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Baby Lock Solaris 2 の概要(開封前に知っておくこと)
Solaris 2 のような上位機種を開封するときは、ワクワクと同時に「高価な精密機器を、縫う前に壊してしまいそう」という不安も出やすいものです。
このガイドは、そのギャップを埋めるために作りました。現場では、導入初月の「故障っぽい症状」の多くが、実は初期セットアップの見落としです。たとえば糸立ての固定が甘い、刺繍枠の合わせがズレている、スタビライザー(刺繍用下地)を用途に合わないものにしている——こうした小さなズレが、糸切れ・糸絡み・シワ(パッカリング)へ連鎖します。
この手順では、単に「箱を開ける」だけでなく、動画の順番(アクセサリー→刺繍ユニット/枠→本体)に沿って、プロが導入時に行う受け入れ検査(インテーク)の考え方で確認します。電源を入れる瞬間に、不安ではなく「これなら回せる」という確信が持てる状態を目指しましょう。

アクセサリー/押さえ類の開封(箱1)
最初の箱は「小物類」です。ここを勢いで開けて、まとめて引き出しに放り込むのは避けてください。後で必要になる専用品が多く、紛失すると作業が止まります。

動画で確認できる箱1の内容(アクセサリー)
動画では、アクセサリー一式がまとまって出てきます。まずはマニュアルの「付属品一覧」と照合しながら、以下が揃っているか確認します。
- スキャン用フレーム(Scanning Frame):IQ Designer(本体内蔵のデザイン機能)関連で使う付属品。
- 電源まわり:電源コード、フットコントローラー。
- 操作補助:ニーリフター(膝上げ)。
- メイン収納:白いマット仕上げのアクセサリーケース。
- 押さえ金類:ケース内に段構成で収納。
- 消耗品/小物:ボビン、糸こま押さえ(スプールキャップ)、スタイラス。
- 針板:直線用(シングルホール)針板。
- 特殊アタッチメント:ヤーンカウチングセット、デジタルデュアルフィードフット、コーンホルダー(コーン糸用)。



現場で必ずやる「飛ばさない」確認(プレフライト点検)
収納する前に、触って・見て・動かして確認します。初期不良というより、輸送中の当たりや梱包状態で起きる「軽微なダメージ」を早期に拾う目的です。
1) スタイラス先端の引っ掛かり確認(触感) 付属スタイラスの先端を爪の上で軽く滑らせます。引っ掛かりがなく、スムーズであること。
- もし「カリッ」と引っ掛かる感触がある場合は、画面に当てないでください。画面保護の観点で、先端にバリがある可能性があります。
2) 押さえ金の装着部の歪み確認(目視+感触) 押さえ金の取り付け部(シャンクに固定されるバー周辺)に曲がりがないか確認します。
- ここが歪んでいると、針が押さえに当たる原因になります。
3) コーンホルダーのガタつき確認 コーンホルダーを組んで、軽く揺すってみます。固定が甘いと糸道が安定せず、刺繍中の糸調子が乱れやすくなります。
注意:機械安全
開封時、カッターやハサミは電源コード/フットコントローラーのケーブルから十分離して作業します。ケーブル被覆に小さな傷が入ると、後日「たまに電源が落ちる」などの原因になり得ます。動画でも電源コードが出てくるので、取り回しの段階でケーブル全体を目視し、指でなぞって潰れ・切れがないか確認してください。
読者目線の現実チェック(コメントの温度感)
コメントでは Solaris 2 を羨ましがる声や、Meridian への愛着に触れる声が見られます。機種比較の結論を急ぐより、まずは「付属品を使える状態に整える」ことが、作業スピードと仕上がりに直結します。アクセサリーケースを“保管箱”ではなく“作業の引き出し”として運用できるかがポイントです。


準備チェックリスト:アクセサリー監査
- 棚卸し:マニュアルの「付属品一覧」と全点照合する。
- ケーブル確認:被覆の傷・潰れがないか、指でなぞって確認する。
- スタイラス安全:先端が滑らか(爪テスト)である。
- 使用頻度で分ける:日常的に使うもの/特殊用途をケース内で分けて戻す。
- 小物の即時収納:ボビンやキャップはフタ付き容器へ。机上にバラ置きしない。
刺繍ユニットと刺繍枠(箱2)
ここは、今後の作業効率を左右する重要パートです。Solaris 2 には大きな刺繍枠が付属します。一般論として、枠が大きいほど、布の動き(歪み)リスクは上がります。

動画で確認できる箱2の内容(刺繍ユニット+枠)
動画では刺繍アーム(刺繍ユニット)と、複数サイズの刺繍枠が出てきます。枠にはサイズ表記が枠本体に印字されている点が強調されています。確認できるサイズは以下です。
- 特大:10-5/8" x 16" (272mm x 408mm)
- 正方形:10-5/8" x 10-5/8" (272mm x 272mm)
- 標準:5" x 7" (130mm x 180mm)
- 小:4" x 4" (100mm x 100mm)




枠張りの「物理」(つまずきやすい理由)
初心者が結果に悩む原因の上位は、データよりも枠張り(布の固定)です。特に 10-5/8" x 16" のような大枠では、布の中心がクランプ位置(枠の圧着部)から遠くなります。刺繍針が何千回も刺さると、布が内側へ引っ張られやすく、ズレや波打ちが起きやすくなります。
従来の 刺繍ミシン 用 枠入れ に慣れていない場合、
- ベロアやニットで枠跡が残る
- 厚物(タオルなど)でネジ締めが大変
といった「最初の壁」に当たりやすいです。
解決の考え方:道具を替えるタイミングを知る
試し縫いを数回するだけなら、付属の樹脂枠で十分です。一方で、同じ素材を繰り返し回す(例:ポロシャツをまとめて刺繍する、厚手タオルを続けて刺繍する)段階になると、枠張りがボトルネックになります。
状況: 厚手タオル、またはデリケートなポロシャツを枠張りしたい。 問題: 厚物で枠が安定しない/薄物で枠跡が出やすい。 対策: こういうタイミングで、プロは マグネット刺繍枠 babylock 刺繍ミシン 用 を検討します。
マグネット刺繍枠の利点(作業面)
- 締め付け作業が少ない:ネジを強く締める工程が減り、手首の負担が軽くなります。
- 繊維を潰しにくい:過度な圧迫を避けやすく、枠跡対策として有効です。
- 枠張りの再現性:同じ位置・同じ圧で固定しやすく、量産時に効きます。
注意:磁力の安全
マグネット刺繍枠は強力な磁石を使用します。
1. 挟み込み注意:磁石と枠の間に指を入れない。
2. 医療機器:植込み型医療機器を使用している場合は距離に注意する。
3. 保管:磁気に弱いもの(カード類など)から離して保管する。
本体(箱3)の設置と書類確認
3つ目の箱は本体です。重量があるため、持ち上げ方と設置面の安定が重要になります。


動画で確認できる箱3の内容(本体+書類)
動画では、まず書類類が取り出されます。
- マニュアル/クイックガイド
- 位置合わせ用ステッカー(スノーマンのシール)
その後、本体を持ち上げて作業台へ移します。
安全な持ち上げ・設置(作業者の基本)
- 設置場所を空ける:天板の上に道具や小物が残っていない状態にする。
- 持ち手位置を確認:本体の持ちやすい箇所を使い、無理な場所(針周り等)を掴まない。
- そっと下ろす:置いた後にガタつきがないか確認。ガタつきは振動につながり、刺繍のサテンが不安定に見える原因になります。
付属の消耗品について(動画で見える範囲)
動画では、スタビライザーのスターターパックやボビン糸が出てきます。まずは「付属品で何ができるか」を把握し、足りないものは次の購入計画に回すのが安全です。
また、刺繍枠 刺繍ミシン 用 の運用は、枠だけでなくスタビライザーの選択がセットになります。
初回電源オン:見た目だけで終わらせない


起動時の「脈拍チェック」(簡易診断)
動画では電源投入後、LEDライトが点灯し、タッチスクリーンが立ち上がります。ここは画面を見るだけでなく、感覚で確認します。
- 音:起動時に機構が動く作動音はありますが、異常な擦れ音・引っ掛かり音がないこと。
- 光:手元ライトがすぐ点灯し、ちらつきがないこと。
- 操作:タッチが素直に反応すること。
現場のコツ: もしキャリブレーション(補正)を求められた場合は、付属スタイラスで操作すると狙いが安定します。
糸立て(2本糸スタンド)の取り付け
糸立ては軽視されがちですが、刺繍では「糸供給の安定=品質の安定」です。

糸道の基本:高さを出す
動画では、2本糸スタンドを本体上部に差し込み、金属の支柱(アンテナ)を伸ばしています。重要なのはしっかり伸ばして固定することです。
- 糸がスプールからほどける際、ある程度の距離があると糸のねじれが落ち着きやすく、引っ掛かりが減ります。
セットアップチェックリスト:機械側の最終確認
- 設置安定:軽く押しても本体が揺れない。
- 可動スペース:刺繍ユニットの動線を妨げないスペースがある。
- 電源:プラグが奥まで確実に入っている。
- 糸立て:支柱を伸ばし、ぐらつきがない。
- 保管:刺繍ユニット関連のカバーや付属品を紛失しない場所に戻す。
判断表:スタビライザーと枠張り方針
最初の作品は「当てずっぽう」で決めない方が失敗が減ります。布の性質から逆算します。
| 生地の特徴 | スタビライザー選択 | 枠張り方法 |
|---|---|---|
| 伸びる(Tシャツ、ニット) | カットアウェイ(縫製後も支える) | スプレーで浮かせ貼り、またはマグネット枠 |
| 安定(デニム、帆布) | ティアアウェイ(縫製中のみ支える) | 標準枠、またはマグネット枠 |
| 毛足あり(タオル、ベロア) | ティアアウェイ+水溶性トッパー | マグネット枠(枠跡対策) |
補足:初心者は「スタビライザーだけを枠に張り、生地は貼り付ける(浮かせ)」の方が失敗が少ない場合があります。直接クランプするなら baby lock マグネット刺繍枠 のような選択肢が作業を安定させやすいです。
初回の刺繍前にやる品質チェック
電源が入り、刺繍ユニットを使える状態になったら、最初の縫い出し前に最終確認をします。
刺繍枠の点検(枠の当たり前を確認)
標準枠は内枠・外枠を分け、平らな台に置いて確認します。
- 目視:反りや歪みがないか。歪んだ枠はテンションが出ません。
- 触感:内枠の保持部が摩耗していないか。保持力が落ちるとズレの原因になります。
量産や大枠運用で枠張りが負担になってきたら、ここが道具見直しのサインです。Solaris で運用する場合も、対応サイズを把握して babylock マグネット刺繍枠 サイズ を検討すると、枠張り工程のストレスを減らせます。
ボビンケースの確認
ボビン周りを開け、刺繍用のボビンケースが入っているか確認します。縫製用と刺繍用で仕様が異なる場合があり、合っていないと下糸側にループが出たり、上糸が切れやすくなります。
トラブルシューティング
うまくいかないときは、設定を闇雲に変えず、症状→原因→対処で切り分けます。
| 症状 | 起こりやすい原因(まず疑う) | 対処(現場手順) |
|---|---|---|
| 糸絡み(裏が鳥の巣) | 上糸のかけ方ミス(糸取りバネ/天秤に入っていない等) | 上糸を最初からかけ直す。糸掛け時は押さえを上げ、テンションが開いた状態で通す。 |
| 針がすぐ折れる | 押さえや針板の組み合わせ違い/固定不足 | 刺繍用押さえが正しく固定されているか確認。針板も用途に合うものを使用。 |
| 枠跡(テカり・リング) | デリケート素材を強く挟みすぎ | スチームで軽減できる場合あり。次回は浮かせ貼り、または マグネット刺繍枠 babylock 用 を検討。 |
| 柄ズレ/隙間(位置合わせ不良) | 生地が枠内で動いた/スタビライザーが弱い | 伸縮素材はカットアウェイを基本にし、固定方法を見直す。 |
| 対応マグネット枠が分からない | サイズ表記・互換表の読み違い | babylock マグネット刺繍枠 サイズ で対応表を確認し、機種に合う枠を選ぶ。 |
まとめ(ここまでできれば次に進める)
ここまでで、Baby Lock Solaris 2 の開封から初回起動までを、手順として整理しながら確認できました。
現在の状態:
- アクセサリー:棚卸しと安全確認ができ、紛失しにくい運用に入った。
- 刺繍ユニット/刺繍枠:付属枠サイズを把握し、大枠の難しさ(布の物理)を理解した。
- 本体:安全に設置でき、起動時のチェックができた。
- 糸供給:糸立ての重要性と、安定させるポイントが分かった。
次の一手(最初のテスト) いきなり大物に行かず、まずは「実験」として条件を固定します。
- 5" x 7" の標準枠を使う。
- 生地に合わせてスタビライザーを選ぶ(迷うなら伸縮素材はカットアウェイ寄り)。
- まずは小さめの文字やシンプルなデザインで、糸調子と位置合わせを確認する。
標準枠で安定してきたら、作業のどこが遅いか(枠張りか、下地か、糸供給か)が見えてきます。枠張りそのものが負担になってきたら、プロの現場と同様に babylock マグネット刺繍枠 のような選択肢を検討するタイミングです。
