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Bernina Mega Hoopとは?
Mega Hoopは“再位置決め式”の長尺フープ。フープ側面のスライダーを動かすと、1・2・3の3つの位置で“カチッ”と固定できます。マシンはフープ上の微小な突起(センサー)を読み取って、いまどの位置にあるかを判断します。

開封すると、内枠・外枠、プレースメントテンプレート、ウィッシュボーンクリップ、取説が同梱。箱は保管用に活用すると便利です。

5シリーズ向けのフープとテンプレート
テンプレートは2色。動画では5シリーズ(B 500)に合わせ、紫のテンプレートを使用。精密な位置合わせが必要なときにテンプレートを重ねて中央や基準線を合わせます。

紫テンプレートは新しいBernina用、オレンジは旧機種向けという位置付け。今回のサンプルではテンプレートが不要なデザインですが、正確さが求められる配置では頼れる相棒です。

再位置決めメカニズムを理解する
スライダーを動かすと、所定の位置で“クリック”して止まります。これが「1」「2」「3」。マシンの画面に表示される指示と一致していないと、同じ記号が繰り返し表示されて先に進めません。重要なのは「確実にクリックさせる」こと。

マシンはフープの小さな突起を読み、位置を認識します。曖昧な半端位置はNG。クリックで止まるまで移動させ、確信を持って緑のチェックを押しましょう。

刺繍の準備
まずは生地と安定剤の準備から。今回の動画では白い生地の裏に、ヒート接着のフリースと織り安定剤を重ねています。シングルカラーの“NOEL”モチーフを大きく縫う前提です。

適切な安定剤の選び方
フリースや織り安定剤は面全体のコシを出し、長手方向の伸びや波打ちを抑えるのに有効。ふわっとした軽いデザインなら、動画のようにバッティング的な素材で厚みを補ってもOKという使い方も紹介されていました(安定度合いはデザイン特性によります)。bernina 磁気 刺繍枠
正しいホッピング手順
上下2本のネジを“同じ割合”で緩めます。内枠を生地と安定剤の上にセットし、外枠を上から押し込みます。生地の左右端とフープの縁が平行になるよう目で確認。シワやヨレがないか、触ってテンションを確かめましょう。

押し込んだら、左右交互に少しずつネジを締めていきます。片側だけ強く締めると歪みや波紋のもと。均等に、が合言葉です。

ウィッシュボーンクリップでテンション最適化
生地が“ふくらむ”“風船のように持ち上がる”ときは、ウィッシュボーンクリップの出番。フープ縁にパチンと挟み、中央に近いノッチほど強いテンションが得られます(入れにくいときは、入れやすい外側ノッチを選ぶのも現実的)。裏面の状態も確認し、均一に張れたら準備完了です。

5シリーズ本体のセットアップ
B 500の電源を入れ、内蔵の“Love”フォルダから“NOEL”デザインを選択。まずは画面で“Mega Hoop”を指定してから拡大操作に入ります。この順番が肝心。

タッチスクリーンでMega Hoopを選択
画面のフープ項目でMega Hoopを選択。これにより、表示される刺繍可能領域がフープ実寸に合います。フープを選ばずに拡大すると、サイズ制限や警告が出る場合があるため、先に正しいフープを選ぶのが正攻法。

デザインを“等比”で拡大
縦横の比率を保ったまま、フープ内にほどよく収まるところまで拡大。等比拡大ならステッチのバランスが崩れにくく、輪郭の歪みも回避できます。拡大後は緑のチェックで確定。磁気 刺繍枠 for bernina
再位置決めしながら刺繍する
フープをモジュールに装着し、縫い始めます。しばらくすると画面に大きなアイコンで「ポジション3へ」と指示。フープのクランプを握ってスライダーを解放→しっかりと下側(3)へ移動し、クリックを確認。画面で“OK(緑のチェック)”。ここがもっとも重要な所作です。

続いて再開。次の区間を縫ったところで、再び停止し「ポジション1へ」の指示。今度は上側(1)にスライドして、やはり“クリック・確認・緑チェック”。B 570/590は押え上げが自動ですが、B 500は手動で押えを上げてから操作します。

- クリック音と手応えが“確定サイン”。曖昧な位置だと、画面は同じ指示を繰り返し続けます。
 
- 位置変更後は“必ず”緑のチェック。押し忘れると縫い始めません。
 
- 糸ループが気になるときは、縫い直前に上糸を軽く引き上げると整います。
 
こうして3→1と移動しても、仕上がりには継ぎ目が見えません。長い文字や縦長モチーフでも、一筆書きのようなシームレス感に。snap hoop monster for bernina
仕上がりと品質チェック
完成した“NOEL”は、赤糸が生地の上にシャープに乗り、継ぎ目は視認できないレベル。これが再位置決め式フープの真価です。

- 外周に沿って波打ちがないか、ライトを斜めに当てて確認
 
- 文字エッジの段差や重なりがないか、指で軽く撫でて触覚チェック
 
- 裏面の糸締まりと糸絡みの有無
 
コメントからの知見では、「20%ルール」を超えて拡大しても良好な結果が得られるケースがありますが、必ず試し縫いで検証することが推奨されています(拡大量はデザイン次第)。dime snap hoop bernina
トラブルシューティングと質問への回答
- ポジションに動かしても表示が変わらない:クランプをしっかり握ってスライダーを解放→所定位置までスライド→“クリック”を感じるまで押し込む→緑チェック。クリックが甘いと認識されません(視聴者質問への公式回答より)。
 
- 位置表示が指示と逆に思える:マシンの画面指示に従うのが正解。思い込みで動かすとループします。
 
- 7/8シリーズでは?:7シリーズやB 880では、ポジション2固定で再位置決め不要という回答が寄せられています(モデルにより仕様が異なる)。
 
- クリップが硬い:装着しやすいノッチ位置を選び、フープの金属帯の干渉を避けて挟む(物理的に無理はしない)。
 
- 複数デザインの同時配置:画面内に収まる限り可能。全レイヤー選択機能があり、グループ化は必須ではないとの案内。
 
上記はいずれも動画とコメントのやりとりに基づく実際的な助言です。bernina 磁気 刺繍枠 sizes
プロのコツ
- まず“フープ選択”、次に“拡大”。この順番で表示領域のズレを防止。
 
- ネジは左右交互に少しずつ。締め直しのたびに生地表面を指で弾き、同じ音と感触になるよう微調整。
 
- クリックしづらい新品フープは、電源OFFの状態で“空スライド”練習を数回行い、手の感覚を体に覚え込ませる。
 
- テンプレートは“精密配置”の切り札。直線ボーダーやセンター合わせが必須の案件で活用。
 
- 長尺を縫う日は、上糸・下糸・針(番手・種類)を事前に統一して試し縫い→本番へ。
 
注意
- 仕様や互換性は機種によって異なります。本記事は動画で示された5シリーズ(B 500)を中心に解説しています。
 
- 旧機種の操作や互換はメーカー公表情報をご確認ください(動画コメントでも旧モデルへの個別デモは提供されていない旨が述べられています)。
 
- フープの固定が不十分なまま縫製を再開しないこと。機械の損傷や刺繍ずれの原因になります。磁気 刺繍枠 for bernina 刺繍ミシン
 
クイックチェック
- フープは“1・2・3”のいずれかに“確実にクリック”している?
 
- 画面で“Mega Hoop”を選択した?
 
- デザインは“等比”で拡大した?
 
- 生地はシワ無し・面で均一に張れている?
 
- 移動後の“緑チェック”は押した?
 
コメントから
- 再位置決めがうまくいかない:中途半端な位置で止めず、クリック感までしっかり入れる。移動後は緑チェックを忘れない(公式回答)。
 
- 7/8シリーズでの挙動:B 790/880などでは再位置決め不要で使えるとの回答が複数あり。5シリーズは指示に応じて1→2→3を移動。
 
- デザイン拡大の上限:内蔵モチーフは20%超でも良好なことがあるが、まず試し縫い。ソフトで拡大すればさらに広く対応可能(コメント回答)。
 
- クリップが固い:フープ側の溝・金属帯の位置を避け、無理せず装着しやすいノッチを選ぶ。
 
- 複数デザイン配置:画面内に収まる限り複数配置でき、全レイヤー選択があるためグループ化は必須ではない。
 
長尺のボーダー、カフェカーテンの言葉モチーフ、シーズンデコの連続柄など、Mega Hoopで表現できる世界は広がります。最初の一歩は“クリックの確信”。指示に従い、確実に止める。それだけで仕上がりが見違えます。dime snap hoop bernina
