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安全第一:作業前に必ず「無通電状態」を作る
Brother SE1900は頼れる機種ですが、どんなミシンでも「汚れ」は確実に不調の原因になります。現場目線で言うと、不具合の多くは故障ではなく、ボビン周りの糸くず(リント)蓄積が引き金です。特に、糸くずが出やすい素材(動画内ではコットンのマスク作りの話が出ています)を縫っていると、ボビン周辺に“綿ぼこりの塊”ができて動作が不安定になりやすいです。
「一定のリズムでコツコツ音がする」「糸が切れやすい」「上糸エラーが出る」など、症状はさまざま。ですが、ここで紹介する基本清掃はシンプルで、短時間で再現できます。
作業に入る前に、必ず安全のための手順を固定します。
- 電源OFF: スイッチを切り、完全に停止していることを確認します。
- 作業スペース確保: フラットベッド(アクセサリーボックス)や刺繍ユニットを外し、フリーアーム周りを見やすくします。
- 糸を外す: 上糸(糸立て側)を外し、ボビンも取り出します。
注意: 針板(ボビン周り)を開ける作業は、針・糸切り刃のすぐ近くです。電源が入ったままだと、誤操作でケガやタイミングずれの原因になります。必ず電源を切ってから作業してください。
現場のコツ(テンション保護): コメントでも指摘があった通り、上糸を外すときに上側(糸立て棒側)へ引き抜くのは避けます。テンション皿に糸くずや結び目を逆流させ、テンション不良の原因になり得ます。糸立て側で糸を切って、針側へ引き抜く(投稿者も「その癖はやめた」と返信しています)ほうが安全です。

付属ブラシの“隠し機能”:リッパーが入っている
動画の「捨てないで」ポイントとして、付属の清掃ブラシにシームリッパー(糸切り/リッパー)が収納されていることが紹介されています。糸端処理や、送り歯周りに絡んだ糸を切るときに役立ちます。
一方で、現場目線では「糸くずが固まっている場合、付属ブラシだけだと掻き出しにくい」こともあります。
brother ミシンのメンテナンス用に、動画内容の範囲で“使い分け”として押さえるなら次の考え方が実用的です。
- 付属ツール: リッパーは、送り歯周りの糸絡み(いわゆる鳥の巣)を切り分けるときの緊急用に。
- 清掃ブラシ: ボビン釜(ボビンレース)周りの糸くずを、少しずつ掻き出す用途に。
- 綿棒(コメントより): 細部の拭き取りには綿棒を使う人もいます(Q-Tips等)。


手順:針板カバーとボビンケースを外して清掃する(基本ルーティン)
ここからが、定期的に繰り返す「基本ルーティン」です。順番を固定すると、組み戻しミス(=清掃後に新しい不具合が出る)を減らせます。
手順1:ボビンの糸掛けが正しいかを先に目視確認(簡易診断)
分解前に、まず“ボビンの入れ方”を確認します。テンション不良の原因が、実はボビン糸の掛け違いだった…というのはよくあります。
- 透明のボビンカバーを開けます。
- 目視チェック: ボビンのスリットから、糸がカッター側へ渡っている「糸のライン」が見えるか確認します(動画の指差し箇所)。
動画のように、ドロップイン部分の上に糸が一直線に渡って見える状態は、正しく入っている可能性が高いサインです。刺繍機能付きミシンの基本として、この確認だけで無駄なテンション調整を避けられることがあります。

手順2:プラスチックの針板カバーを外す
動画では、特定の動かし方がポイントになっています。工具でこじるとツメを傷めやすいので、基本は手で行います。
- カバーの小さな切り欠き(ノッチ)を探します。
- ラッチを右へスライドします。
- 動作: カバーを手前(自分の体側)に引くと外れます。
- 外れた合図: 「カチッ」と外れる感触があります。上にこじ上げず、動画の動きで外します。

手順3:ボビンケースを外す(組み戻しの“目印”を覚える)
黒いボビンケースを持ち上げて外します。ここで最重要なのが、組み戻しの位置合わせです。
- 目印(ケース側): 黒いボビンケースに白い矢印(△)があります。
- 目標(本体側): 金属フレーム側に白い点があります。
この「矢印と白点」が、組み戻しの基準です。ここが合っていないと正常に縫えません。

なぜここがすぐ汚れるのか(作業者向け補足)
縫製・刺繍では、糸の摩擦で細かな糸くずが必ず出ます。さらに自動糸切りがある機種では、カットのたびに微細な繊維片が増えます。それがボビン釜周りに溜まると、突然の不調(異音、糸絡み、縫い目の乱れ)につながります。
絶対ルール:エアダスター(缶エア)は使わない
動画で強く注意されている通り、ボビン周りにエアダスターは使わないでください。
エアで飛ばすと、見える糸くずは一時的に消えますが、実際には内部へ押し込むことがあります。結果として、別の場所で詰まりや異音の原因になり得ます。動画でも「自分もやったが、やめた」と明言されています。
手順4:ブラシで“掻き出す”ように糸くずを除去
- 道具: 付属ブラシ(必要に応じて綿棒も併用)。
- 動かし方: 円を描くように、少しずつ糸くずを浮かせて取り除きます。
- ポイント: 大きな塊は、ブラシで寄せてから取り上げます。


清掃前後で一緒に見ておくと良い点(現場の段取り)
動画の範囲で実務的に言うと、清掃は「開けたついでに、異常の芽を潰す」タイミングでもあります。
チェックポイント:
1. 糸くずの塊: ボビン釜の奥や角に固まっていないか。
2. ケース自体の汚れ: ボビンケースにも付着するので、外したパーツ側も清掃対象に。
3. 絡み糸(鳥の巣): 送り歯(コメントでは“teeth”と呼ばれていた部分)周りに糸が噛んでいないか。
清掃前チェックリスト
- 安全: 電源OFF(可能ならプラグも抜く)。
- 視界: ボビン周りが見える状態(アクセサリーボックス等を外す)。
- 道具: ブラシ/綿棒/必要ならリッパー。
- 目印確認: 外す前に「矢印」と「白点」を目で確認しておく。
組み戻し:矢印(△)と白点を必ず合わせる
清掃後のトラブルで多いのが、ボビンケースの座り不良です。コメントでも「組み戻したら擦れる音がする」という相談があり、投稿者は「多くはボビンケースの入れ方」と返信しています。
手順5:ボビンケース自体も清掃する
本体側だけでなく、外した黒いボビンケースもブラシで払います。動画でもケースの清掃が示されています。

手順6:矢印(△)を白点に合わせてボビンケースを戻す
ここが最重要です。
- 動作: ボビンケースを所定位置に戻します。
- 位置合わせ: ケースの矢印(△)が、本体の白点を指すように回して合わせます。
- 座り確認: きちんと水平に収まり、浮きや引っ掛かりがないこと。
合っていないと、縫えない/異音がする/擦れる、といった症状につながります。

手順7:針板カバーを「パチン」と戻す
動画の通り、カバーははめ込みで戻します。
- 位置を合わせて押し込みます。
- 合図: 「パチン」とはまる感触。
- 面一確認: 段差があると布が引っ掛かるので、指でなぞってフラットか確認します。

チェックポイント:電源を入れる前に手回しで確認
組み戻し後は、電源を入れる前にはずみ車(手回し)を手前に回して、引っ掛かりがないか確認します。違和感がある場合は無理に動かさず、ボビンケースの位置合わせからやり直します。
トラブル対処:布が送られない(送り不良)ときに最初に見る場所
動画の「おまけの重要ポイント」として、送り歯が下がってしまうスイッチが紹介されています。コメントでも「それはドロップフィード」と補足されています。
症状:布が動かない/ミシンが“歩かない”
よくある原因: 本体背面のドロップフィード(送り歯上下)スイッチが、意図せず切り替わっている。
対処(動画の手順)
- フリーアーム背面のスイッチ位置を確認します(アクセサリーボックスを外すと見やすい)。
- 通常縫い(送り歯ON): スイッチを左。
- フリーモーション等(送り歯OFF): スイッチを右。


補足(糸絡み時の注意)
コメントでも触れられている通り、送り歯周りに糸が絡んだときに、布を上へ強く引き抜くのは避けます。まず糸を切って負荷を抜き、針板周りを開けてから、絡んだ糸を少しずつ取り除くほうが安全です。
組み戻し後の動作確認チェックリスト
- 位置合わせ: 矢印(△)と白点が合っている。
- 手回し: はずみ車がスムーズに1回転する。
- カバー: 針板カバーが浮いていない。
- 試し縫い: 本番前に端切れで直線縫い(または簡単な刺繍)で確認する。
注油について:動画の内容とコメントの指摘を踏まえた現実的な判断
動画では Hoppe’s No. 9 のオイルが登場し、「少しだけ油を差す」話が出ます。

重要アップデート(コメントより):SE1900は基本的にユーザー注油を想定していない
コメントでは「マニュアルに“注油しない”と明記されている」という指摘が複数あり、投稿者も返信で次のように整理しています。
- この機種の注油は、基本的に点検(サービス)時に内部で行う。
- ボビン周りに油を入れていたが、技術者から“やらないで”と言われた。
- 年1回程度のメンテナンス(点検)を推奨。
注意: マニュアルで許可されていない場所への注油は避けます。油は糸くずを呼び込み、汚れがペースト化して異音・汚れ移りの原因になり得ます。
清掃後に縫い目が崩れた/刺繍で下糸しか見えないときの切り分け
コメントでも「刺繍すると下糸しか見えない」「テンションを2にしたが改善しない」という相談があり、投稿者はテンションテストを勧めています。清掃後に症状が出た場合は、当てずっぽうで触る前に次を順に確認します。
- 布が送られない?
- はい: ドロップフィードスイッチを確認(通常縫いは左)。
- いいえ: 次へ。
- 擦れるような異音がする?
- はい: ボビンケースの入れ方(矢印と白点)をやり直す。
- いいえ: 次へ。
- 縫い目が極端におかしい/刺繍で下糸が表に出る?
- はい: まずボビン糸の掛け方を再確認し、必要ならテンションテストを行う(投稿者も別動画で案内)。
- いいえ: 次へ。
- それでも改善しない?
- 年次点検や販売店・サポートへの相談も検討(コメントでもサポート相談の話題あり)。
まとめ:清掃の質が、縫い品質と段取りを安定させる
電源OFF→糸を外す→針板カバー→ボビンケース→ブラシ清掃(缶エア禁止)→矢印と白点で組み戻し、という流れを固定すると、異音・糸絡み・送り不良の多くは予防できます。
そして、刺繍作業が増えるほど「清掃」と同じくらい重要になるのが段取りの安定です。
- 枠張りのボトルネック: 枠跡(リング跡)や締め付け作業の負担が大きい場合、標準の刺繍枠 brother se1900 用が作業の足かせになることがあります。
- 選択肢: 現場ではマグネット刺繍枠へ移行する人もいます。磁力で保持するため、枠張りの手間を減らしやすいのが特徴です。
- 導入の考え方: 家庭用から始めるなら、マグネット刺繍枠 brother se1900 用のように、まずは手持ち機種に合わせた選択が現実的です。
注意:マグネットの安全
マグネット刺繍枠は強力です。
* 挟み込み注意: 指を挟まないよう、磁石同士を勢いよく吸着させない。
* 電子機器: ペースメーカー等の医療機器、磁気に弱い機器には近づけない。
また、単針機で色替えが多く「縫う時間より段取りが長い」と感じる場合、動画内でも多針機(Brother PR670E)が背景に映っているように、将来的に多針刺繍機へステップアップする選択肢もあります。

机の横に貼っておく用:簡易チェックリスト
- 毎回: 糸経路の確認/ボビンの糸ライン目視。
- 定期: 針板カバーを外してボビン周りをブラシ清掃(缶エア禁止)。
- 異音時: 矢印(△)と白点の位置合わせを最優先で見直す。
- 送り不良: 背面のドロップフィードスイッチ(通常縫いは左)。
- 枠張り改善: 枠作業が負担ならマグネット刺繍枠も検討。
刺繍の作業効率を上げるには、糸やデータだけでなく「枠張りの再現性」も重要です。刺繍ミシン 用 枠入れを繰り返す作業では、枠を安定して固定できる環境が手首の負担軽減につながります。必要に応じて、専用のhooping station for embroidery machineを用意し、brother 刺繍ミシン 用 刺繍枠と組み合わせると、段取りが安定しやすくなります。
