Table of Contents
1 プロジェクトの概要
日常服のリメイクから本格キルト、ギフト向けの名入れ刺しゅうまで、幅広い制作を想定します。NV2600はソーイングと刺しゅうの両方に対応し、NV1800Q/1300/1100はソーイング・キルティングに特化、NV800Eは刺しゅう専用です。

1.1 どの機種が向いているか
・1台で縫いと刺しゅうを完結したいならNV2600。 ・キルト中心で大きなワークスペースを重視するならNV1800Q、NV1300、NV1100。 ・刺しゅうだけを究めたいならNV800E。

1.2 このガイドの範囲
本稿は動画に沿って各機能の“使いどころ”を整理します。たとえばSFDS(スクエア送り)、ニーリフト、ICAPS(厚み検知)、16×26cmの刺しゅうエリア、138内蔵デザイン、LCDタッチ操作、パターン自動提案、編集機能、My Custom Stitch™、ロックステッチ、ピボット機能、フリーモーション、オプションアクセサリーなどです。なお、マグネット刺繍枠 brother 用 のような周辺アクセサリーについては動画での言及がないため、検討時は別途対応可否を確認してください。
2 準備するもの
・ミシン本体(上記いずれか) ・糸(上糸・下糸) ・生地(キルトや衣類、雑貨など用途に応じて) ・(刺しゅう時)刺しゅう枠、デザインデータ(内蔵デザインを使用可) ・十分な作業スペースと照明 ・必要に応じて広いワイドテーブル(オプション)
動画では枠サイズは16×26cmが示され、138の内蔵デザイン、カラーLCDのタッチ操作、パターン自動提案が確認できます。別売アクセサリーとしてワイドテーブル、マルチファンクションフットコントローラ、LEDポインター刺しゅう押えなどが登場します。なお、刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠 は動画に含まれないため、使用可否や推奨度はメーカー情報で確認しましょう。
【チェックリスト(準備)】
- 使う機種を用途で決めたか
- 生地・糸・押え・(刺しゅうなら)枠を揃えたか
- ワークスペースの確保(大物は特に)
- 刺しゅうデザインの下見(内蔵138点から選べます)
3 セットアップ
3.1 送り機構と基本セッティング
SFDS(スクエア送り)は、送り歯が四角軌道で生地を均一に送るのが特長で、薄地から厚地まで縫い目の安定に寄与します。

段差に乗る前はスピードをやや落とすと縫い目が揃い、縫いズレを抑えられます。
3.2 大物に備えるワークスペース
21cmクラスの“右側スペース”はキルトやカーテンなどの大物に有利です。

布が重なる部分の荷重が分散され、目詰まりや引きつれが起こりにくくなります。必要に応じてワイドテーブル(オプション)も検討します。
3.3 ハンズフリー操作の基本
ニーリフトで押えを上下すると、両手で生地を保持したまま向きの微調整ができます。

カーブやコーナー、アップリケの“向きを変えたい瞬間”に強力です。
【チェックリスト(セットアップ)】
- SFDSを意識して速度を適切に設定
- ワークスペースと作業台の高さを確保
- ニーリフトを装着・動作確認
4 操作手順(ソーイング機能)
4.1 基本縫いの安定化
1) 生地を押えの下にセットし、送り方向を確認。 2) 速度は中速から開始。段差前で少し落とす。 3) SFDSにより均一に送られるので、押え圧は自動調整に任せます(動画ではICAPSの厚み検知が紹介)。
【クイックチェック】縫い目のピッチが前後で揃っていればOK。段差の入り口でわずかに密になる場合は速度を下げると改善します。
4.2 パターン縫いと停止の精度
ロックステッチボタンを使うと、装飾ステッチのモチーフを縫い終えて自動停止します。
端部の“中途半端な途切れ”を防げるので、複数モチーフを揃えて縫うときに有効です。
4.3 ピボット機能での方向転換
ピボット機能をONにすると、停止時に押えが自動で上がり、布を回しやすくなります。
アップリケや角の多い縫製で、コーナーの精度が上がります。
【プロのコツ】ピボットを使う場面では、ニーリフトも併用するとさらに手が離れず、細かい向き調整が楽になります。なお、hoopmaster 枠固定台 のようなフレーミング補助具は本動画では登場しませんが、量産時の位置合わせに使う人もいます(対応機種や可否は要確認)。
5 操作手順(刺しゅう機能)
5.1 枠サイズとデザイン選び
16×26cmの広い刺しゅうエリアを使えば、大きめのモチーフや組み合わせにも余裕があります。

まずは内蔵の138デザインからテーマを選び、サイズと配置を画面上で確認します。

【注意】本記事は動画に忠実に構成しており、dime マグネット刺繍枠 brother 用 や mighty hoop マグネット刺繍枠、snap hoop monster マグネット刺繍枠 などのサードパーティ枠については動画で触れられていません。購入・使用判断はメーカー推奨を必ず確認してください。
5.2 LCDタッチと自動提案
3.7インチのカラーLCDでは、枠サイズに合わせて“入るデザインだけ”がハイライトされます。

この自動提案に従うと、はみ出しや縮小し過ぎによる粗さを回避できます。
【クイックチェック】選択中の枠サイズ表示が16×26cmになっているか、デザイン外周が余裕をもって収まっているかを確認しましょう。
5.3 編集(レイアウト、回転、サイズ、ミラー、組み合わせ)
画面上でデザインを複数組み合わせたり、回転・ミラーでバランスを調整できます。文字や数字を重ねてバースデーデザインを作る、といった応用も可能です。

編集確定後はプレビューで縫い順と配色を見直します。
5.4 速度と仕上がりのバランス
動画では最大毎分850針の刺しゅう速度に言及があります。細密なパターンや小文字は速度を落とすと輪郭が安定し、糸切れも軽減しやすくなります。なお、brother マグネット刺繍枠 のような強力クランプは本動画に登場しないため、速度設定の基準は“標準枠+生地の安定度”を基準に決めましょう。
【チェックリスト(刺しゅう前)】
- 枠サイズ設定と自動提案の確認
- 編集後プレビューで縫い順・配色を確認
- 速度はデザインの細かさに応じて調整
6 仕上がりチェック
6.1 ソーイングの見た目・手触り
・直線や装飾ステッチのピッチが均一である ・段差やカーブで目飛びがない ・モチーフ縫いはロックステッチで端がきれいに締まっている
6.2 刺しゅうの外観
・外周が歪まず、輪郭がギザつかない ・縮みや波打ちが少ない(生地が安定している) ・編集したレイアウト通りの位置で縫えている
【注意】枠の固定が緩いと波打ちの原因になります。動画では標準枠の使用を前提としており、刺繍用 枠固定台 のような補助ツールは扱っていません。現行環境で再現できる設定・手順を優先してください。

7 完成イメージと活用
7.1 装飾ステッチの活用
My Custom Stitch™(NV2600)では、装飾ステッチを自作・編集してメモリー保存できます。
トリムや見返し、ポケット口など“見せる縫い”に個性を加えられます。
7.2 アップリケと方向転換
ピボット機能を使うと、角の処理が正確になり、アップリケの輪郭が整います。
ロックステッチでモチーフ端をきれいに止めると、見た目の密度が揃います。
7.3 キルトや大物の取り回し
広いワークスペースとニーリフトの組み合わせは、大きいキルトの“持ち上げ負担”を軽減します。
ワイドテーブルがあれば、面の支えが増して引きつれがさらに減ります。
【プロのコツ】フリーモーション時は、速度一定・手の送り一定を意識します。ICAPSによる厚み検知が効いていれば段差でも押え圧が追随し、ステッチが暴れにくくなります。
8 トラブルシューティング
症状→原因→対処の順で、動画に基づき整理します。
- 生地が前に進みにくい/縫い目が詰まる
→(原因)送り不安定、段差で速度が速すぎる →(対処)SFDSの利点を活かすため、段差直前で速度を落とす。押えの上げ下げはニーリフトで素早く行い、生地の向きを修正。
- 装飾ステッチが途中で止まり端が不揃い
→(原因)手動停止のタイミングがばらつく →(対処)ロックステッチボタンでモチーフ完了後に自動停止させ、端部を均一化。
- アップリケの角がダレる
→(原因)向きを変える際に押えが下がったまま →(対処)ピボット機能をON。停止時に押えが上がり、角度を正確に変更可能。
- 刺しゅうが枠からはみ出す
→(原因)枠サイズに対してデザインが大きい →(対処)LCDの自動提案で“入るデザインのみ”から選ぶ。あるいはサイズ編集で縮小。
- 細かい刺しゅうで輪郭が荒れる
→(原因)速度が速すぎる →(対処)速度を下げ、縫い密度の再計算を行う。大きな面のサテンやフィルは特に効果的。
- 厚みの段差で目飛び
→(原因)押え圧が追従できていない →(対処)ICAPSによる自動調整が効く機種では、段差手前で速度を落とし、送りが安定するまで焦らず進む。
【コメントから】本動画には視聴者コメント情報が提供されていません。追加の使用例やコツは、今後の実機検証やメーカー情報で補ってください。なお、マグネット刺繍枠 や マグネット刺繍枠 11x13 のような用語はしばしば話題になりますが、本稿はNVシリーズ標準機能の紹介に限定しています。
【回復の最短手順(まとめ)】
- まずは枠サイズと編集プレビューの見直し
- 次に速度を下げ、段差前でさらに一段減速
- 仕上げはロックステッチとピボットで精度を上げる
最後に、購入検討時の注意点をひとつ。brother ミシン 本体に対する外部アクセサリー(例:マグネット刺繍枠、マグネット刺繍枠 brother se1900 用など)の可否は、本動画では確認できません。必ず公式の対応表や販売店での適合確認を行ってください。
