Embrillianceで帽子枠を設定:Brother SC1900向けに5×2デザインをリサイズして.PES保存する手順

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本ガイドでは、Embrillianceで帽子用刺繍枠(130mm×60mm)を正しく選択し、キャップの5"×2"刺繍エリアに収まるようにデザインを読み込み・縮小、余白(安全マージン)を確保したうえで、Brother SC1900で使える.PESの刺繍データとして書き出すまでを、実務目線で解説します。さらに、縮小時の密度(デンシティ)調整の考え方、密度修正(Density Repair)を使うタイミング、帽子刺繍で起きやすい失敗を“ミシンにかける前”に潰すチェックポイントもまとめました。
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目次

帽子枠(キャップ枠)の制約を理解する

帽子刺繍は、マシン刺繍初心者にとって「最後の難関」になりがちです。Brother SC1900(またはSE1900)のような家庭用フラットベッド機でキャップを刺繍する場合、いわゆる「帽子の刺繍エリア」は容赦がありません。横に広い一方で高さが極端に低く、さらに素材はカーブしています。この物理制約を甘く見ると、針折れ・キャップの台無し・作業ストレスにつながります。

このチュートリアルでは、ソフト上の設定と実際の枠(キャップ枠)の現実を一致させることに集中します。購入した刺繍データをEmbrillianceで帽子枠の範囲に収め、現場で使える安全な刺繍データとして書き出すまでの流れを、Jeanetteの手順に沿って整理します。

Close-up of a pink baseball cap with a black golfer silhouette embroidered on the front.
Showing the finished product example.

Jeanetteのワークフローでまず押さえるべき絶対条件は、Embrilliance上で表示される帽子枠の作業領域が 5"×2"(130mm×60mm) である点です。特に「高さ2インチ」が安全上の上限になります。シャツ用の5×7枠で「小さそう」に見えるデザインでも、キャップ枠では枠やパーツに干渉するリスクが一気に上がります。

Embrilliance Preferences window open to the Hoops tab showing the list of available hoops.
Selecting the correct hoop settings.

考え方を切り替える:円筒(カーブ)を無理やり平面にする作業 帽子は「いつもの枠張り」と同じ感覚では扱えません。カーブしたキャップをフラットベッド機に固定すると、次の要素が同時に起きます。

  • クラウンの暴れ(フラつき):生地が上下に浮きやすく、縫いズレの原因になります。
  • センターシーム:厚みのある中央の縫い合わせが針に負荷をかけます(スピードを上げるほど顕著)。
  • 見え方の差:ソフト上でまっすぐでも、立体形状の影響で「曲がって見える」ことがあります。

もしあなたが brother 刺繍ミシン 用 帽子用刺繍枠 を検討しているなら、この「縦2インチの上限」を設計条件として固定してください。ここは交渉不可のハードストップです。

Embrillianceで正しい枠サイズを設定する

ステッチの話に入る前に、まず“デジタルの作業領域”を“実機の枠”に合わせます。Jeanetteは最初に、Embrillianceに帽子枠の限界範囲を表示させ、そこで作業するようにしています。

Zoomed in view of the hoop selection list highlighting '130mm x 60mm (Hat)'.
Highlighting the specific technical setting required for hats.

手順1 — Preferencesで帽子枠を選ぶ

  1. Embrillianceを起動し、混乱を避けるため他のデザインが開いている場合は閉じておきます。
  2. メニューバーから Edit > Preferences(Mac:Embrilliance > Preferences)を開きます。
  3. Environment 内の Hoops を選択します。
  4. Brother/Baby Lockのリストをスクロールし、「130mm x 60mm (Hat)」 を選びます。
  5. Apply を押してから OK
The main canvas showing the empty 5x2 inch hat hoop boundary.
Visualizing the workspace before adding designs.

ここでの確認(チェックポイント)

  • 見た目の基準:メイン画面に、背の低い横長の長方形(いわゆる5×2の比率)が表示されます。通常の5×7枠に比べて「やけに潰れた箱」に見えるはずです。
  • 狙い:この境界線が、実機での枠干渉リスクの警告ラインになります。ソフト上で線を越えるデザインは、現場では枠やパーツに当たる可能性が高いと考えます。

130×60 と 130×50 の紛らわしさ(動画より)

Jeanetteは、130mm×60130mm×50 の2つが近い表記で並び、どちらも約5"×2"のように見える点を注意喚起しています。彼女は運用ルールとして 130mm×60 を選ぶようにしています。

補足(運用のコツ):サイズを頻繁に切り替えると、「どの余白で作ったデータか」を忘れがちです。現場では“自分の標準”を決めて固定した方が事故が減ります。

デザインの読み込みとリサイズ

帽子枠の境界を出したら、次は「入れる量の調整」です。シャツ向けのデザインを、そのままキャップの5×2に押し込むのではなく、無理のない縮小で成立させます。

The golfer silhouette loaded onto the canvas, clearly exceeding the hoop boundaries.
Demonstrating the need for resizing.

手順2 — 可能なら最小サイズのデータから読み込む

Jeanetteはゴルファーのデザインで、購入データの中から 3×3 を選んで読み込みます(4×4や5×5ではなく)。

  • 理由:最初から小さいサイズのデータは、ステッチ数や形状が小物向けにまとまっていることが多く、ソフト内での縮小量を抑えられます。
  • 結果:過度な縮小で“詰まりすぎた縫い”になりにくく、仕上がりの輪郭も残りやすくなります。

手順3 — コーナーハンドルで比率を保って縮小する

  1. デザインを選択:画像(デザイン)をクリックします。
  2. 拡大縮小のハンドル確認:外枠に黒い四角(ハンドル)が出ます。
  3. 縮小角(コーナー) のハンドルをつかみ、中心方向へドラッグして小さくします。
  4. 収まり確認:赤い境界線の内側にデザイン全体が余裕をもって入るまで調整します。
Resizing the golfer design by dragging the top-right corner handle inward.
Scaling the design down.

チェックポイント:カーソルが斜め矢印になっている状態で縮小できていれば、縦横比を保った縮小になっています。横矢印・縦矢印の状態で操作すると、デザインが伸びたり潰れたりして刺繍品質が落ちやすいので避けます。

期待する状態:デザインが枠内に「浮いている」ように収まり、境界線まで余白が残っている。

縮小したときの密度(デンシティ)とステッチ品質(コメントを踏まえて)

コメントで多い不安が「小さくしたら密度が上がって、糸が詰まって針が折れない?」という点です。

Jeanetteは、Embrillianceは縮小時に 自動でステッチ数を減らす(再計算する) と説明しています。ただし同時に、可能であれば 密度修正(Density Repair)も必ず行う と補足しています。元データの作りが良くない場合があるため、習慣化を勧めています。

現場のコツ(判断のしかた)

  • Embrilliance側で自動調整が入っていても、縮小率が大きいほど縫い詰まりのリスクは上がります。
  • 「縮小したのに縫いが硬い/針が重い」場合は、ソフト設定だけでなく、実際の枠張りやスタビライザーの密着不足で生地が暴れている可能性もあります。刺繍ミシン 用 枠入れ の精度(しっかり固定できているか)が、帽子では特に結果に直結します。

帽子刺繍で“余白”が必須な理由

縮小して枠内に入ったら終わりではありません。Jeanetteは、デザインを中央に寄せ、境界線ギリギリに置かない運用を徹底しています。

The resized golfer design centered within the hat hoop boundary.
Final placement of the design.

手順4 — 中央配置+バッファ(安全マージン)を残す

  1. 中央へ移動:デザインをドラッグして枠の中央へ。
  2. 余白確認:デザイン外周と赤い境界線の間に、目で見て分かる隙間があるか確認します。
  3. 下側の安全確認:特にデザイン下端が下側の赤線に乗っていないかを見ます。
Mouse pointing to the gap between design and hoop edge.
Explaining the importance of leaving a margin.

Jeanetteは「失敗したくないから」と説明しています。現場的には、これは 許容差(トレランス) を確保する考え方です。

なぜ帽子は余白が重要なのか(実務解説)

Tシャツでは端まで攻められても、帽子では危険度が上がる理由は次の通りです。

  1. 生地の暴れ(フラつき):カーブした素材を固定するため、針の上下動で生地が浮きやすく、位置ズレにつながります。
  2. ツバ周りの干渉:ツバに近いほど、押さえや周辺パーツが当たりやすくなり、引っかかりやズレの原因になります。
  3. 枠張り誤差が出やすい:帽子は真っ直ぐに固定するのが難しく、少しのズレが即“枠に当たる”事故につながります。

注意:安全上の重要事項
帽子刺繍のテスト時に、指で押さえて「沈めながら縫う」のは危険です。針棒が硬いパーツの近くを高速で動きます。枠やツバに針が当たると折損につながるため、手は必ず縫製エリアから離してください。

コメントより:キャップ後ろに名前を入れたい場合

コメントで「キャップ後ろ(ストラップ付近)に名前を刺繍したい」という質問があり、Jeanetteは帽子枠(5×2)が最適とは限らないとしています。

  • やり方:通常の 5×7枠 を使用。
  • 方法:粘着タイプのスタビライザー(Sticky Stabilizer)を枠張りし、紙面に切れ目を入れて剥がします。
  • 固定:キャップの後ろ側を平らに“置き刺し(フロート)”します。
  • 事前確認:刺繍前にデザインを紙にプリントして、サイズと位置を確認します。

Brother SC1900向けに.PESで保存する

最後は、ミシンが読める形式で書き出します。

The 'Save As' dialog box being used to save the file as a .PES.
Saving the stitch file for the machine.

手順5 — 刺繍データを.PESで保存

  1. メニュー:File > Save Stitch File As
  2. ファイル名の付け方:後で取り違えないように、名前に「HAT」など帽子用と分かる情報を入れます(例:Hat_Golfer など)。
  3. 形式:Brother SC1900向けに .PES を選択します。
  4. 転送:USBに保存してミシンへ持っていきます。

作業用ファイルと刺繍用ファイル(動画より)

Jeanetteが触れている重要ポイントです。

  • 作業用ファイル:編集用(後から調整するために残す)。
  • 刺繍用ファイル(.PES):ミシンが縫うためのデータ。
  • ルール:どちらも保存しておく。刺繍用だけだと、後で調整したくなったときに戻りづらくなります。

補足:Brother機は基本的に.PESを使用します。購入データは、必ず.PESが含まれているか確認するのが安全です。刺繍枠 brother se1900 用 を運用する場合も、データ形式の取り違えはトラブルの元になります。


Primer

帽子刺繍で失敗を減らす鍵は、「感覚」ではなく「制約に合わせた設計」です。家庭用フラットベッド機での帽子刺繍は、ミリ単位の世界になります。

現場の整理

  • レベル1(段取り):本記事の通り、5×2の範囲に収め、余白を確保してデータを作る。
  • レベル2(固定力):枠跡やズレに悩むなら、保持力(固定の安定)を見直す。
  • レベル3(用途拡張):日常的に帽子を量産するなら、設備や治具の考え方も変わります。

まずは、ソフト設定を正しく合わせることが土台です。

Prep

「スタート」を押す前に勝負は決まります。ここでは帽子刺繍で見落としやすい準備項目をまとめます。

見落としがちな消耗品&事前チェック(省略しない)

  • スタビライザー:帽子刺繍では必須です。固定と形状保持のために使います(スタビライザー=刺繍用の裏当て材)。
  • 下糸(ボビン糸)残量:帽子はやり直しが難しいため、途中で切れると痛手です。
  • データの事前確認:Embrilliance上で境界線内に収まっているか、余白があるかを必ず確認します。

量産や位置合わせの再現性を上げたい場合、刺繍用 枠固定台 の導入は検討価値があります。枠位置を標準化しやすくなります。

Prepチェックリスト(Prep終了時)

  • 帽子用の作業領域(130mm×60mm)がEmbrillianceに表示されている
  • デザインが境界線内に収まり、余白が残っている
  • 下糸(ボビン糸)残量に不安がない
  • USBに保存するファイル形式が.PESになっている

Setup

ここでは「デジタル側の安全ネット」を固めます。

セットアップ手順(ソフト環境)

  1. 環境設定:Preferencesで帽子枠(130×60)を選ぶ。
  2. 読み込み:デザインを取り込む(可能なら小さいサイズから)。
  3. 縮小:コーナーハンドルで比率を保って縮小。
  4. 配置:中央に置き、境界線から余白を残す。

Brother SE1900 用 帽子用 刺繍枠 の購入を検討している場合も同じで、アタッチメント(物理)とソフト側の枠設定(デジタル)がズレると事故が起きやすくなります。必ず同期させて運用します。

分岐:どの方法で刺繍するか

  • シーンA:硬めのベースボールキャップ(前面)
    • 方法:帽子枠(キャップ枠)を使う。
    • ポイント:5×2の高さ制限を最優先。
  • シーンB:柔らかいキャップ(前面)
    • 方法:帽子枠を使う。
    • ポイント:生地が動きやすいので、余白と固定をより慎重に。
  • シーンC:後ろ/サイドなど曲面が強い場所
    • 方法:5×7枠+粘着スタビライザーで置き刺し(フロート)。
    • ポイント:文字などシンプルなデザインが無難。

Setupチェックリスト(Setup終了時)

  • デザインが130×60の範囲内で中央にある
  • 境界線から余白が取れている
  • .PESで書き出した
  • ファイル名で帽子用だと判別できる

Operation

ここからは実行フェーズです。狙いは「干渉なし・ズレなし」で刺繍を完走すること。

手順(現場の見え方・確認点つき)

  1. 転送:USBを挿してデータを読み込みます。
    • 確認:向きが想定通りか(機種によって回転表示が変わることがあります)。
  2. トレース(重要):ミシン側のトレース/試し縫い範囲確認を実行します。
    • 確認:押さえや針の動きが枠やパーツに近すぎないか。近い場合は停止して、ソフト側で再配置します。
  3. 枠張り:キャップをしっかり固定します。
    • 確認:緩いと生地が暴れて位置ズレが出やすくなります。
  4. 刺繍開始:スタート。

量産で効率を上げたい場合、brother 刺繍ミシン 用 枠固定台 があると「刺繍中に次の帽子を枠張り」しやすく、段取り時間を短縮できます。

Operationチェックリスト(Operation終了時)

  • トレースで干渉がない
  • キャップがしっかり固定できている
  • 縫製エリアに手を入れていない
  • 刺繍を開始した

Troubleshooting

機械のせいにする前に、原因を切り分けます。

症状 ありがちな原因 すぐできる対処
枠跡(枠のリング跡) 強く挟みすぎ/素材に対して保持が強すぎる 仕上げで整える。再発防止として固定方法を見直す。
針折れ センターシームへの負荷/密度が高すぎる 速度を落とし、デザインの縮小・密度修正を検討。
位置ズレ(アウトラインが合わない) 生地の暴れ(フラつき)/固定不足 枠張りを見直し、スタビライザーの密着を上げる。
デザインが枠内に入らない 5×2の高さ制限を超えている Embrillianceでコーナーハンドル縮小し、境界線内へ。
上糸が絡む(鳥の巣) 上糸のかけ方/テンション不良 上糸をかけ直し、基本動作を再確認。

Results

この手順を踏むことで、「なんとなく」で帽子刺繍をする状態から、「制約に合わせてデータを作る」状態へ移行できます。

到達点

  1. ソフト面:130mm×60mm(5×2)の範囲に収まり、余白を確保した.PESを用意できる。
  2. 現場面:帽子は固定と余白が結果を左右する、と理解した上で作業できる。

次の一手(運用の考え方) もし枠跡やズレの調整に時間を取られているなら、固定力の改善がボトルネックかもしれません。

  • 品質面:保持の安定を上げたいなら、マグネット刺繍枠 brother se1900 用 のような選択肢を検討する余地があります。
  • スピード面:位置合わせの再現性を上げるなら、枠固定台の導入が効きます。
  • 拡張面:5×2の制約自体が事業上の制限になるなら、設備構成の見直しも視野に入ります。