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動画を見る:「Using BES Embroidery Lettering 3 with ScanNCut」(YouTube)
はじめてのアップリケでも、端がぴたりと合えば仕上がりは一気に“プロ見え”。この動画は、BES Embroidery Lettering 3の新機能「ScanNCut」ボタンを使って、刺繍用アップリケをきれいにカットする一連の流れを丁寧に見せてくれます。ソフトでの準備からScanNCut実機の操作まで、迷いどころを先回りして解説します。
• 学べること
- BESでのフープ設定、内蔵アップリケの読み込み、センタリングの基本
 
- 「ScanNCut」ボタンで刺繍ラインをカット用アートワークへ変換する手順
 
- 印刷テンプレート運用 vs PNG書き出し→Canvas→FCM→USBの2ルート
 
- 実機でのスキャン、ミラー、1mm拡大、刃深さ・圧の設定、カットとピールのコツ
 
- つまずきやすいポイントとその回避策
 
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BES Embroidery Lettering 3とScanNCutの連携概要
BES Embroidery Lettering 3には、アップリケの“配置ライン”をワンクリックでカット用アートワークに変換するScanNCut機能が追加されています。これにより、印刷テンプレートとして出力して実機でスキャンしたり、PNGで書き出してScanNCut Canvas上でトレース→FCMに変換→USBに保存といったデジタル運用が可能になります。

プロのコツ
- 最初に完成までのルート(印刷テンプレート or PNG→Canvas)を決めておくと、迷いなく進められます。
 
- 花の中心と外形など、パーツを分けて扱えると布地の色替えや質感遊びが楽に。
 
注意
- 動画ではBESからの直接.fcm書き出しには触れていません(PNG→Canvasが紹介)。.fcm直書き出しの可否は、手元の環境で要確認です。brother 刺繍枠
 
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BESでアップリケデザインを準備する
- フープを選ぶ
 
動画では100×100mmのフープを選択。フープの下向き矢印から「Select Hoop」を開き、100×100を選びます。

- 内蔵アップリケを追加
 
Add Design→Add Appliqué Designで内蔵のアップリケライブラリを呼び出し、好みのデザインをクリックして挿入。デザインページ上に普通にクリックすれば、デジタイズされたサイズで入ります。


- センタリングで適合チェック
 
Selectツールでデザインを選択→Arrangeタブ→Center。フープ内に収まっているか一目で確認できます。
クイックチェック
- フープ枠が表示され、デザインが中央に配置されているか?
 
- デザインは想定サイズで挿入されているか?
 
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カット用に変換:印刷かPNG書き出しかを選ぶ
- アートワーク化
 
デザインの選択を外し、Toolsタブ→ScanNCutボタンをクリック。アップリケの配置ラインが“塗りのアートワーク”へ変換されます。

- パーツを分離
 
複数パーツの場合は、中央ピースをドラッグで横へ移動し、外側と内側などを分けて扱えるようにします。

3A. 印刷テンプレート運用(Canvasを使わない場合) Bメニュー→Print→Print Preview→歯車アイコンから「Print Color Analysis」「Show Crosshair」のチェックを外してOK。プレビューにアートワークのみが残ります。

モノクロプリンタなら、パーツ色を黒に変更してから印刷するとスキャン精度が安定します。

3B. PNG書き出し(Canvasを使う場合) Bメニュー→Export Image→PNGを選択→ファイル名(例:Flower)→保存先を指定→サイズは既定のままOK。これでScanNCut Canvasで使えるPNGが完成です。

注意
- 印刷時はクロスヘアをオフに。スキャン対象をクリアに抽出できます。
 
- PNG書き出しは画像の輪郭を活かす運用。後段のCanvasでトレース精度を確認しましょう。brother sewing machine
 
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ScanNCut Canvasでのデジタル準備(任意)
- 新規プロジェクトとイメージトレース
 
ScanNCut Canvasにログイン→New→Image Tracing mode→Choose Fileで先ほどのPNGを選択→Open。Previewで青いラインが外周を正確に囲っているかチェックし、OKで確定します。


- FCMにしてUSBへ保存
 
プロジェクト名(例:Flower)を入力し、Download→「リンクを右クリック→名前を付けて保存」でUSBメモリへ保存します。安全な取り外しを行い、実機へ。

クイックチェック
- トレースの青ラインが外周を正確に捉えているか?
 
- FCMをUSBに保存した場所を把握しているか?
 
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ScanNCut実機でアップリケをカットする
ルートA:印刷テンプレートを使ってスキャン 1. 印刷テンプレートをカッティングマットに貼り、Load→Scan→Scan to cut data→Start。機械がイメージをスキャンします。

2. 認識後、上部ボタンで外形を取得→矢印で必要範囲にクロップ→機械へ保存→OK→Home→マットを排出。

ルートB:USBのFCMから読み込み
- Pattern→Saved Data→USBアイコン→保存したFCMを選択→OK。
 
共通の素材準備 - 布に接着シート(アドヒーシブ・コンタクトシート)を貼り、カッティングマットにセットします。

- マットをロード→スキャンして、布の位置を画面で把握。
 
配置・編集(重要)
- Edit(上部ボタン)→パーツを布の上に移動。
 
- 布を裏向きに載せた場合は、Modify→Mirrorで反転。
 
- さらに1mm拡大して、刺繍時のサテンステッチが確実に布端を飲み込むように調整。単位がインチならSettingsからmmへ変更しておくと操作が楽です。

カットと取り外し - 刃深さと圧を布に合わせて調整(例:刃4.25、圧2。素材により異なる)→OK→Cut→Start。カット完了後、Eject→マットをアンロード→布を剥がしてアップリケを取り出します。

プロのコツ
- 1mm拡大は“見た目”ではなく“安全マージン”。刺繍での段差や縮みを吸収します。
 
- まず端布でテストカット(特に厚手や伸びる素材)。設定の傾向を掴んでから本番へ。
 
- 取り外しは「布を曲げる」「マットを曲げない」が鉄則。小パーツはピンセットやウィーディングツール補助が安心。brother 磁気 フレーム
 
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成功のコツ:設定、ミラー、サイズ調整
- ミラーの要否判断
 
布を裏向きで貼る運用では、デザインをミラーに。裏当ての接着紙が上に来る配置では、反転が必須です。
- 1mm拡大の意味
 
刺繍のサテンステッチ幅が一定でも、布質や伸縮で僅かなズレが出ます。1mmの拡大はその“ズレ許容量”として効果的。パーツごとに拡大を忘れずに適用しましょう。
- 刃深さと圧のバランス
 
深すぎるとマットを傷め、浅すぎると未貫通。動画の例(刃4.25/圧2)はあくまで一例。素材で異なるので、必ずテストカットで基準を決めます。
- 布位置の可視化
 
先にスキャン→Edit画面でパーツを布の上へドラッグして配置。ムダ取りを減らし、取り都合も良くなります。brother 縫製兼用刺繍ミシン
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クイックチェック
- BESのフープは100×100mmで設定したか?
- ScanNCutボタンで塗りのアートワーク化できたか?
- パーツ分離は完了したか?(中心と外形など)
- 印刷ならクロスヘアOFFで鮮明に、PNGならCanvasで青ラインの輪郭が正確か?
- 実機でミラーと1mm拡大を全パーツに適用したか?
- 刃深さ・圧は素材に合わせてテスト済みか?
 
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トラブルシューティング
- 輪郭が正確にトレースされない(Canvas)
 
→ 画像コントラストが低い可能性。BES側でパーツを黒に変更して再出力→再トレース。
それでも不十分なら印刷テンプレート運用に切替え、実機でスキャン。brother embroidery 磁気 刺繍枠
- カットした布端がサテンで覆いきれない
 
→ 1mm拡大が未適用の可能性。各パーツをModifyで+1mm。再配置して再カット。
- カットが浅い/マットまで切れてしまう
 
→ 刃深さ・圧を見直し。素材ごとにテストカットを必須とし、刃は段階的に微調整。
- デザインが布と逆向きに仕上がる
 
→ 布の向きとミラー設定の不一致。裏向きで貼る時は必ずミラー。表置き運用ならミラー不要。
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コメントから:よくある疑問に回答
Q1. Sure Cuts A Lotのように.fcmへ直接エクスポートは?
- 動画ではBES→PNG→Canvas→FCMの手順が紹介されており、BESからの直接.fcm出力には言及がありません(未回答)。運用上は、PNG→Canvasでのトレース→FCM保存が確実です。brother luminaire 磁気 刺繍枠
 
Q2. これはCanvasの追加機能?アップデート?
- コメントでは「ScanNCut Canvasとは別途購入の追加」との回答が寄せられています(動画自体は詳細未記載)。購入や提供形態は地域や時期で異なる可能性があるため、最新情報は公式の案内を確認してください。磁気 刺繍枠 for brother
 
Q3. 問題は解決しました、ありがとう
- ステップのどこかで詰まっても、印刷テンプレート運用に切り替える、Canvasのトレース閾値を見直す、など“二本立てルート”を持つと解決が早いです。brother 4x4 刺繍枠
 
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仕上げのひとこと
このワークフローの肝は3点。センタリング→アートワーク化→実機での「ミラー+1mm」。刃深さ・圧をテストで押さえ、布位置をスキャンで見える化すれば、初めてでもエッジが美しいアップリケに。内蔵デザインの活用から始めて、色・素材の掛け合わせで表現を広げてみてください。snap hoop for brother
