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動画を見る:Holiauma Multi-Needle Embroidery Machine Threading Guide(N/A)
厚めの糸で見やすく解説されたHoliauma多針刺繍機の糸かけ動画を、ていねいに言語化。上から下までの糸道が一筆書きで理解できます。

忙しい現場でも迷わない。上部ガイド3穴から上・下テンションディスク、テイクアップレバー、自動針糸通しまで。この一本をマスターすれば、刺繍の立ち上がりが安定し、作業リズムが劇的に整います。

- 学べること
- 上部ガイドから自動針糸通しまでの正しいルート
- 新型向け“標準ルート”と旧型向け“代替ルート”の使い分け
- 各所でのテンション確認ポイントとよくあるミスの回避
- テイクアップレバーやニードル周りの通し方のコツ
- 糸切れ/糸浮きのトラブルシュート
プロのコツ
- 各ステップで糸を軽く引いて“引っかかり”がないか触診する癖を。
- ガイドチューブの通しは、付属ツールや針を“長いガイドワイヤー化”して使うと一発で通ります。

注意
- 糸の種類は機種・針に合ったものを。動画は見やすさのため太い糸が使われています。
- テンションが強すぎる(または弱すぎる)と、糸切れや糸浮きの原因に。

Holiaumaの糸道を理解する
キーコンポーネント
- 上部ガイド3穴→単独穴:糸の初期整流区間。
- 上テンションディスク:新型は“左から入り、ディスク間→一周巻き”。
- ガイドチューブ:下部セクションへ導く透明チューブ。
- 下テンションディスクとペグ類:主テンションの要。
- テイクアップレバー周り:供給量を制御する要所。
- ニードル周りのバーガイドと自動針糸通し:終点直前の精密セクション。

正しいテンションが大切な理由
- 針下りの瞬間の張力が安定→ステッチが揃う。
- 供給過多・不足の揺れを抑え、糸切れ・鳥の巣を防止。
- 同一デザインを複数色で再現しても品質差が出にくい。
新しい機種向け:標準の糸かけフロー
1) スプールから上部ガイドへ(ステップ1) - 上部の3つのガイド穴すべて→単独の小穴へ。ひっかかりがないか指先で確認。

- クイックチェック:糸を軽く引いてもスムーズならOK。
2) 上テンションディスク(ステップ2) - 左側から入り、ディスク間を通し、一周巻いて右へ。ここが最初のテンション確立点。巻きが浅いとテンションが乗りません。

- 注意:正しく“ディスク間”に入っているか目視で確認を。
3) ガイドチューブ(ステップ3〜4) - 透明チューブの入口へ糸を差し込み、出口側はエンドキャップを外すと通しやすい。針や付属ツールを“長針”として落とし込む要領で通します。通ったらキャップを確実に戻す。

- プロのコツ:再装着時は糸を軽く張っておくと抜け落ち防止に。

4) 下部ガイドバーの下へ(ステップ5) - 水平バーを少し持ち上げ、糸を下に通す。上に乗せないこと。

5) 下テンションディスク(ステップ6〜7)
- 小さなペグの左→下をくぐり→ディスク間→右の開口へ。
- さらに左から一周巻き→ペグ右→最終バーの下に糸を滑り込ませて固定。ここでの巻きは“緩すぎず・締めすぎず”。


6) 全体レビュー(ステップ8) - 上から下まで糸道を目で追い、抜けや交差、別ルートへの迷いがないか最終チェック。疑わしければ、上部から巻き戻してやり直すのが早道です。
7) テイクアップレバー周り(ステップ9) - 指定のスリットと小穴(白ハウジングの穴ではない方)を通す。ここでの取り違いは供給不良の原因に。
8) ニードル周辺バー(ステップ10〜11) - 2本の平行バーの右側→中央の穴→左側の穴へ。ピンセットが有効。糸がほかの色と交差していないか必ず確認。
9) 自動針糸通しの準備(ステップ12) - 白いリングの小穴→隣接バーの裏へ回し、上へ押し込んでホールド。糸がたるまないように。

10) 自動針糸通しを作動(ステップ13) - 機構を指で押さえて開いた状態に→糸を指定の溝へ→指を離して針孔へ導入。通らなければ位置を微調整して再試行。

11) フィニッシュ(ステップ14) - 針下の小さなリップ/ペグの裏へ糸端を回し、余分をカット。これで縫い開始に備えられます。

クイックチェック
- どこか一箇所でもガイドを飛ばすと張力が乱れて糸切れの原因に。迷ったら“上テンション→下テンション→テイクアップ→ニードル”の順で再点検。
- すべての番号の針で基本は同じ糸道。色替え時もルーチン化すれば早い。
コメントから
- 「他の番号も同じ糸かけ?」→同じでOK。
- 「大きなフレームの取り付け方法?」→本体には既に大型フレームが装着。追加は空き位置へ、既存は外さない方針。
- 「どこで購入?」→コミュニティ経由の共有あり。入手経路は地域・時期で異なる可能性。
旧型Holiauma向けの特別な配慮
弱めスプリングの見分け方
- 上テンションで“標準ルート(左入り一周)”が強すぎる・食い込みすぎる感触。
- 糸が不必要に引き締まり、送りが硬く感じる。
上テンションの代替ルート(ステップ15)
- 左からではなく、右側へ回り込み→ディスク間→一周→左へ。要は“巻き方向を反転”して張力のかかり方をマイルドに。どちらが安定するかは機体のバネ状態で要比較。
下テンションの代替ルート(ステップ16)
- ペグ右→開口→左→一周→右→バー下、という順。これで実効テンションが穏やかになり、糸の通りが改善するケースあり。
プロのコツ
- 旧型で迷ったら、上・下テンションの両方で代替ルートを試し、縫い目と糸切れ頻度で評価。1色で安定したら、他色の針番にも展開しましょう。
よくある糸トラブルの対処
糸の引っかかり・糸切れ
- 兆候:不規則な音、上糸の急な張り、縫い目の飛び。
- 対処:ガイドの取り違いがないか、上から下へ順に再点検。ディスク間に“確実に”落ちているかが肝。
- 補助具:ピンセットを併用すれば、バー間の小穴通しが確実に。
- 予防:スタート前に針下の糸端を短く整え、ベッド周りでの引っかかりを無くす。
テンションが決まらない
- 針番ごとの通し忘れ/別色との交差が原因のことも。番号ごとに一筆書きで見直す。
- 旧型の弱いスプリング感があるなら、上・下の代替ルートに切り替え、実縫いで比較する。
ツール活用
- ガイドチューブ通しには“長いガイド”として普通の縫い針を。通ったら必ずエンドキャップを戻す。
- ニードル周りではピンセットを。細部の通しミスを未然に防げます。
関連アクセサリーの一考(情報リソースの拡張という観点)
- 生地固定に自信が持てない場合、固定具の選択肢を見直すのも有効です。例えば、強力磁力で生地をホールドする磁気 刺繍枠や、厚物・立体物で扱いやすいmighty hoopは、段差や厚みでフープ止めが難しい案件を安定化しやすい傾向があります。
- フレームの互換・追加検討にはmagnetic フレームや位置決め治具の情報が参考になります。作業工程の再現性が上がれば、糸かけ直後のテストステッチの歩留まりも改善します。
- 工房のワークフロー改善には位置決めステーション系(例:hoopmaster)の導入検討も。フープインが一定化すれば、糸道のテンション変動要因がひとつ減ります。
- なお、刺繍の素材・工程に応じて“糸道の適切な張力”と“生地固定の安定”は両輪。前者(本記事)と後者(固定具)を合わせて最適化するのが近道です。磁力系の固定具(例:embroidery 磁気 刺繍枠、mighty hoops、magnet 刺繍枠)は、厚手のワークウェアやキルト層などで効果的な場合があります。
最適パフォーマンスのためのメンテナンス
定期的な清掃
- 糸道の埃・屑はテンション乱れの主因。ガイド周りとディスクの溝は綿棒で優しく清掃。
- ガイドチューブ内の異物は目視しにくいので、糸の走りに違和感が出たらまず疑う。
プロに相談すべきタイミング
- テンションディスクのバネ感が極端に弱い/強い。
- 自動針糸通しが繰り返し失敗する(機構固着やズレの疑い)。
まとめ:糸かけを自分のものに
- “上から下へ一筆書き”で覚えるのが最短。各所で軽く引いてチェックする習慣をつければ、迷子になりません。
- 新型は標準ルート、旧型は代替ルートも選べる柔軟さがHoliaumaの強み。あなたの個体に合う張力を見つけましょう。
- 最後に針下で糸端を整えるまでが糸かけ。ここまで正しくできれば、初動の1針が静かに決まります。
