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(冒頭の埋め込み案内:本記事は、MaggieFrameチャンネルの動画「Choosing the Right MaggieFrame Magnetic Hoop for Melco Embroidery Machines」をもとに作成しています。動画を見なくても、ミシン前でそのまま使えるチェックリストとして読めるように編集しています。)
「合うはず」と思って刺繍枠を注文したのに、実際はブラケット長(フープ長)や縫える範囲が想定と違って取り付けできない/デザインが入らない——Melcoではこの手のミスが起きやすいです。本記事では、動画の“重ねて比べる”比較を、誰でも再現できる選定手順に変換します。購入前に、マグネット刺繍枠のサイズを自信を持って決められる状態を目指します。
この記事でわかること
- Melcoが対応するフープ長(アーム間隔)395mm/475mm/518mmの確認ポイント
- 外寸ではなく「内寸(開口=実際の刺繍可能エリア)」で、チューブラー枠とマグネット枠を照合する考え方
- 動画で示された、代表的なMelco枠に対するMaggieFrameの近似サイズ
- 袖・ズボン裾など細い部位で、細幅枠が効くケース
- デザインが“入るだけ”ではなく、余白込みで安全に縫えるかの簡易チェック
Melco刺繍枠のバージョン理解
動画冒頭で押さえるべきポイントは2つです。Melcoの刺繍枠にはブラケット形状の旧/新があり、さらに機種(または仕様)によって対応フープ長が異なります。ここで大事なのは「縫える開口(内寸)」と「取り付け互換(フープ長)」を分けて考えることです。

旧ブラケットと新ブラケットの違い
動画では、Melco枠の旧タイプと新タイプのブラケットを見せつつ、内寸はまったく同じだと説明しています。見た目(ブラケット形状)が違っても、内寸が同じなら刺繍データのサイズ感を変える必要があるとは限りません。

チェックポイント: 旧/新で比べるときは、外側の樹脂・金具形状ではなく、針が届く「開口(内寸)」を見ます。
内寸が基準(外寸で選ばない)
実務では、チューブラー枠からマグネット刺繍枠へ置き換えるときの基準は「内寸」です。動画の比較も、枠同士を物理的に重ねて、開口がどれだけ近いかを確認しています。
よくある誤発注は、枠の呼び名(「150丸」「ジャケットバック」など)だけで探してしまい、内寸を見ないことです。まず内寸を揃える——これを習慣にすると、サイズ選定の失敗が一気に減ります。
ミシン側の互換:フープ長(アーム間隔)
動画では、Melcoが対応するフープ長として 395mm/475mm/518mm の3種類があると述べています。大きい枠ほど、518mm対応が前提になる場合があります。
現場で混乱しないコツは、比較を始める前に「自機が対応するフープ長」をメモの一番上に固定しておくことです。縫える範囲がぴったりでも、ミシンがそのフープ長に対応していなければ取り付けできません。
このセクションでは、SEOメモも整理しておくと後が楽です:melco embroidery machine
注意: 枠の着脱時は、手・髪・袖などが可動部や針周りに入らないようにしてください。作業前に停止/針上位置を確認し、ハサミやカッターは刃先の向きを意識して扱います。
小型丸枠の置き換え
まず多くの現場で出番が多いのが、小さめ枠(左胸ロゴ、小面積の位置物など)です。動画では、Melcoの小型丸枠2種に対して、最も近いマグネット枠を1つ提示しています。

90mm丸/120mm丸の近似サイズ
動画では最初の2つのMelco枠を 90mm丸 と 120mm丸 とし、最も近いMaggieFrameとして 100mm×100mm の角枠(3.9インチ×3.9インチ)を示しています。

想定される結果: 100×100角枠を丸枠に当ててみると、日常の小ロゴ運用として「同じクラスの縫い範囲」と感じられるはずです。
100×100角枠の利点(比較のやり方)
動画では、枠を重ねて視覚的に照合しています。この“重ねて確認”が、そのまま選定手順になります。

注意: 面積が近くても、丸→角に変わると「中心の取り方」「基準線の置き方」が変わります。丸枠の感覚でセンター合わせをしている現場ほど、角枠に切り替えた初回は位置合わせの基準(中心点/縦横基準)を再確認してください。
左胸ロゴ用途の考え方
動画自体は「推奨ロゴサイズ」を断定していませんが、90/120丸の近似として100×100を示しています。チューブラーからマグネットへ移行するかどうかは、面積よりも「枠張りの速さ」「生地の扱いやすさ」で判断されることが多いです。
調達や社内メモで用語を揃えるなら:embroidery hoops for melco
中型枠の比較
中型は、勘で選ぶとコストが出やすいゾーンです。動画では一般的な丸枠2サイズを取り上げ、角枠にすることで有効エリアが増える点も示しています。
150mm丸/180mm丸の置き換え
動画では3つ目のMelco枠を 150mm丸 とし、MaggieFrame 130mm×130mm(5.1インチ×5.1インチ)と比較して「内側のエリアが非常に近い」と述べています。


続いて4つ目のMelco枠を 180mm丸 とし、MaggieFrame 175mm×175mm(6.9インチ×6.9インチ)と比較し、MaggieFrameの方が刺繍エリアが大きいと説明しています。

なぜ重要か: 丸枠は四隅が使えません。角枠(正方形)の開口は、同じ“だいたいのサイズ感”でも有効エリアが増え、少し横に広いデザインで枠替え回数を減らせる場合があります。
角枠で「余白込み」を見る
「入るかどうか」だけでなく、「余白を残して安全に縫えるか」を確認してください。マグネット枠は保持力があっても、開口ギリギリに縫うと位置ズレや生地の逃げが出たときにリカバリーが効きません。
特別な道具がなくてもできる簡易チェックとして、紙でデザイン外形(バウンディング)を作り、開口内に置いて周囲の余白が取れるかを見ます。
130mm/175mmは“定番枠”になりやすい
ユニフォーム、学校ロゴ、企業ポロなど反復案件が多い現場では、このあたりの中型サイズが主力になりがちです。後から「見た目で注文」にならないよう、社内用に“対応表”を短く作っておくと運用が安定します。
用語の統一にも:magnetic embroidery hoops
大型(ジャケットバック)枠
大型は互換チェックが必須です。動画ではMelcoの大型長方形枠2種を比較し、特に一部サイズで518mm対応が必要だと明確に述べています。
300×360mm/300×440mmの近似
動画では6つ目のMelco枠を 300mm×360mm とし、近いMaggieFrameとして 265mm×315mm(10.5インチ×12.4インチ)を示しています。

続いて7つ目のMelco枠を 300mm×440mm とし、近いMaggieFrameとして 315mm×395mm(12.4インチ×15.6インチ)を示しています。
チェックポイント: 「近いサイズ=置き換え確定」ではありません。動画で示された内寸に対して、あなたのデザイン外形(バウンディング)が確実に収まるかを先に確認します。限界付近なら、デザインを小さくする/別サイズにする/枠張り方法を変える前提で検討します。
ST-M1316(315×395mm)を使う条件
動画では、300×440mmのMelco枠に対して 315×395mm が最も近いサイズだとし、さらに「Melcoが518mmのフープ長を受け入れられるなら使える」と明言しています。
ここが最も事故が多いポイントです。刺繍エリアだけ見て注文し、フープ長(アーム間隔)互換を見落とすと、取り付けできません。迷ったら、機種資料/現場で使っている枠の仕様(フープ長)を先に確認してください。
社内の発注依頼文をブレさせないために:hoops for melco embroidery machine
518mm対応の確認は「ゲート条件」
これは推奨ではなく、通過条件として扱います。
想定される結果: 注文前に「自機は518mmフープ長に対応している」と言い切れる状態になっている。
確認できない場合は、確実に対応しているフープ長の範囲で選ぶか、検証できる条件(試着・確認)を前提に進めるのが安全です。
袖・ズボン向けの細幅マグネット枠
動画の最後では、袖やズボン裾など“細い部位”に向けた専用サイズが紹介されます。チューブラー枠だと枠張りが遅い/生地が邪魔になる場面で、細幅枠が効きます。
ズボン向けストリップ枠
動画では 320mm×100mm(12.6インチ×3.9インチ)をズボン用として紹介しています。
現場のコツ: 細幅枠は、デザイン自体が“細長い形”に設計されているときに最も効果が出ます。長めのネーム、サイドの小ロゴなど、形状が合う案件で枠替えや位置ブレを減らしやすくなります。
袖向け細幅枠
動画では 195mm×70mm(7.6インチ×2.7インチ)を主に袖向けとして紹介し、ベビー服にも触れています。
袖案件が多い現場では、動画内でも特に「適材適所」がわかりやすい例です。
備品名のブレを防ぐなら:sleeve hoop
ベビー服など小さくタイトな部位
動画では袖サイズ枠の文脈でベビー服に言及しています。実務的には、余り生地が処理しづらい小さな衣類・狭い部位ほど、細い開口の方が生地をコントロールしやすい、という示唆になります。
なぜマグネット刺繍枠に切り替えるのか
動画の主題はサイズ照合ですが、現場での切り替え理由はだいたい「枠張りのスピード」「保持の安定」「枠跡(枠焼け)を減らしたい」に集約されます。
注意: マグネット枠は強い力で挟み込みます。外すときは引き剥がすのではなく“横にスライドして”分離し、指を挟み込む位置に置かないでください。電子機器や磁気媒体にも近づけないよう注意します。
枠張りが速くなる
ネジ締めの調整が減ることで、反復生産では枠張り時間を短縮しやすくなります。オペレーターの負担軽減という意味でも、ワークフロー改善になることがあります。
機種をまたいで用語を整理するなら:magnetic frames for embroidery machine
生地保持の安定
枠張り時に生地が逃げやすいアイテムでは、マグネットの保持が助けになる場合があります。ただし、結果はスタビライザー(刺繍用の裏当て)選定、枠張りの張り具合、デザイン条件にも左右されます。
枠跡(枠焼け)を抑えたい
デリケート素材で枠跡を減らしたくてマグネットへ移行するケースもあります。とはいえ素材によって出方は変わるため、実際の商材でテストし、ミシンメーカー推奨の枠張り手順も併用してください。
見落としがちな消耗品と事前チェック
動画は枠サイズが中心ですが、日々の生産では以下が“枠張りがうまくいくか”を左右します(枠のせいにする前に切り分けるための観点です)。
- 下糸(ボビン糸)の考え方: 基本は上糸・デザイン密度と相性の良い下糸を選びます。表に下糸が出る/裏に上糸が引かれる場合は、テンションとスタビライザー支持のサインとして捉え、最終判断はミシンのマニュアルに従って確認します。
- 針の番手・ポイント: 織物は鋭いポイントが合うことが多く、ニットや機能素材は繊維を切りにくいポイントが有利な場合があります。迷ったら、まずは機種資料や素材推奨から始めます。
- スタビライザー(裏当て)とトッピング: 伸びやすい素材ほど支持を増やす、毛足や凹凸がある表面はトッピングで沈みを抑える、という考え方が基本です。枠張り時点で生地が歪むなら、枠より先に支持条件を見直します。
- 小物とメンテ: 糸切り用ハサミ、針の安全取り扱い用ツール、糸くず清掃用品、簡易スケールを枠固定台(作業台)に常備します。針周りが汚れると、枠張り不良に見える糸トラブルが増えます。
判断フロー(購入前に分岐を決める)
- Melcoが 395mm フープ長対応なら、まずは手持ちの対応枠に近いサイズを優先し、518mm前提の大型枠は避けます。
- Melcoが 475mm フープ長対応なら、中〜大サイズも検討できますが、「最大級」枠の条件は都度確認します。
- Melcoが 518mm フープ長対応なら、動画で示された300×440mm相当として315×395mmも検討できます。
- 小ロゴ中心なら、90/120丸の近似として示された 100×100mm から始めます。
- 左胸〜中型中心なら、130×130mm と 175×175mm の比較を基準にします。
- ジャケットバック中心なら、手持ち長方形枠の内寸を、265×315mm と 315×395mm に照合します。
- 袖・ズボン裾が多いなら、細幅専用(袖195×70/ズボン320×100)を優先候補に入れます。
任意の改善案(ボトルネックがある場合のみ)
枠張りが遅い/位置合わせがブレるのが主因なら、枠そのものと同じくらい「枠張りの段取り」が効きます。マグネット枠と合わせて、固定台を使った運用を検討する現場もあります。関連用語として、カタログで magnetic hooping station を見かけることがあります。
また、生産量が増えて設備更新を検討する段階では、多針刺繍機が選択肢になることもあります。当社ではSEWTECHの多針刺繍ミシンも評価対象として提供していますが、判断は宣伝文句ではなく、受注量と段取り替え時間(実測)を基準にしてください。
刺繍糸やスタビライザー(裏当て)も取り扱っています。枠張りと位置合わせが安定している現場では、糸・支持材の見直しが品質改善の近道になることが多いです。
事前準備チェック(比較/注文の前に)
- 自機の対応フープ長(395mm/475mm/518mm)を確認する
- よく使うMelcoチューブラー枠(丸・長方形)を手元に集める
- 枠を重ねて比較できる平らな作業台を用意する
- よく使うデザインに必要な内寸(開口)をメモする
- 主な商材(小ロゴ/ジャケットバック/袖/ズボン裾)を整理する
セットアップチェック(比較手順を固定する)
- チューブラー枠を台に置き、内寸(開口)を確認する
- 候補のマグネット枠を重ねる/当てる(中心合わせ、または辺合わせを統一)
- 動画で示された内寸表記と一致しているか確認する
- 大型カテゴリなら、先にフープ長要件(特に518mm)を再確認する
- 丸→角/長方形で、位置合わせ基準が変わるかをメモする
作業手順チェック(再現できる選定フロー)
- 最も使用頻度の高い枠から、内寸で最も近いマグネット枠を当てる
- 重ね合わせで、有効エリアが同等レンジか確認する
- 中〜大型は、デザイン外形が余白込みで収まるか確認する
- 300×440mm相当を狙う場合は、注文前に518mm対応を確認する
- 袖/ズボン裾が多い場合のみ、細幅専用枠をリストに追加する
トラブルシューティング(切り分けと復旧)
サイズ合わせで起きやすい失敗と、すぐできる復旧手順です。
症状:「サイズは合いそうなのに、Melcoに取り付けできない」
- 原因の可能性: フープ長(アーム間隔)不一致(395/475/518mmの確認不足)
- すぐできる確認: 自機の対応フープ長を確認し、大型枠で動画が言及した条件(315×395mmは518mm対応が必要)と照合する
- 対処: 自機が対応するフープ長の範囲で選び直す
- 代替案: そのサイズ帯はチューブラー枠を継続し、対応範囲だけマグネット化する
症状:「丸枠では入ったのに、マグネット枠だと端に当たる」
- 原因の可能性: 呼び名で合わせた(例:『150丸』)/内寸で合わせていない/余白を見ていない
- すぐできる確認: デザイン外形(バウンディング)を確認し、動画で示された内寸と比較する
- 対処: デザインを少し縮小する、または(互換範囲内で)次のサイズを検討する
- 代替案: 既に安定しているなら、その案件はチューブラー枠を継続する
症状:「枠張りは速いが、生地がズレる/仕上がりが歪む」
- 原因の可能性: 枠サイズではなく、スタビライザー支持不足(素材に対して)
- すぐできる確認: 同素材の端切れで支持を増やして枠張りし、歪みが減るか比較する(伸びる素材は支持増、凹凸はトッピング検討)
- 対処: 先にスタビライザー方針を調整し、その後に枠張り手順を見直す
- 代替案: デリケート素材は、機種マニュアル推奨の別手法も検討する
症状:「袖/ズボン裾の位置が安定しない」
- 原因の可能性: 細い部位に汎用枠を使っている
- すぐできる確認: デザイン形状が、動画の細幅開口(袖195×70/ズボン320×100)に適しているかを見る
- 対処: 細長いデザインなら専用の細幅枠を使う
- 代替案: デザインが細幅に向かないなら、汎用枠のまま位置合わせ手順を調整する
まとめ(結果と引き継ぎ)
この手順を終えると、手持ちのMelcoチューブラー枠に対して、動画で示された最も近いマグネット枠の“対応表”が作れます。さらに大型枠に対しては「518mm対応を確認できない限り進まない」という停止ルールも明確になります。
作業を他の担当者に引き継ぐなら、渡すべきものは2つだけです。(1)自機の対応フープ長(395/475/518mmのどれか)、(2)現場で最も使う上位3サイズの枠と、選んだマグネット枠の対応関係。これで誤発注と枠張りのブレを大幅に減らせます。
