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刺繍で作る“スプーキーカワイイ”ハロウィンバッグ
無地のバッグが、ステッチの縁取りとキラキラのHTVで一気にシーズナルな主役へ。暗闇でぼんやり光るゴーストが、お菓子集めのテンションも盛り上げます。制作の流れはシンプルですが、途中の設定とチェックが決め手。この記事では動画の要点を、作業順に整理して解説します。
プロのコツ
- デザインのトレースは“縫う前の最終確認”。縫ってからの修正は遠回りです。
 
- トリム後に枠を戻す際は“奥まで差し込み、カチッと固定”。位置ズレはここで起こりがち。
 
注意
- はさみの刃先がタックダウンや生地を傷つけないよう、トリミングは慎重に。
 
- 熱プレスは高温作業。シートで保護し、やけどに注意しましょう。
 

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材料とツールをそろえる
材料
- キャンバストートバッグ(薄手)
 
- ティアアウェイ安定紙(tear-away)×2枚
 
- 蓄光HTV、ホログラムHTV
 
- 刺繍糸
 
ツール
- Ricoma EM1010 刺繍機(マルチニードル)
 
- 7×5インチ程度の刺繍枠
 
- はさみ(できれば先細・カーブ)
 
- USBメモリ(デザインファイル用)
 
- 15×15インチ熱プレス機
 
- リントローラー
 
代替や拡張のアイデア(任意)
- バッグをフローティングで留めたいときは、スティッキー安定紙+フレームの組み合わせも有効です。動画内でも“8-in-1”系のフレームに触れられており、用途により選択肢が広がります。例えば、Ricoma環境なら8 in 1 刺繍枠 ricomaのようなアクセサリーが作業の自由度を高めます。
 
クイックチェック
- デザインファイル(例:.DST)は用意できた?
 
- 作業スペースは、刺繍機とプレス機の両方が置ける十分な広さ?
 

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ステップ1:バッグの枠張り(フーピング)
薄手のキャンバスは、1枚の安定紙だとサポート不足になりがち。動画ではtear-awayを2枚重ね、バッグ内部にセットしています。シワを伸ばし、内枠を入れて外枠を上から押し込んだら、太鼓のような“ピンッ”とした張りを確認しましょう。
チェックポイント
- しわ・たるみなし/枠内が均一にピンと張れている
 
- バッグ層と安定紙がずれない
 
よくある落とし穴と対策
- 1枚だけで縫い始め、後で目ヨレやパッカリングに気づく→はじめから2枚重ねで。
 
- 枠がゆるい→一度外して、薄紙を足すか、再フーピング。
 
ヒント
- 固定が難しい場合は、素材に応じて磁気 刺繍枠や粘着安定紙の利用も検討を。バッグの厚みや持ち手位置に合わせ、無理のない方法を選びましょう。
 
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ステップ2:アップリケ用にマシンを設定
USBからデザインを読み込み、まずは向きを画面上で水平(横向き)に回転。縫う前に、表示上のレイアウトとバッグの置き方が一致しているかを必ず確認しましょう。

次に、アップリケのための“AM(Automatic/Manual)”モードに設定します。AMでは各色の後に自動停止するため、素材の配置やトリムを落ち着いて行えます。アップリケで“止まらず縫い進む”のは最大のNG。ここは必ずチェック。

プロのコツ
- 色順や停止タイミングは、最初に頭の中で“シミュレーション”。想定外の連続縫いを防ぎます。

クイックチェック
- デザインの向き:OK?(画面の水平回転済み)
 
- モード:AMに設定済み?
 
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ステップ3:アップリケの魔法—ステッチ→配置→トリム
最初に走るのは“トレース(配置)ステッチ”。ここでアップリケ素材を置く位置が目でわかります。輪郭が出たら、蓄光HTVのキャリアをはがし、素のHTVを輪郭の上にそっと置きます。

タックダウン(固定)ステッチを走らせ、素材が縫いとまったら、余分を刃先でコバに沿って丁寧にトリム。タックダウン糸やバッグ本体を切らないよう、先細やカーブ刃のはさみが扱いやすいです。

注意
- トリム時は、刃先がタックダウンの内側に“入り込まない”角度を保つ。
 
- 切りくずが残ると後のサテンで巻き込みやすいので、取り除いてから続行。
 

続いてホログラムHTVのパーツも同様に配置→タックダウン→トリム。パーツが複数になるほど、置き直しの場面も増えます。動画では、トリムのために一度枠を外した後、枠を“完全に差し戻さず”に再開しそうになり、縫いズレの兆候に気づいてリカバーしています。

ここは大事な教訓。枠を戻すときは“アームにカチッと固定されるまで”必ず差し込むこと。これだけで多くのズレを未然に防げます。
クイックチェック
- アップリケ素材がトレース輪郭をしっかり覆っている
 
- トリム後のエッジが滑らか/毛羽立ちなし
 
- 枠はアームに“完全固定”されたか
 

すべてのアップリケが整ったら、AMから“Automatic”へ切り替えて仕上げのサテン縁取りとディテールを一気にステッチ。ここまで来れば、エッジがきれいに巻かれてデザインがキリッと完成します。

プロのコツ
- 仕上げ前に糸くずを払うと、サテンの表情がよりクリアに。
 
- 迷ったら一度停止し、縫い方向と密度を目視で確認。無理に続けないのが結果的な近道です。
 
補足アイデア(任意)
- バッグ固定の自由度を上げたい場合、ricoma 刺繍枠のバリエーションやmagnetic フレームを検討しても良いでしょう。用途や生地に合わせた治具選びは、作業効率と仕上がりの安定に直結します。
 
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ステップ4:HTVで名前をプレス
バッグを枠から外し、内側のtear-awayをていねいに剥がします。飛び出した糸くずを処理し、あらかじめカットしておいた名前のHTVを所定位置にレイアウト。バッグをプレス機に置き、パーチメントまたはテフロンシートをかぶせて、HTVの指示に従ってプレスします。

注意
- プレス台に刺繍面を直接当てない。刺繍のつぶれやテカリの原因になります。
 
- 温度・圧力・時間は素材の仕様に従ってください(動画では具体数値は示されていません)。
 
プロのコツ
- バッグの内側にプレスピローを入れて段差を解消すると、縁まで均一に圧がかかりやすくなります。
 
補助ツールの考え方(任意)
- ワークフローに合わせて、mighty hoops for ricomaのような保持具やricoma em 1010 mighty hoopsなどのアクセサリーを使うと、厚みや段差があるトートでも位置決めが安定しやすくなります。
 
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仕上がりチェックと“光る”お披露目
名前のキャリアシートを剥がしたら、端の浮きや位置ズレがないかを全体でチェック。縫製側は、サテン縁取りが均一か、アップリケの端がきれいに隠れているかを確認しましょう。暗所での点灯テストでは、リングライト程度の光源でも、蓄光HTVがしっかり発光して存在感抜群でした。

仕上げ
- 糸端は見える場所から取り除く
 
- バッグ全体のコロコロでホコリをオフ
 
- 必要に応じて軽い二次プレスで定着感アップ
 
そして、完成のヒーローショットへ。アップリケの層感とホログラムの反射、名前の一体感が、トートのベースを見事に格上げしています。

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トラブル対策と仕上げのヒント
よくあるNG:枠の差し戻しが不十分
- 症状:縫い位置が微妙にずれて、図案が重ならない
 
- 対策:枠を外したら、再装着時に“奥まで差し、カチッ”の感触を必ず確認
 
よくあるNG:アップリケ素材の覆い不足
- 症状:サテンで巻き切れず、エッジからベースが見える
 
- 対策:トレース輪郭を1〜2mm超える余裕で置く。迷ったら一回り大きく配置
 
よくあるNG:トリム時の“切り過ぎ”
- 症状:タックダウン糸やバッグ本体を傷める
 
- 対策:カーブ刃で浅い角度から少しずつ。切り進めすぎない
 
安全メモ
- はさみの扱いは慎重に。手元の安定が最優先
 
- 熱プレスは高温につき、耐熱シートで保護し、火傷や素材の熱ダメージを回避
 
追加の選択肢(任意)
- フローティングでサクッと配置したいときはsnap hoop monsterのような構成や、広い意味でのembroidery 磁気 刺繍枠を検討するのも手。作業スタイルに合わせて道具を最適化しましょう。
 
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コメントから
視聴者の反応は「とっても可愛い!」「大好き!」というポジティブな声が中心。仕上がりのキュートさと、暗所での発光が印象に残った様子です。丁寧なAM運用とトリムの精度が、完成度の高い“映える”一作につながっていました。
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FAQ
Q. アップリケ素材はHTV以外でもOK? A. 動画内では蓄光&ホログラムHTVを使用していますが、一般的にはコットンやフェルトでも可能です。ほつれ対策に、熱接着系の下処理を使うアプローチもあります(本動画では具体素材名や数値の指定はありません)。
Q. なぜtear-awayを使うの? A. 刺繍時に十分な支持を与え、縫製後はバッグ内側からきれいに剥がせるため、仕上がりが柔らかく保てます。
Q. AMモードにし忘れるとどうなる? A. 色替えで止まらず縫い進んでしまい、アップリケ素材を置く・トリムするタイミングを逃します。アップリケは“止めて作業する”のが前提です。
