の情報を確認しましょう。たとえば検索の目印として、磁気 刺繍枠 や mighty hoop、snap hoop monster といった用語が目に入るかもしれません(本チュートリアルでは使用しません)。
ステップ1:キャンバスに図案を固定する
印刷した図案をキャンバスのサイズに合わせてカットし、テープでぴったり貼ります。シワが出ないように四辺から均等に貼り進めると、ラインの目安がぶれません。木枠が裏にあるため、端に寄りすぎると針が通しづらくなります。中心取りと余白の確保をしてから固定しましょう。
プロのコツ(図案固定)
- テープは少しずつ貼り、位置を微調整してから強く押さえる。
 
- 図案が複雑すぎると最初は挫折しやすい。線画のシンプルなモチーフが安心。
 
注意(図案固定)
- 木枠越しに刺すと力が入りづらく、針先のコントロールが難しくなります。やむを得ない場合は、針を少し斜めにして通すと負担が減ります。
クイックチェック(図案固定)
- 図案は中心に配置され、テープでたるみなく固定されているか。
 
- 木枠の位置を意識したレイアウトになっているか。
 
ステップ2:糸を通して準備する
刺繍糸は長く取りすぎないのが鉄則。引き抜く距離が長いほど、糸が自ら結び目を作って絡まりやすくなります。扱いやすい長さにカットし、糸端を水で湿らせて指で平たく整えてから刺繍針の穴へ通しましょう。

針に通ったら、片側の糸端は短めに、反対側を長めに残します。長い側の端に小さな結び目を1つ作り、余分な糸尻をカット。これが最初のアンカーになり、表から結び目が見えないよう、作業開始は必ず裏側から行います。

プロのコツ(糸準備)
- 糸端がほつれて通しにくいときは、少し切り戻してから再挑戦。
 
- 糸束の構成が揃っていないときは、指で軽くしごいて整えると扱いやすくなります。

補足メモ:手刺繍に必要な道具はとてもシンプルですが、機械刺繍で枠を使い分ける場合は、ブランド名で探すと情報が見つけやすいです(例:brother 刺繍枠、janome 磁気 刺繍枠)。本記事の内容とは別系統の話題ですが、用語の目安として記しておきます。
ステップ3:バックステッチで線を描く
最初のひと刺しは、図案のスタート地点で裏から表へ。結び目が裏で止まったら、ラインに沿って短くひと針、表から裏へ。続いて、さきほどの針目1つ分だけ前方(進行方向)に裏から表へ針を出します。

ここで、さきほどの針目の終点と同じ穴に向かって表から裏へ。これがバックステッチの骨格です。常に「ひと針分進む→ひとつ戻ってつなぐ」を繰り返すことで、途切れのない線が生まれます。

ステッチの「前へ一歩、後ろへ一歩戻る」流れがつかめたら、テンポよく進みます。重要なのはテンションを均一に保つこと。引き締めすぎるとキャンバスが波打ち、ゆるすぎると線が乱れます。針を戻す穴は、前の針目の終点と同じ位置へ確実に。

クイックチェック(ステッチ)
- 針目の長さは大きくばらついていないか。
 
- ラインが連続していて、隙間が空いていないか。

作者は「すべての針目を均一にするのが難しい時もあるが、それも味」と語ります。完璧だけが正解ではありません。ラインアートなら、少しの揺らぎが手仕事の魅力につながることも多いのです。

ステップ4:糸の終わりを裏で美しく処理する
糸が短くなってきたら、無理をする前に区切りをつけます。最後のひと針を終え、針が裏側にある状態で、裏の既存のステッチの下に針を通して小さなループを作り、そこへ針をくぐらせて結びを作ります。結び目をキャンバス裏に寄せてキュッと締め、余った糸を短くカット。

作者は、離れた部分へ移動するときに毎回糸を切らず、裏側で糸を渡してジャンプすることもあります。これは好みの問題。作品裏面の見え方を含め、仕上がりの方針で選びましょう。

注意(糸の終わり)
- 糸を限界まで短くしてしまうと結びにくくなります。数センチ余裕があるうちに終える判断を。
 
ステップ5:紙を剥がして最終仕上げ
刺繍がすべて終わったら、紙パターンを静かに剥がします。このとき、糸が少しゆるむことがあります。裏側から対応する糸をそっと引き、表のステッチがまっすぐになるようテンションを整えましょう。取り切れない紙片が残ったら、ピンセットでやさしく取り除きます。

作者の動画は最後にカメラの電池切れで中断しますが、仕上げ工程は上記のとおり。紙をすべて剥がし、糸のたるみを整えれば完成です。

クイックチェック:仕上がり基準
- 紙がすべて取り除かれている(糸の下に紙片が残っていない)
 
- ステッチはピンと張り、ラインが連続している
 
- 裏側の結び目や渡り糸が引っかからないよう整っている
 
トラブルシューティング
- 糸が絡まる:糸が長すぎる可能性。短めに取り直す。絡まりはやさしく解き、それでも無理なら切ってやり直す。
 
- 針目が不揃い:練習用の端切れで「同じ長さ」を意識して往復練習すると、感覚がつかめます。
 
- 木枠で刺しにくい:設計段階で端の密集を避ける。どうしても刺す場合は、針を斜めに入れて少し内側に逃がす。
 
- 紙を剥がしたら緩んだ:裏から糸を軽く引いてテンションを回復。ピンセットで残紙も除去。
 
プロのコツ
- 常に裏から刺し始め、結び目は裏側に。表情が美しくまとまります。
 
- 針目の長さは「短すぎず長すぎず」。まずは一定のリズムを優先すると線が綺麗に。
 
- 糸端は湿らせて平たく整えると、通しやすさが段違い。
 
- デザインは「単純な線」を選ぶと、完成率が上がります。
 
注意(安全と作業性)
- 刺繍針は鋭利です。手元を見ながら、指先を刺さないように。
 
- 作業は明るい場所で。キャンバスの目と図案のラインが見やすくなります。
 
コメントから:視聴者のアイデア&補足
- 「紙を使わず、図案をキャンバスへ直接なぞる?」という提案には、作者は未経験だが「よさそう」とコメント。ペン転写は別の選択肢として覚えておくと便利です(本動画は紙固定方式)。
 
- 「名前入り作品を背景に飾っては?」という声も。撮影セットの一部に自作のサインアートを加えるのは素敵なアイデア。
 
- 「同じデザインのシャツを着て撮影していた」ことに気づいた視聴者も。作者は撮影中は気づかなかったとの返答で、ちょっとした偶然も楽しい話題に。
 
機材メモ(探し方のヒント)
本記事はあくまで“手刺繍”のガイドです。ミシン刺繍で枠や固定具を探す場合は、ブランド名を添えた検索が手っ取り早いことがあります。たとえば babylock 磁気 刺繍枠、bernina 磁気 刺繍枠 のようにキーワードを組み合わせると情報に辿り着きやすいでしょう(本記事では使用しません)。
手づくりの魅力を飾ろう
バックステッチだけで十分に成立するのが、キャンバス刺繍の良いところ。モノクロのライン、ちいさなハイライト、短い作業時間でも、壁にかければ空気が変わります。最後にもう一度、仕上げ前のチェックをして、裏側の糸端を整えてから飾りましょう。飾り方のアイデアとして、作品の下に制作年月やサインを小さく添えても素敵です。
補足:もし機械刺繍の情報整理が必要なときは、製品カテゴリーやアクセサリー名での検索も有効です(例としての用語:babylock 磁気 刺繍枠、bernina 磁気 刺繍枠)。あなたの制作スタイルに応じて、用語を手がかりに情報収集してみてください。
