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Brother PR670Eを開梱しよう
大型箱で到着するPR670Eは、まず作業スペースの確保が第一歩。箱の周囲をぐるりと動ける通路をとり、転倒やつまづきを防ぎます。

最初に外周のストラップをカットして外します。刃物は箱や中身に当てない角度で入れるのがコツ。

続いて上面の案内に従ってフラップを開き、発泡トレー状のアクセサリートレーを持ち上げて取り出します。小物が落ちないよう、平らな場所へ一時退避させましょう。

側面に差し込まれた発泡スチロールも外していきます。挟まっている付属品が無いかを軽く確認を。

外装のスリーブを外すには、箱下部の白いプラスチッククリップを“下を押し込み→上方向へ引き上げ→外す”の順で、合計6個外します。

フラップを再び開いて、外側の段ボールスリーブを上にスライドして抜きます。引っかかりがあれば無理に引っ張らず、周囲を整えてから再トライしましょう。

初回組み立て:スタンド固定と保護材の除去
最後の発泡スチロールシェルを取り去ると本体が姿を現します。ここからは重量物の持ち運び。必ず無理のない人数で移動し、専用スタンドへ設置します。
Brother純正のPR/VRスタンドに載せたら、角のボルトで本体をロックし、ぐらつきがないか確認します。固定後の姿はこう。多針ヘッドのレイアウトが一望できます。

輸送保護の青いテープ、針棒周りの緩衝材などを丁寧に除去。外し残しは後の動作不良につながるため、光の反射で見回すのがおすすめです。

糸立て(スレッドスタンド)まわりは段ボールカバーが被せられているので、まずテープを切ってカバーを外します。

本体上部の糸立てを垂直に起こし、左右の水平ガイドを“ゆるめる→所定位置へ回す→締める”の順でセット。付属の工具で固さをコントロールしながら、確実に固定します。

プロのコツ
- スクリーンは前方にスイングしてから根元のノブを増し締め。表示部の視認性が上がり、誤操作を防げます。
- 糸ガイドの角度が中途半端だと糸が擦れやすくなります。水平・垂直を意識して最終確認を。
注意
- 重量物の移動は必ず複数人で。指挟み・転倒・腰への負担を避けるため、持ち手と動線を事前に確認してください。
ここまでの工程で、他ブランド機と比較検討していた方も、PRの取り回しやすさを実感できるはず。たとえば単針のbrother vrから多針へ移行する際も、設置手順の考え方は同じです。
電源投入と初期セットアップ
電源コードを接続しスイッチON。画面をタッチして起動すると、刺繍アームの自動キャリブレーションが始まります。表示言語や時刻設定の案内が出ますが、動画では詳細操作は割愛されており、特別な準備は不要とのこと。

クイックチェック
- 画面が正しく表示される
- キャリブレーション動作が完了する
- エラーや異音がない
上位機種の購入を検討中の方は、後継世代や姉妹機(例:brother pr1055x)の画面誘導も似た体験です。基本は“起動→案内に従う→完了”の流れと考えましょう。
上糸のセット(自動針糸通しまで)
PR670Eは6本の上糸をそれぞれ独立経路で通します。ここでは1番針を例に、糸道のポイントを確認します。

- スプールから垂直に糸を上げ、最初のガイドへ。
- テンションダイヤルをガイドに沿って一周。糸がダイヤルに均一に触れていることを指先で感じ取ります。
- 上部・下部のフラップガイドを通し、番号付き経路(1→)を追ってニードルへ。
- ニードル上の小さなワイヤーガイドはピンポイント精度が必要。付属のピンセットが活躍します。
- 仕上げに自動針糸通しを作動し、余分糸をトリム。
ピンセットでワイヤーへ通す場面は、慣れるまでが勝負。手元を安定させ、糸端はやや長めに確保すると狙いが定まりやすくなります。

プロのコツ
- 糸を引いたときに“スッ”と均一な抵抗があるかを感じてください。局所的な引っ掛かりはガイドの掛け間違いサインです。
参考までに、純正枠だけでなく、磁気タイプの枠システム(例:brother 磁気 刺繍枠やbrother embroidery 磁気 刺繍枠)を併用するユーザーもいます。導入時は糸道やテンションが変わるわけではありませんが、厚物・小物の固定方法が変わるため、試し縫いで最適化しましょう。
ボビンのセットと向きの確認
付属のプレワウンド・ボビンを使用。マグネットコアが奥(後側)になる向きでボビンケースに入れ、糸が“時計回り”に解けることを目視で確認します。

糸はテンションスリット→小クリップの順に収め、スピンドルに“カチッ”と入るまで押し込みます。レバーを保持しながら装着する方法でも構いませんが、その場合は音がしにくいので、確実に奥まで入ったか指先で軽く触れて再確認します。
注意
- 反時計回りだと糸がテンションから外れ、極端にルーピーな縫い上がりになります。最初に必ず回転方向をチェック。
“時計回り”の確認は、PRシリーズ共通の基本。世代違いの機種(例:brother pr680w 刺繍枠を使う環境)でも、ここは不変の安全策です。
刺繍枠とフレームの取り付け
まず“フレームホルダーA”を用意。セットスクリューを外し、ニードルバー下の金属部にそっとスライドして位置決めピンに合わせます。ネジを戻して指で締め、必要に応じて工具で“ほんの少し”増し締め。

ホルダー側面の大きなネジで幅を調整。目的の枠サイズに対応するノッチで止まる設計なので、枠を確認しながら段階的に合わせます。慣れてきたら、枠を見なくても指の感触でノッチ位置を覚えられます。
枠を装着するときは、フレーム下の2枚の金属フラップに“差し込んでスライド→所定位置でロック”。取り外しは下から押し上げてスライドアウト。その際、ニードルバーに触れないよう常に枠を“水平”に保つのが鉄則です。

重要:正常な“遊び(わずかなガタつき)”
- 装着後にわずかな揺れがあるのは設計上の正常な状態です。動画でも明確に言及があり、ユーザーコメントでも安心の声が寄せられています。
プロのコツ
- もし抵抗を感じたら、幅ノッチの設定を見直し。力任せに押し込むのはNGです。
PRシリーズの周辺機器として、用途特化の枠システム(例:mighty hoops for brother pr670e)を導入するケースもあります。導入時はホルダーの互換やクリアランスを必ず確認し、試し留めで当たり・逃げをチェックしてください。
針の基礎知識と交換の目安
PR670Eは“フラット面がある家庭用針(HAx130EBBR #11など)”を使用。産業用針は非対応です。付属の替え針を参照するか、現状の針を抜いてフラット面の向きを確認しましょう。

交換の目安
- 糸切れや目飛び、異音や糸ほつれが続く
- 厚物・硬い素材を縫った直後
- 長時間使用後の定期交換
素材や番手に応じて適切な号数を選ぶのが理想ですが、本稿では動画で触れていないため詳細な番手運用は割愛します。
参考
- 兄弟機や別カテゴリ機(例:brother 刺繍ミシンやPRシリーズ上位世代)でも“フラット面を後ろ”が基本です。
クイックチェック
- スタンド固定は四隅を締結し、がたつきゼロか
- 青テープ・緩衝材を全除去したか
- 糸立てのボルトは“必要十分”に締めたか(固すぎ・ゆるすぎの排除)
- 上糸はガイドとテンションダイヤルを正経路で通過しているか
- ボビンは“時計回り”で、ケースに確実に“カチッ”と入ったか
- 枠はノッチ幅が合っており、取り付け時に無理な抵抗がないか
トラブルシューティングと注意ポイント
- 枠が入らない/固い
- 幅ノッチが合っていない可能性。設定を一段階ずつ見直す。
- ニードルバーに当たりやすい導入角度になっていないか確認。
- 糸がルーピーになる
- ボビンの回転方向が逆、あるいはテンションスリット未収まり。
- 上糸のテンションダイヤルの一周が不完全。
- 自動糸通しが成功しない
- 最終ワイヤーガイド通し忘れ、糸端が短すぎる/毛羽が多い。
- 針先の摩耗・曲がり。針交換を検討。
注意
- 枠の着脱で抵抗を感じたら“力を入れない”。必ず原因を切り分けてから再装着。
- ニードルバーを“押す・こじる”は厳禁。曲がりは重大トラブルに発展します。
周辺情報
- PRシリーズの枠バリエーションを検討するなら、PR専用の10×10領域用などの派生アクセサリ(例:mighty hoop 10 x 10 for brother pr series)も選択肢です。導入時は製品適合と保証範囲の確認を忘れずに。
コメントから:よくある質問のヒント
- 枠の“遊び”は正常?
- はい、正常です。動画でも明言があり、コメントでも疑問が解消された声が寄せられました。
- 枠は同梱される?
- 本体には“フレームホルダーA”と、同梱の標準枠に対応するセットアップが案内されています。詳細な数量・サイズは動画内で個別列挙はされていません。
- テーブル拡張は使える?
- 本動画では扱っていません。適合は販売店やメーカー情報をご確認ください。
- 新品ボビンに注油が必要?頻度は?
- 本動画では給油についての説明はありません。取扱説明書のメンテナンス項をご参照のうえ、指定箇所・指定油・頻度で実施してください。
他機種との比較検討をされている方へ
- コンパクト単針機や上位多針機(例:brother prs100 刺繍枠やbrother pr系)との併用でも、開梱~初期セットアップの基本は共通。運用の土台づくりとして、まずは“正しい糸道”と“ボビンの時計回り”を体に覚えさせるのが近道です。
次のステップ
- 実縫いの前に、薄地・中厚・厚地など数種類の端布で試し縫いを行い、テンションと押さえ、枠の選定を微調整。
- 枠の拡張を検討する場合は、純正や互換の磁気枠システム(例:brother 磁気 フレーム)の適合・保証条件を販売店に確認。
- 将来的な拡張として、より多針・大判へのステップアップ(例:mighty hoops for brother pr1055x)を視野に、作業フローと設置スペースを今のうちから設計しておきましょう。
最後に:PR670Eのセットアップは、順序と確認を守れば迷いません。安全第一で、快適な刺繍ライフを始めましょう!
